大山テイタラク登頂記5 ついに完結!
- カテゴリ:日記
- 2020/11/23 08:19:06
この前の「大山初登頂記4」と、一挙に「公開」する予定。
1・2・3とちゃんと読んでもらってから、
4・5と順々に公開しておこうと思ってたんだけど、
ダラダラした文を一気に読んでられんかよぉと、パスされそうだから。
始めたら一気に書き進まないと、書くのが嫌になってしまう、
ってことでファイナルまで書いちゃおうと「その5」を書き始めた。
書き出したらスラスラ綴れるけれど、それなりに時間はかかるのだ。
【大山初登頂記5 ファイナル】
やっとの思いで石段を下り切り、「登拝門」をくぐった。
門の前には、神社関係者と思われる二人がお出迎え?してくれた。
「後ろにまだ下りてくる人、いましたか?」
「僕らが最後だと思いますけど・・・」
二人はこれを確認してから、この門を閉じるのかもしれない。
「で、ケーブルカーの最終は何時ですか?」
「4:30です。あと30秒しかないので、無理ですね」
ガクッと心が傾き、脚のガクガクはさらに震えを増した。
ここまで来ればケーブルカーがある、と必死に下ってきたのに。
「男坂と女坂がありますが、灯りがある女坂の方がいいですよ」
まだ、下らなきゃいかんのか・・・、不覚にも涙が滲んでしまった。
「上りには90分、下りは60分って書いてありましたが・・」
「それは登山慣れした人の所要時間ですよ・・・」
境内には、係員以外は誰もおらず、売店も閉まっている。
覚悟を決めて、麓まで下り切るしかない。
石段をゆっくり下り、女坂の道へと向かった。
女坂と言ってもかなりの急坂で、疲労困憊の脚にはこたえる。
淡い灯りは点々と続いているが、日がすっかり暮れると
階段状になっていると分かっていても足元がはっきり見えず、怖い。
早くこの状況から脱出したいと、脚を進行方向に向けて下りてみると、
力が入らない脚はぐらつき、前のめりになりアブナイ。
ってことで、やっぱりカニ歩き状態で進むしかない・・・
ああ、なってこったパンナコッタ、ナンタルチーヤ。
今までの人生で最もつらく苦しい時間、とまでは言わないが、
苦行としか言えない時間がまだまだ続いた。
途中の小さな寺の境内に、あの二人組の若者がまだいた。
元気そうな若者ですら、すいすい下りていけないのだ。
ちゃんと足腰は鍛えておかなきゃいかん、若者も僕も。
灯りを背にすると、ほとんど足元は見えない。
こんなことなら磯釣り用のヘッドランプを持ってこればよかった、
とふと思ったけど、山頂まで登るなんて想定外だったからなぁ・・
麓からの伊勢原駅行きバスは遅くまで運行されてると
この坂の途中で足早に下りて行った兄ちゃんから聞いていたので、
のんびり行くべぇ、と急がず慌てず、そろりそろりと下った。
やっと、下りにも使うはずだった「ケーブルカー駅」脇を過ぎ、
土産物屋や食べ物屋が並ぶ参道に入っていった。
だが、全ての店は閉まり、人っ子一人歩いていない。
参道は緩やかな石段が多く脚への負荷は減ったが、心は重い。
だって、1000円分のクーポン券は使えないし、
ケーブルカー往復乗車券は片道しか使ってない・・・
参道脇の自販であったかい缶コーヒーを買い、
ベンチに座って6時間ぶりにゆったりと煙草をくゆらした。
そして、バス発着所までぎこちない足取りで向かう。
18:40、僕ら二人だけを乗せたバスが動き出す。
動き始めてまもなく、車内にアナウンスが流れ、
「登山にふさわしい装備をして山に向かいましょう。
しっかりと計画を立てて山に登らないと非常に危険です」。
あまりに耳に痛い言葉で、つい笑ってしまった。
クーポン券を貰う際に付いていたパンフを開くと、
2月末まで有効で、近くにある日向薬師周辺の店でも使えるとの説明。
日向薬師は日本三大薬師で、一度じっくり行きたかった所。
「じゃあ、来年早々にも行こう」と、知人と約束したのだった。
阿夫利神社からの帰りに串焼き屋で一杯、ってことになっていた。
けれど、飲む気力なんてもう残っていない。
ご飯なしの豆腐だけの昼食でお腹が空いてるってことで、
胃に負担をかけないきつねうどんを駅前で食べて、解散となった。
振り返って考えると、
大山山頂からの下山は全て自分の脚で走破?、したことになる。
山頂の標高は1251.7mで低山の部類に入るが、
繰り返すがハンパない急峻な山道なのだ。
ミシュランガイド三ツ星の「高尾山」は標高599mで、
ケーブルカーを使ったら、降りた駅はもう標高472mになる。
なおかつハイキングコースだから、ここと比べようもない。
情けなく、ツライ目に遭ったが、何とか帰ってこられた。
「自分を褒めてあげたい」って言う程じゃないけど、
いい体験をしたことだけは確か。
《教訓》
1.どんな山でも舐めてはいけない!
2.入山する際は、それなりの装備・恰好をしなくてはいけない!
3.たとえ高くない山でも、思い付きで登ってはいけない!
この山行は1年分のスクワットを一挙にやったみたいなもんで、
あれから4日過ぎても、ふくらはぎと太ももの痛みは消えていかない。
でも、むやみに山を恐れちゃいけないので、
ちょっとトレーニングしつつ、また山行に挑みたいと思ってる。
今度は事前にちゃんと調べて行くけどね。
帰りのケーブルカーに微妙に間に合わない、
これがドラマ?を生むんです。
その時は実に辛かった、情けなかった・・・んですけどね。
でも、これが僕の旅で、話のネタとしてはOKと言えないこともない。
中国に滞在した時も、始めはムカッとした怒りの対象でしかなかったものが、
次第に話のネタとしてはオイシイ、と思うようになったものです。
うわあ~ケーブルカーに間に合わなかったのですね。
苦行に続く苦行
無事にご帰還 本当によかったです。
クーポンもまだ利用可能ということで、
次の計画もできて、結果オーライというところでしょうか。
次回は、今回の教訓を元に、準備万端で行けそうですね。
あまり寒くならないうちに、いってらっしゃいませ・・ですね。
まさに「イタタタ」のアナウンスでした。
行きの車内で流しておいてくれたら・・
なんて注文つけてもショーガナイですけどね。
僕の旅はいつもこんなもの。
ガイドブックなんか殆ど見ないからですが、
でも、だからこそ旅は面白いんです・・・、けれど・・・
まさに難行苦行の修業のような道中で
ケーブルカーに間に合わないことが分かった時は
さぞ心折れる状態でしたでしょう(T_T)
お怪我がなかったことがせめてもの幸いでしたね。
帰りのバスの車内アナウンスの下りで
イタタタと私も思わず苦笑いしてしまいました(;^_^A
さすがにサンダル履きで山には入りませんが、
その通りですよね。
今日は陽射しがなく、風も冷たいので、書類整理に当てています。
我が家から丹沢連峰も見え、その中で際立って目立つのが大山。
あの山を眺めるたびに、苦行となった山行を思い出し続けるでしょうね。
5の始めにこの話だけでも内容がわかりそうだったのでさっと読ませてもらいました.
私は山歩きをする1人ですけど,最後の教訓,その通りだと思います.
自分の体力を過信しすぎず,だめそうだと思ったら引き返すことも大事.
軽装軽備で山を歩く人が多くてたまに夏だとビーチサンダルで歩く人も見たことあります.
けれど何が起こるかわからない場所ゆえ何か起こると山岳救助してもらうにも
結構な費用もかかることを踏まえないと,と常々考えながら歩いてはいますよ.
書き始めると、ついつい長くなってしまう。
会議などのレジュメはコンパクトに、って精神で作成してたけど、
こういう体験記はコンパクトにまとめると臨場感も出ないし、
ツマンナイものになっちゃうって気がしてね。
文が饒舌であることは認めるけど。
また、他の山にチャレンジするよ。
「失敗って言うのは、成功するまでチャレンジしなかったから」
って言葉を聞いたことがあるけど、その通りと思っているから。
同じ修験道の山ってことで高尾山を例に挙げたんだけど、
高尾山はまるで散歩道のようなもの。
僕も何度か高尾山に登っているけど、
次第にケーブルカーを使い、山のビヤガーデンで一杯、ってパターンに。
ビールを飲みながら、各地でやってる花火大会が同時に見えるんだ。
ケーブルカーを使わずに登山・下山をしたのならエライ!
登山ルートはいっぱいあるし、まぁ手軽な山だから、
別のルートで楽しみながらまた登ってみて。
それを日記に書いてくれれば、読む楽しみが増えるんだけどなぁ。
頼みの綱のケーブルカーに乗れないなんて・・・
まさに苦行、きっと宝くじに当たるとか、いい事あるよ。
これに懲りず、また山行に挑みたいと、感心尊敬してしまう。
バスのアナウンスが、一週回って笑っちゃうね^^
けっこう大変でしたから、そのたぐいとは
こちらのお山、きっと雲泥の差で、さすがのイッコウさん
だと、山はやはりそうとうの修行の地なんですね(o_ _)o))
何とかなる、始めたら最後までやり遂げる、
そういう甘さと無意味な根性が完膚なき敗北をもたらしたのです。
でも、挑戦した者のみ修験者の苦行を体得でき、「敗因」を分析できる、
なんちゃって書きましたが、腹の底から反省しております。
「無装備のばかもん」と括られると、ホントだけど切ない・・・
必要なレベルの装備がわかったと思います。
そこでさらに、上り続けるというのが敗因ではないでしょうか。
山には山の神がいるとか。気に入らないとてをのばすとか。
ユーチューブ中継の富士登山を企てた、無装備のばかもんが風にあおられて落とされ死亡したのも
そのあたりかと・・・。
とはいえ、イッコウさまは山の神に見守られて無事下山なさったのでしょうね。
めでたしめでたし♪