小説『生きてるだけで、愛。』
- カテゴリ:小説/詩
- 2020/06/13 14:09:03
本谷有希子 著
『生きてるだけで、愛。』を読みました。
『生きてるだけで、愛。』を読みました。
本書の前に読んだ
『愛のゆくえ』と一緒に
“愛”つながりで購入してみました。
本谷作品を読むのは
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』に続き
2作目です。
『愛のゆくえ』と一緒に
“愛”つながりで購入してみました。
本谷作品を読むのは
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』に続き
2作目です。
彼氏のアパートでヒモ暮らしをしている
情緒不安定で鬱持ちの女性が
彼氏との復縁を画策する元彼女に
自立を迫られるという話で。
情緒不安定で鬱持ちの女性が
彼氏との復縁を画策する元彼女に
自立を迫られるという話で。
主人公の視点で物語が進み
はじめは罵詈雑言が飛び交う
毒気を含んだ文章に
ギョッとしたのだけれど
作中の「エキ子」という文言が
笑いのツボに入り込み
テンポのよい語り口と
光るユーモアのセンスと
自虐とツッコミとの
絶妙なアンサンブルに
引き込まれました。
はじめは罵詈雑言が飛び交う
毒気を含んだ文章に
ギョッとしたのだけれど
作中の「エキ子」という文言が
笑いのツボに入り込み
テンポのよい語り口と
光るユーモアのセンスと
自虐とツッコミとの
絶妙なアンサンブルに
引き込まれました。
不甲斐ない主人公自身への想いと
感情が希薄な彼氏への複雑な想いが
細やかな分析を伴いつつ
赤裸々に吐露され
いちいち濃い登場人物たちによる
鬱に対する偏見や無理解が
容赦なく描かれ
それに相対する
主人公の暴走が
容赦なく披露されるのでした。
感情が希薄な彼氏への複雑な想いが
細やかな分析を伴いつつ
赤裸々に吐露され
いちいち濃い登場人物たちによる
鬱に対する偏見や無理解が
容赦なく描かれ
それに相対する
主人公の暴走が
容赦なく披露されるのでした。
クライマックスからラストにかけての
ヒリヒリと
疾走感溢れる
刹那的な展開に
震えました。
本作は映画化もされていて
そのまま映像化すると
R指定を免れないいくつかの場面が
はたしてどのように表現されているのか
気になります。
そのまま映像化すると
R指定を免れないいくつかの場面が
はたしてどのように表現されているのか
気になります。
愛つながりで読んでいくというのは
愛のカタチをいろいろと見られておもしろそう!
最近とみに思うのですけれど、人間社会の駄目さ加減をニュース等で毎日見ていると
人間生きてる事には価値はあると思いますが、それ以上の価値とか、
全然無いんじゃないかと感じております。(厭世的な意味ではないのですが)
激しい!というイメージが先行して
なかなか手に取れない作家のひとりです。
しっかりした女性にいつも叱咤激励ばかりされていた僕にとって
読むのにはかなり勇気がいる小説ですね。