栗
- カテゴリ:グルメ
- 2020/09/28 17:27:21
栗の季節である。
私はいつも9月中に買って渋皮煮を作るのを年中行事にしていたが、今年は本当に忙しくて、作るのは無理だろうなと思っていた。
栗と言うのは不思議なもので、早生のうちは渋皮が薄くて白っぽい。
だけど10月に入った途端、分厚くて濃い茶色に変わってしまう。
また、新鮮なものは渋皮が薄いが、2,3日経つとやはり分厚くなる。
しかも渋皮が身に入り込んだり、なんか複雑な形になっていくような気がする。
なので渋皮煮を作りたければ9月中に作るしかないのだ。
(もちろん、渋皮煮にならなかった栗は栗ご飯やマロンペーストにしておいしくいただくのでいいのだが)
だから今年はあきらめよう、もう子供たちだってそんなに喜ばないし、と思っていたら、先週の休みの日に電話がかかってきた。
毎年通っていた栗農家さん。
と言っても専業ではなく、栗の時期だけ奥様が丁寧に選別して家の前に小さな看板を立てていらしたところだ。
数年前に奥様は施設に入られたので、その後は旦那様が細々と続けられている。
「今年もありますよ」と言われて、すぐに行く。
栗はやはり人間以外にもおいしいらしく、1日取りにいかないと虫に食われて売り物にならなくなる。
虫食いがなくても、つやや形でちょっと古くなっているな、と言うのはすぐにわかる。
奥様の栗は本当につやつやしたものばかりで素晴らしかったが、正直旦那様になってからは2,3日に1度しか巡回していないんだろうな、という栗だった。
だけど、今年の栗は、まるで奥様が選別したような美しい栗ばかりだった。
奥様の顔はもう思い出せない。
だけど小柄で、朗らかな方だった。
旦那様は奥様がいらした時には栗なんて見向きもされなかったのに、きっと今は丹精込めていらっしゃるのだろう。
こんなに遅い時期なのに、むいた栗の渋皮はほとんどが白くつるんとして、おいしい渋皮煮になりそうだ。
トウモロコシも、もぎたてが最高ですよね。
初めて食べた時のおいしさが忘れられなくて、季節になると近所の農家を回って売っているのを見かけたら必ず買います。
普段は向いた栗の2/3か半分くらいしか渋皮煮にならないのですが、今回はほとんど使えない栗がなく、ほっこりしたいい渋皮煮になりました。
なんでもとれたてはうまい。
子供の頃、近所でトウモロコシを作っている畑があって、
散歩?してたのか母親と一緒に通りかかったら、
畑のおじさんが「これうまいぞ」と数本くれて、
帰って蒸して食べたらうまいのなんのって。
売ってるのって全然違うんだと子供心に強く思ったもんです。
学生時代に買った季節の手作りの本に渋皮煮の作り方が載っていて、いつか作りたいと思っていたのがかなってもう20年近く作り続けています^^;
結婚したところの近くに果物農家や栗農家があったもので。
今年の渋皮煮は、とてもいい出来になりました。
いつも貰って数日たってからゆでて食べてる程度でした。
渋皮煮美味しそうだけど自分で作る根性はとてもなくて;
栗農家さんの話もいいお話ですね。心がじんわりあったまりました。