Nicotto Town



「初恋」のつづき・・・「彼女の願い」


「彼女の願い」 


僕が泊まってるホテルのレストランで食事しながら 
お姉さんは、彼女から頼まれたということを僕に話してくれた。 

彼女は最悪のことを考えて お姉さんに頼みごとをしていた。 
彼女は入院して化学療法を始める前に医者にお願いして 
彼女の卵子を取って保存してもらうことを頼んだ。 
もし私がこの病気のせいで子供が産めなくなるか、死んでしまったら 
その卵子を使って 僕との子供を作って欲しいと。 
もちろん僕が承諾したら話。 
そして人工授精した卵子をお姉さんの子宮に入れてお姉さんに 
代わりに出産してほしいと、頼んでいた。 

僕はいつも彼女に驚かされてきたけれど、 
今回ばかりは言葉も出なかった。 

彼女は僕と約束した通り 闘病生活で一度も泣かなかった。 
励ますはずの僕をいつも彼女が励ましてくれた。 

彼女がそれを望むなら僕は喜んで 彼女の望みを叶えたいと思った。 
しかしお姉さんが代理出産をするということはとても 大変なことだ。 
お姉さんも覚悟はできていた。 
お姉さんは、ご両親にもこの話をした。 
そして僕が了承すれば 叶えてやってくれと頼んでいた。 

東京に戻って、彼女が入院してた大学病院で人工授精をしてもらった。 
受精に成功した卵子は彼女のお姉さんの子宮に戻された。 

お姉さんに僕たちが住んでいたタワーマンションに住んでもらって 
僕は、彼女と行くはずだった新婚旅行を一人で行くことにした。 
新婚旅行はハワイに行くことになっていた。 
僕は彼女と10日間彼女と決めたコースを旅行してハワイから 
ロサンゼルスまで 飛行機で飛んで 
ロサンゼルスからボストンまでバイクで横断旅行に行くことにした。 
タブレットとスマホに今まで彼女撮った写真とビデオと
IPod に彼女の歌を一緒に、巡礼の旅に出発した。 


                        つづく




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