452番: さすらいの青春
- カテゴリ:日記
- 2020/08/03 01:16:24
【25】
Elle était entr'ouverte et je vis aussitôt qu'il se passait
quelque chose d'insolite.
訳
門扉は半開きだった。私は何か尋常でないことが
起こっているんだと気づいた。
《語彙》
entr'ouverte < entre + ouvert
entre 少し~する、半分~する / entrebâiller 少し開く
entrouvert(e) (形)半ば開いた
√entrouverir (他)わずかに開く、細目に開ける
insolite(形)異常な、突飛な
se passer 起こる、生じる
《解説》
1行目、一見aussitôt que の言い回しに見えるが、aussitôt は
単独で用いられている。que以下 はvis の目的格補語。
que の次、il は、文末のquelque chose d'insoliteを
先行して受けている。
文末に、主語が回り、その主語代名詞
il が先行して主語位置に置かれている。
文末遊離構文と呼ばれるもの。
門扉は半開きだった。なので私は見てとったんだ、
何か異常なことが起こっていた(半過去)ことを・・
そんな感じです。
【26】
En effet, à la porte de la salle à manger — la plus
rapprochée des cinq portes vitrées qui donnaient sur
la cour — une femme aux cheveux gris, penchée,
cherchait à voir au travers des rideaux.
訳
事実、食堂の扉のところには ─ 校庭に面した5つの
ガラスの扉のうち、最も近い扉に ─ 銀髪の婦人が
身を傾けて、カーテン越しに中を見ようとする姿があった。
《語彙》
rapproché(e) (形) 近い
penchée 過去分詞 <pencher(他)傾ける、かしげる
(自)傾いている
au travers ~を通して、通り抜けて
rideaux (m)(pl) < rideau カーテン、窓掛け
【27】
Elle était petite, coifée d'une capote de velours noir à
l'ancienne mode. Elle avait un visage maigre et fin,
mais ravagé par l'inquiétude ; et je ne sais quelle
appréhension, à sa vue, m'arrêta sur la première marche,
devant la grille.
訳
その女性は小柄で、古い流行だった黒色のビロード製の
カポート帽をかぶっていた。ほっそりとした痩せ顔で
心配のためか、やつれていた。
この様子を見て、どう理解していいか、わからなくて、
私は柵の前の石段の1段目で立ち止まった。
《語彙と解説》
capote (f)カポート帽
(婦人・子供用のアゴひも付き縁なし帽)
coifée de(過去分詞女性形)~の帽子をかぶった
< coifer [de を] かぶらせる
maigre (形)やせた
fin ほっそりした
ravagé (形)①荒廃した、② やつれた
inquiétude (f)不安、心配
maigre et fin は男性形なのでun visage にかかっている。
身体の細さではなく、顔つきのほっそりしたという意味
(elle était ではなく、elle avait であることからも、身体の形用ではない)
marche (階段の)段、ステップ、踏板、踏みずら、