日本百名山 ~BSプレミアム~ ②
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2020/11/13 00:05:51
こんばんは!13日(金)は沖縄や四国、近畿で雲が広がりやすく、
雨の降る所があるでしょう。東北日本海側や北海道を中心に天気は下り坂で、
午後は雷雨となる所がある見込みです。その他の地域は晴れる所が多いでしょう。
雲上へ延びる尾根
鏡のように輝く池
山腹を彩るお花畑
難所の岩場に挑む
天上の縦走路を行く
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北アルプス 五竜岳
〇登山ガイド 荒川智(あらかわさとし)さん
福島県出身の荒川智さん。
雄大な北アルプスに魅せられ、11年前、長野県に移り住みました。
冬はバックカントリースノーボードのガイドととしても活躍しています。
前回は出発から4時間半の唐松山荘1泊をしようとしたところまで
ご紹介でした。今回は1泊後の2日目から山頂を目指して行きます。
2日目
午前4時半
おはようございま~す。
「あっ、おはようございま~す。
今日は、え~と、これから唐松岳に登ってご来光を見て、
まあ、その後いよいよ五竜岳の方に向かいたいと思います。
行ってみましょう。よろしくお願いします」
登ること20分。
〇唐松岳(2696m)
「はい、唐松岳到着になります」
あ~、雲海の向こうがオレンジ色に染まってきた。
あ~、お日様出てきた~。
「あ~、綺麗に見えてきましたね」
綺麗だな~、五竜岳へ無事に行けますようっにっ。
いよいよ後立山連峰の縦走を開始。難所の岩場を越えて五竜岳を目指します。
結構風が強いな~。
「はい、じゃあここからね、え~と、危険な岩場なので、
え~、準備をします。え~と、ヘルメットをあとはストックも
たたんでもらって、あとは脇に飲み物なんかある方は全部しまっちゃいます。
じゃあ準備しましょう」
落石の危険がある為、ヘルメットを着ける。険しい岩場へ向かいます。
〇牛首(うしくび)
難所の牛首、切れ落ちた岩場が括(くび)れた牛の首に見えることから
名付けられたといわれております。ここからしばらく下って行く。
わっ、足場が狭いなぁ。踏み外さないように気を付けなくちゃ。
う~、高いな~、う~、かなり下まで切れ落ちてる。
何だかドキドキしてきた。
「足場をしっかり確認して行きましょう」
はい、険しい道が続く。岩場の下り方を教えてもらおう。
<山旅スタイル> 険しい岩場の下り方
「え~、岩場まではこういう鎖場、鎖が出てきますけども、
あくまで鎖は補助になります。なのでしっかりと岩を掴んで
え~、下って行きます」
〇鎖に全体重をかけない
鎖に全体重をかけないこと、バランス良く足に体重を乗せよう。
「岩の掴み方ですがしっかりと包み込むように
ガッチリ掴める岩を探します」
〇岩をつかみ体を支える
岩をしっかり掴み、体を支えます。
手を添えただけだとバランスを崩した時に危険。
「さらに恐怖心からですね、こう体を岩にくっつけてしまう場合があります。
まあこうすると見えないので岩から体を離してここに空間を作ってあげます」
岩にくっつくと視野が狭くなります。
〇岩から体を離し足元が見えるようにする
少し体を離し足元がちゃんと見えるように
他にも急な下りで前向きに下ると
ザックが岩に当たってバランスを崩します。
〇クライムダウンの方が安全
後向きの姿勢クライムダウンの方が安全。
岩場の下り方、覚えておこう。
岩をしっかり掴んで足場を確認して。
「落ち着いてゆっくりで結構ですからね」
稜線の西側はすっぱり切れ落ちてる。この先も慎重に進もう。
「あ、見てください。雷鳥がそこにいますね」
えっ?どこどこ?あ~、いた~。
〇特別天然記念物
ライチョウ
茶色い夏毛の雷鳥。ん?その上には?
〇ホシガラス
ホシガラスも。美味しいものでもあるのかなぁ?
「ホシガラスと雷鳥が二羽、近くで見られるのは珍しいですね」
へぇ~、滅多に見られないツーショットなんだ。
まだまだ岩場は続きます。気を抜かず一歩ずつ確実に。
「はい、お疲れ様でした。あの~、難所がこれで、
え、難所の岩場はこれで終了になります」
はっ、ひと安心。ここからしばらく歩きやすい稜線を行くそうです。
「え~と、今歩いているこの道がちょうど県境になります。
こっちが富山県、こっちが長野県ですね、はい」
県境への稜線を進み五竜岳のとりつきに向かうんだ。
登りに下りを繰り返すこと1時間半とうとう五竜岳の
とりつきまでやってきた。
「はい、じゃあお待ちかねのこれから五竜岳に向かいたいと思います」
いよいよ山頂へ、頑張るぞ~。
岩だらけで荒々しいな~。
「やっぱ遠くから見ても迫力がありますし、
近づいてくれば近づいてきても迫力あるんで、凄いですねぇ」
急な岩場を青空に向かって進んでるみたい。
最後の登り、岩場に付けられた狭い道を歩きます。
かなり登ったなぁ。
「だいぶ来ましたねぇ、あともう少しです」
はい。
山小屋を出発して4時間半
〇五竜岳(2814m)
「はい、え~、2814m。え~、五竜岳到着です。お疲れ様でした」
着いた~。
「やっと来ましたねぇ」
西を見ると劒・立山連峰だ。
「正面に見えてるのが剱岳(2999m)になります。
剱岳からずうっと左手に送っていくと台形の山があります。
こちらは立山<大汝山(おおなんじやま)(3015m)>になりますね」
南には
「こちらが鹿島槍ヶ岳(2889m)になります。
左手側が北峰(ほっぽう)になります。
で、右手側が南峰(なんぽう)になりますね」
見返すと南から北へ連なる後立山の山々がずうっと奥まで見えるんだ~。
ちょこっと頭を出しているのが白馬岳(しろうまだけ)。
手前は早朝登った唐松岳だ。
〇登山ガイド 荒川智さん
「まあ短い距離ですけど縦走が出来るっていうのも
まず一つ醍醐味だと思ってますし、ゆっくりのんびり八方尾根で花を楽しんで
で、景色を楽しんで次の日は岩場の急な斜面にトライする。
最後は五竜岳に登るっていう目的を達する。
いろんなバリエーションをいろんな感覚で楽しむっていう事が
一番のここが魅力かなって思います」
後立山連峰の五竜岳。
山の魅力が詰まったルートを歩き、北アルプスを肌で感じた山旅でした。
いかがでしょうか?今回二日にかけての五竜岳でした。
一日目は白馬三山が映る美しい八方池があり、そしてシモツケソウや
タテヤマウツボグサという高山植物を眺め、高山植物園を楽しみました。
そして絶滅危惧種1A種のクモマキンポウゲという黄色いお花も
ある所でした。素晴らしい山です。
いつまでもこのような素晴らしい自然が残って欲しいものです。
とても危険が多い山です。なので油断せずに足元を見ながらそしてあまり体重を鎖にかねないようにして
行動が大事です。これからこの山は雪が降りそうですので何事も無いことを願いたいものですよね?