釣り師ジュンチャンと世界を巡る 第9回はベトナム
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2020/07/23 09:08:01
ベトナムというと、ベトナム戦争がすぐに思い浮かぶせいか、暗い印象の国というイメージになってしまいます。
現在、ベトナムは共産党の一党社会主義体制を採用しており、社会主義市場経済やネット検閲など中国と類似する政策を行なっているために「ミニ中国」と言われているそうです。
ベトナムは長い歴史の中で中国の歴代王朝から繰り返し支配と侵略を受け、紀元前111年から約1000年もの間、中国の歴代王朝はベトナムを支配下に置きました。
その後もモンゴルやフランスの支配下に置かれ、この国の歴史は例のベトナム戦争を含めてたいへんです。
ベトナム戦争はアメリカと当時のソ連の代理戦争で、ベトナムは当時北と南に分かれていました。
開高健さんはベトナム戦争に従軍し、命からがら帰国し、その体験を「ベトナム戦記」として発表しましたが、そこにはベトコンと政府軍の想像を絶する泥沼の戦いが書かれています。
同じ民族同士で血を流しあい、親兄弟の間で殺しあう戦争はこのベトナム戦争に限ったことではありませんが、やはり戦争はいけませんわ。
開高健さんは、ベトナムを「どこでもニョクマムの匂いのする国」と紹介しています。
この国は日本のしょう油と同じ感覚でニョクマムを使って料理し、ごはんにもニョクマムをかけ食べます。(こうすると、ベトナムのしょう油ご飯となる。)
有名な「アオザイ」はベトナムの民族衣装で、日本でいえば和服のようなものです。
「ミニ中国」と化したベトナムですが、釣り師的には「いつでもどこでも、ニョクマムの匂いのする、いつまでもアオザイの似合う、平凡な幸せの匂いのする国」でいてもらいたいですね。
ついでに開高健さんの名言を、ここで紹介します。
無駄を おそれてはいけないし
無駄を 軽蔑してはいけない。
何が無駄で 何が無駄でないかは
だれにもわからない。
明日世界が滅ぶとも
今日君は林檎の木を植える。
釣り師も今のところはベトナムへ行く気持ちもありませんが
開高さんが書いたベトナムを読んで、行った気分になって一人ほくそ笑んでいます。
ここでは開高さんの書かれた「ベトナム」を、ほんの一部分だけ紹介します。
ベトナムでは都市でも田舎でも、女たちがよく働く。
子どもでもほんとに小さな少女がはだしで天秤棒を肩にかつぎ、ヨチヨチひょいひょと上手に腰で調子をとりつつ町をあるいていく。
輪切りの砂糖キビ、春雨料理、パパイヤ、ヤシの汁、モツ・ライス、さまざまなものを洗面器に入れて売り歩くのである。
女たちは朝の5時か6時頃に起きて、つめたい未明の町を市場へ急ぐ。
ベトナムでは昼寝の習慣があるので、女たちは次から次とよく子どもを産み、せっせと働き、はだしで歩きまわり、かん高い声でケンカし、一日中動いている。
男たちはこの剛健な働き者の女たちに比べると、はるかにかすんでいる。
子どもたちは一日中ハダシで道路で遊んでいる。
銭でメンコをしたり、ゴミ箱のかげで昼寝したり、人の好いアメリカ兵を哀訴でおどして金をまきあげたりしている。
下町の酒場に行くと、十歳くらいの子どもが二十歳の女を売っている。
小説家の見たベトナムは、釣り師の世界とはだいぶかけ離れています( ^)o(^ )
でも、かなり前、雑貨を買いたいという友だちに誘われて旅行会社に申し込みをしたのですが、
私の仕事の都合でダメになりました。そんなことは最初で最後・・
縁がなかったのでしょう。