【源氏遊び外伝】 式鬼を乞う.2
- カテゴリ:自作小説
- 2020/07/19 17:37:07
これは 【源氏遊び外伝】 対面 の続きですw
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68980701
◆
「……せっき?」
眠っていたのか、起きていたのか、それすら曖昧な頼りない意識のなか。
はっきりと認識できたのは、ひとりの式鬼だった。
「私は眠っていたのか?」
うなずく雪姫の柔らかな動きに、阿鳥は左手を伸ばして雪姫の頬を撫でる。
その存在が夢でも幻でもないと認め、阿鳥は安堵した。
「気分はどうじゃ」
「せっきがここにいる。悪いわけがない」
「そうか」
嬉しそうに答える雪姫の頬に、斜め後ろの窓から差し込む光が触れ、雪姫の顔に影を落とす。
朝なのか? そう思い周囲の音を拾えば、はや馴染んだ賀茂川のせせらぎが耳に届く。
鳥のさえずりも、緩急をつけたように遠く近く聞こえていた。
「……もう消えるのか?」
その声は小さく、それでいて消えることを許さないかのように阿鳥の指に力が入る。
「心配するな。今日は朝が来ても消えぬ」
「本当に?」
式鬼・雪姫の主である老陰陽師、賀茂保憲が少し命を伸ばし、一時的といえど力を取り戻したことで、
陽のもとでもさほどの負担なく存在できること、
ただ昼間は妖力が弱まるので、ただびとと同じほどの力しか持たないのだと。
そんな弱みとも取れそうなことを静かに明かす。
それを聞いて、それでは雪姫のほうが危険ではないかと、阿鳥はわずかに顔をしかめた。
それでも、他の妖とて条件は変わらない。
阿鳥ひとりを守るくらいはいかようにもしてみせる、と雪姫は気負いなく告げた。
「だからいっしょにいる、あとりと」
「本当に?」
「あとりが私に消えよと言わない限り……」
それを聞いて阿鳥は身を起こし、雪姫を抱きしめる。
「あとり?」
「消えよ、などとは言わぬ。……愛している。愛している。私はせっきを愛している」
そう言って、阿鳥は雪姫の背に回した腕に力を込めた。
「いっしょにいてくれ、私と。ずっと」
昼間は私が、守るから…… と阿鳥は雪姫の耳元でささやいた。
◆
「深雪、あのふたり、どんな関係だと見る?」
その夜、明かりを落とした白藤邸の一室で、薄ぼんやりとした曖昧な気配しかもたない深雪典侍は、
阿鳥殿と式鬼のことですよねぇ、と念を押し、視線を宙にさまよわせ考えるそぶりを見せる。
「んー両想いのように見えて実はビミョーに両片思い、的な?」
こてんと首をかしげて、そう答える深雪典侍の答えに、白藤中将はため息をついた。
「そう見えるよなー」
「うん、見えますねー。雰囲気だけなら、それなりに糖分過多ですけど」
実際はまだ何もなさそうですし…… と思わせぶりに言う深雪典侍に、
そうなんだけど、離れろって言っても、離れそうにないんだよねー、と白藤中将も苦笑する。
「甘い毒に酔うというほど軽い感じでもないですしー」
「むしろ重そうだよ」
ですよねーーー、と深雪典侍は笑う。
「そろそろ行こうか」
「はいは~い」
そうして飛んだ白藤中将と深雪典侍が、昨夜の古屋敷に辿りついた時、
ふたりは、口づけを交わしているところだった。
「あとり」
すぐに気配に気づいた雪姫が困ったような顔で名を呼んでも、
「えーと私、前言撤回、しますね」
「重いことには変わりなさそうだがな」
「っていうか~その重さ、増していませんか~?」
ひそひそと、こそこそと、話をしながら白藤中将と深雪典侍が見つめていても、
「あと……」
阿鳥は気にも留めず、角度を変えては雪姫の口をふさぎ続ける。
恥じらいのためか雪姫の頬が薄紅に染まり、竜胆色のような淡い青紫の瞳が潤む。
「さすがに気の毒になってくるな」
「……どちらが」
「それは言うまでもなかろう」
「まぁ…… そう、そうですわね……」
言って深雪典侍は、ぱちんと扇を閉じ阿鳥の背後に近づいて、すぅっとそれを振り上げた。
……君がため 惜しからざりし 命さへ ながくもがなと 思ひけるかな ※藤原義孝(後拾遺集)
あなたと逢うためなら惜しくはないと思っていた命ですが、今となっては出来る限り、ともにありたい……。
源氏遊び 特設ライトニング https://writening.net/page?emzkkR
式鬼・雪姫 ミュ☆ミュさん
白藤中将 ロワゾ―さん
深雪典侍 ミュ☆ミュさん
藤原阿鳥 和.com
深雪典侍は当然ながら、扇をそのまま振り下ろします! 頭上か肩か、ま、そのへんはテキトーに。
最初の頃、私のキャラにしては癖がないよなぁ (((o≧▽≦)ノ彡 と思っていた阿鳥ですが、
これはこれで、けっこう気に入っているようです、私w
「✿外伝・雪鳥物語✿」というコーナーに
こちらのお話を挿入させていただきたく
ご挨拶に伺いました。
画僧と文章を転載させていただくことを
お許しいただければと。
どうぞよろしくお願い致します。
あー ダメとか言われると悲しいかも。
いいよって言ってねー- ̗̀(๑ᵔ⌔ᵔ๑)
黒鏡はザワザワすると思いますが、たぶん知られることはないかと (*ノωノ)
深雪は幽体離脱の術で 外出可能になりましたヾ(≧▽≦)ノ゙ゥキャキャ☆
て、お話は終わっていないんだろうな・・
この後もいろいろ起きるんだろうな
でも、ひとまず恋人たちの甘い時間何よりです^^
幸せな話最高。
て、深雪と白藤さん深読みし過ぎじゃーい(≧▽≦)
でも、なんで二人もツーショットなの!?
黒鏡ザワザワザワザワ・・
というか、
↑撮影、ミュたんが二人いる!!!
どうやって撮ったのー!?って
どちらかはミュたんじゃないのだろうけど
いやぁどちらもばっちりミュミュさんに見える^^すごい^^
帝の周囲はハッキリきっぱりした女性が多いっすね…… 和泉も含め。
趣味か? 帝の趣味なのか Σ( ̄□ ̄;)ノノ
まぁ、お邪魔虫なのはその通りですけど、いま事態は緊迫しているんすよーーー?
こんなことをしている場合ではないんです!
深雪典侍いいキャラ、そして、いつでも便利なキャラよw
でも今?・・・それはあまりにもお邪魔虫。。
も、情け容赦なく スコーンって叩いたりしてたよw
典侍は強くなきゃだめなんだなw
ってか 帝の好みなのかもしれないw
いざってときは、帝のボディガードもしなきゃいけないから
きゃー とか言って逃げちゃダメなんだろうな。
いいキャラよねw
解釈はそう大きくは違わないと思います。
出来れば、阿鳥の入れ込み方 MAX 方向の解釈で ヾ(--;)ォィ
ラブラブっすよーーーヾ(≧▽≦)ノ゙
今回のメインテーマは、もうこれしかない! てなレベルで極甘です。
近づいても気づかず……じゃなく、気づいていても、スルーーーですね (`∇´ ) ニョホ
阿鳥、確信犯ですw
ええ、ツッコミます。それが深雪の役どころ (((o≧▽≦)ノ彡
カーンってw
_(L〃_ _)ノシバンバンバン‼
ツッコミですかー( ̄▽ ̄;)!!ガーン
ラブシーン中にー(゚∇゚ ;)エッ!?
後ろに誰がいても気づかず接吻中。
両思いで何よりー。
2人とも虚に生きていたのですね。
>糖分過多
じゅうぶん、糖分いただきました。ʚ❤ɞʚ❤ɞ
「あなたに逢うためなら死んでもいいと思ってたけど、
逢えた今となっては一日でも長く生きて一緒にいたい」
って感じかと思ったけど、ビミョーにニュアンスが違うだろうか。
惹かれ合った理由を考えてる。
阿鳥も雪姫も生きてはいたけど、心に穴が開いてたんじゃないかなぁ。
何かを注いでもすぐにからっぽになってしまって 日々がむなしくすぎていく。
「寂しそうな目をした人」だと認識して、出会った最初の場面ね
腕を取ったときに、阿鳥の何かを求めてる感情がわかってしまって
自分と同じように生きていることが空しい人なのだなと思っちゃったのじゃないでしょうか。
でも、自分はもう消えるつもりだから、気まぐれで助けたこの人のことは
忘れようと思ったのに、名を名乗られて呪がかかってしまった。
もう忘れるのも 逃れるのも無理で、雪姫の心の穴がふさがっちゃったんだよ。
きっと阿鳥も。
そうなると逢いたい、逢って心を相手の気持ちで満たしたい
って言う感じになっちゃったかなー。
あなたに逢うために私は存在していたい っていうストレートな想いだね。
ちょっと、まっててね。
君に逢うために捨てても惜しくない命、とするか、
君に逢うために(=いっしょにいるために)長く存在を維持したい、
とするか悩んだんだけどね~ ( ̄~ ̄lll)
阿鳥には、このほうが合いそうでw
ニマニマしちゃったじゃないですかー!
マスクしてて、良かったよー。
危うく挙動不審なヒトになるとこだった。
いや、充分アブナイ人だ。
帰ったらコメント書くから
待っててー!