みーみー
- カテゴリ:小説/詩
- 2020/12/08 00:50:59
噛みついて掴んでそれでも逃げようとするから
足でゲシゲシ蹴りつけしっかり捕まえる
丁寧に舐めながらちょっと見る
他の誰にも見られてない自分
他の誰にも取られていない自分
至福のひと時だ
これで 甘えやすくなれる
本当の自分に戻れる
大きい、は毎日笑っていて
優しく 自分だけを撫でてくれた
大きい、は毎日傍にいた
寝る時も一緒、起きる時も一緒
それが忙しいになって大変になって
気づいたら、ふーふー!
自分のテリトリーが侵されていた
それがストレスになって
大きい、に気づいて欲しくて
無視したり悪さしたり
そのたびに ちらっと見る
そのたびに、××と怒られる
解っててやってるから直らないよ?
早く返してよ 私だけの場所
そう 訴えているのだろうな
カビさんは
ラビさんまでなら多少許せただろうけれど
子供達は誰にも譲らず手元に置いたから
狭くなったテリトリーで誰にも見られないようにして
甘えられる時間が少なくて、いや、我慢して
それが堪え切れられないと
珍しく 私の横の和ダンスに入り
そっと アピール
撫でても簡単には喉ゴロゴロなんていわないわよ!
みたいにいるけれど 嬉しくて仕方ないのは伝わってくる
がんばったね 私達
がんばったね 初めての出産に気づかないカビさんの子を
口元にもっていったら驚いて慌ててへその緒を切ったり
羊膜をなめとったり その間次々に生まれてくる子友達・・・
お乳を飲ませているとき 幸せそうな表情と不安な表情が入り混じってた
ご飯で離れる時も私が其処に居るか何度も見てから急いで食べて飲んで
又子猫たちと一緒。
私が子供の頃一緒に暮らしてたチャーミーさんなんて
人間一人一人布団の中に 生まれたばかりの子猫を置いて
初産なのに誇らしげにいたけれど
カビ母さんはそんな余裕もなかったね
不安だらけで私に助けを求める事もしばしばだったし
それなのに 今は足でゲシゲシかーーい!
名前の由来 噛みつくから カビ
それは変わらないね 変わって欲しくないな
変わるだろうけど 変わって欲しいな
今度こそ 生きてて幸せだよって
思って貰えるように
努力するよ
たくさん得た悲しみの経験を踏まえて
足掻いてやる 何が起きようとも