Nicotto Town


五飯田八宝菜の語学学習日記


452番: さすらいの青春

 【25】
Elle était entr'ouverte et je vis aussitôt qu'il se passait
quelque chose d'insolite.


                 訳
門扉は半開きだった。私は何か尋常でないことが
起こっているんだと気づいた。


       《語彙》
entr'ouverte  < entre + ouvert 
entre  少し~する、半分~する / entrebâiller  少し開く 
entrouvert(e) (形)半ば開いた 
√entrouverir (他)わずかに開く、細目に開ける                 
insolite(形)異常な、突飛な
se passer  起こる、生じる


              《解説》
1行目、一見aussitôt que の言い回しに見えるが、aussitôt は
単独で用いられている。que以下 はvis の目的格補語。
que の次、il は、文末のquelque chose d'insoliteを
先行して受けている。
文末に、主語が回り、その主語代名詞
il が先行して主語位置に置かれている。
文末遊離構文と呼ばれるもの。
門扉は半開きだった。なので私は見てとったんだ、
何か異常なことが起こっていた(半過去)ことを・・
そんな感じです。




             【26】
En effet, à la porte de la salle à manger — la plus
rapprochée des cinq portes vitrées qui donnaient sur
la cour — une femme aux cheveux gris, penchée,    
cherchait à voir au travers des rideaux.

              訳
事実、食堂の扉のところには ─ 校庭に面した5つの
ガラスの扉のうち、最も近い扉に ─ 銀髪の婦人が
身を傾けて、カーテン越しに中を見ようとする姿があった。


       《語彙》
rapproché(e) (形) 近い 
penchée 過去分詞 <pencher(他)傾ける、かしげる
                           (自)傾いている
au travers ~を通して、通り抜けて  
rideaux (m)(pl) < rideau カーテン、窓掛け



        【27】
Elle était petite, coifée d'une capote de velours noir à
l'ancienne mode.   Elle avait un visage maigre et fin,
mais ravagé par l'inquiétude ;   et je ne sais quelle
appréhension, à sa vue, m'arrêta sur la première marche,
devant la grille.    

                訳
その女性は小柄で、古い流行だった黒色のビロード製の
カポート帽をかぶっていた。ほっそりとした痩せ顔で
心配のためか、やつれていた。
この様子を見て、どう理解していいか、わからなくて、
私は柵の前の石段の1段目で立ち止まった。


        《語彙と解説》         
capote (f)カポート帽
   (婦人・子供用のアゴひも付き縁なし帽)
coifée de(過去分詞女性形)~の帽子をかぶった 
 < coifer [de を] かぶらせる
maigre  (形)やせた
fin ほっそりした
ravagé  (形)①荒廃した、② やつれた
inquiétude (f)不安、心配
maigre et fin は男性形なのでun visage にかかっている。
身体の細さではなく、顔つきのほっそりしたという意味
(elle était ではなく、elle avait であることからも、身体の形用ではない)
marche (階段の)段、ステップ、踏板、踏みずら、

 




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