Nicotto Town


ユウの想いごと


小説『月と六ペンス』

サマセット・モーム 著
『月と六ペンス』を読みました。

『新潮文庫の100冊』の
ラインナップを眺めていて
タイトルのかっこよさに惹かれ
購入してみました。

ロンドンに暮らす若い作家の男性が
交流のある婦人から
突如失踪した夫の捜索を依頼され
パリに赴くという話で。

作家の回想譚というかたちで
株式仲買人から
40歳にして画家への転身を断行した
男性の生涯が綴られていき
本書が執筆された当時の世相もあってか
女としては思わず
むむっと感じてしまう記述が
少なからずあったのだけれど
精緻な文章と
鋭い人間観察眼と
巧みな場面構成によって
読書欲がぐいぐい引っ張られました。

画家と作家との交流によるエピソードと
画家と交流のあった人々との対話によるエピソードによって
美の魔力にとりつかれ
安定した社会地位と家庭と生活を
ばっさりと切り捨て
心身を削りとるかのように描きつづけた
孤高の天才画家の
破天荒な生きざまと
画家によって生み出された作品が
魔力的な美を放つさまが活写され
拙いながらも美術好きな私は
心躍らされました。

けれど一方で
画家と対比するかのごとく登場する
画家の不倫相手の女性の
愛の魔力にとりつかれた
破天荒なありさまに
こじらせ物語好きな私は思わず
感情移入してしまったのでした。
 

アバター
2020/08/15 21:51
読んだことがあるのは確か。
家に本がある。でも、でも・・・
内容をさっぱり覚えておりませぬ!!!
ユウさんのあらすじを読んでも、ひとかけらも思い出せない・・・
ところがタイトルは覚えてるということは、やっぱりかっこいいタイトルだからですよねw
アバター
2020/08/15 18:38
「月と六ペンス」名作なんでしょうけれど・・・未だ読んでないです。
でも「人間の絆」は大分昔ですが読みました。
結局、主人公(画家を目指す)が「人間はダメダメな存在」と認識し、
普通の人間として生きていくのを決意する的な
話だっと記憶。そういう意味でオオトモユウさんの要約を読ませて頂くと
割と主人公に共通項があるように感じられまする。
アバター
2020/08/15 15:08
ユウさん
モーム。
ユウさんの選ぶ本はいつも渋いですね。
僕も美術は専ら鑑賞するだけですが好きです。
原田マハの『楽園のカンヴァス』は結構面白かったです。



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