【ルシオール家の料理人】 2019終話
- カテゴリ:グルメ
- 2020/05/24 16:58:09
「おりゃぁぁぁーーーっ!」
木々が林立する深い森の奥で、光光は後方に飛んで鋭い爪をいったん避け、
地を蹴ると同時に、魔界鶏の首めがけて横一文字に愛用のデスサイズを振りぬくと、
首が飛び、魔界鶏の身体だけが目の前に横たわる……はずであった。
「ありゃ……」
が、距離感を間違えたのだろう。魔界鶏は首の皮一枚を残して、デスサイズの刃先にぶら下がっている。
はぐれとはいえ、死神にあるまじき失態であった。
どくどくと首からあふれ出す血が、デスサイズの刃を伝い、光光の腕を濡らす。
光光はため息をついてデスサイズにぶら下がったままの魔界鶏の首を外し、その足を木の枝に括りつけた。
その真下に血抜きを早める魔法陣を展開し、愛用デスサイズを眺めた。
刃の先にわずかながら刃こぼれが見受けられる。
光光は衝撃をのあまり、その場にぺたんとヘタリ込み、ついでにごろりと転がって空を見上げた。
魔界鶏は、人間界から紛れ込んだ山鶏が魔界の外気に触れ、独自の成長を遂げた稀少種である。
性質は極めて獰猛で、難易度の高い狩りが要求されるが。
肉にはぷりぷりとした弾力があり、食せば、ほんのりと甘みがあった。
その魔界鶏に出会えたのは、思いもかけない幸運だった。
それもこれも「私の日頃の心掛けが良いからであろうな」とゆるむ口元を抑え意気揚々と向かったはずが…。
まさか愛用のデスサイズをダメにされるとは予想としなかった。
「新しいのを主にねだってみよう……」
そのためには、この魔界鶏をなんとしても美味に仕立てることが肝要だ。
さて、どんな料理にしようか…… と光光は思いを馳せる。
新緑がさわさわと頭上に踊り、ここちよい風が頬を撫でる午後のことであった。
魔界鶏の熟成を終えた頃、ルシオール家は客人、茨木露伴を迎えていた。
一品め。チョコレートを使った前菜三品盛り合わせ。
ひとつめは外側をサクっと、内側をしっとり仕上げた一口サイズのほろ苦いチョコケーキ。
ふたつめは背の低いカクテルグラスに、チョコの甘さとビター感の両方を詰め込んだ、じゃがいものスープ。
これはカプチーノ仕立てにしてある。
みっつめはナイフを入れた瞬間、チョコレートが溶け出すコロッケのような衣揚げに仕立てた。
二品目は、魚料理。アボカドやエビ他の春キャベツ包み蒸し、ガトー仕立て。
チョコは使っていないが、円柱形のカトーショコラのような型に春キャベツを敷きつめ。
そのなかに形を残し焼いたアボカド・エビ・アスパラガスと、
同じ食材をミキサーで砕き生クリーム等を混ぜてムース状に仕上げたものを流し込み、ふっくら蒸し上げた。
レモンの酸味とバターの風味の利いたソーズが添えてある。
三品めは、ミニトマトのコンポート、ミントの葉添え。
白ワイン・はちみつ・レモン果汁等に漬け込んで、キリキリに冷やしたコンポート。
ともに仕立てた桃のコンポートを添え、赤と白の彩が目にも鮮やかである。
四品め。メインである肉料理は、魔界鶏のオイル煮である。
ハーブに漬け込みマリネした、まるごとの魔界鶏をより甘みと旨味を引き出すため、
まるごと厳密な低温管理でじっくりと煮揚げ、スライスした。
フレッシュ野菜やナッツとともに、少しの辛みを利かせたソースで、サラダ仕立てともいえるしつらえに。
五品目はデザート。
チョコレートを使った冷たいスフレ、ケーキ仕立て。上から粉砂糖を軽く振りかけた。
「ルシオール家の味わい、どうぞ、心ゆくまでご賞味ください」
光光は食前酒に選んだドライシェリーのボトルを片手に、恭しく頭を下げた。
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いとも優雅な料理人 公式サイト
https://syourandouzi.wixsite.com/itomo-ryourinin
作成:藍色さん/美術:エメラルドさん
茨木露伴 (本日の客人・茨木家当主にして城主) ロワゾーさん
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キズィローヴァ (薔薇の館に住まう悩める主) エメラルドさん
光光 (キズィの専属料理人、はぐれ死神) 和.com
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画像撮影から (*´-ω-`)・・・ 五カ月も…… お待たせしました。
2019年版・ルシオール家のいとも優雅な料理人の終話です。
せめて年度内の二月には公開しようと思いつつ、書けねーーーと叫び続けた、
ビミョーにバレンタインメニュー仕立てw
どうぞご賞味ください。
光光、ドレスアップさせましたが、正体はバスタオルです _(L〃_ _)ノシ バンバンバン‼
エクステ使いの頭の重さが気にならないよう、テールレースを重ね、思いっきり裾広がりにしました。
私も今日気がついたもので お知らせー^。^ 嗚呼幻想のうまいもん巡り❤︎
お暇な時にご賞味あれ〜
茨木家のいとも優雅な料理人・櫻鯨
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=250881&aid=68870562
そんなもんをしていたら、覚えているだろうし、もっと合わせていたと思うよ。
好きなもの、私と嗜好が似ているだけじゃね?
いやいや、そんなに難しいメニューは作ってないですよ?
目の前に出されたら、あ~~~コレかぁ、と思うようなのばかり。。。たぶん。
味覚と言えば秋! 2019年はいっぱいお客様を呼びましたもんね~www
おねだりねぇ…… その代わりに無茶振りされるシーンが目に浮かぶようだわ (((o≧▽≦)ノ彡
こういうの空腹時に読むと、すんごく辛い (っω`-。)
でもね teresaさん、自分で書くと、なぜか食欲が無くなるんですよw
なんで好物があちこち出てくるのが毎回謎なんだけどインタビューされたっけ!?
バスタオルといえば ぽろっとが お約束 ( ゚д゚)ハッ!
エロカワ❤︎アンサーやるっきゃない? おねだり泥沼×死神 みたいな
味が想像できなーい
カレーの隠し味にチョコ入れる感じ( ?´_ゝ`)
うちのシェフは最高だから! を密かに自慢するために千客万来する貴公子
小技が効いてて 複雑な中にも広がりのある 新たなる驚き
光光の皿の上に広がるこの新世界は食べる価値がある
たまに主人に食べられてしまうがどうぞ ご賞味あれ ふはは
着替えてくる〜 どうるるるる
空腹の時に読んだら悶える(笑)
魔界鶏のコンフィおいしそ~~~
2019年版を締めるに当たりデスサイズを刃こぼれさせるのもオモシロいかなと思って。
2020年版があるのかどうか知りませんけどぉ~w
美味しそうな料理の数々(o´艸`)
あたらしいデスサイズをおねだりできるといいね。
私も食べたい。
余計に軽いかも (*ノωノ)
今食べたい!
優雅なメニュー、お客様なぴったり(^o^)
とかそういう感じではないよねぇ^^;
揚げてあってもクリスプクリスプな感じ(・ω・)bグッ
あーそうかも。油を使っても揚げても、ずっしり感がないんだー。
私に言わせれば、私っぽいけどw キズィ様には、もの足りないかも~ (*ノωノ)
ウエストのところのドレープが絶妙だねー(❛ᴗ❛人)✧
光光のお料理はさぁ
すごく軽いんだけど
小技が利いててすごく美味しそうなんだよなぁ(´ω`*)。o○
味覚経験値が低くて想像が及ばないのが残念(☍ω⁰ )
豪華よぉぉぉwww
ミニトマトのコンポートは私も食べたい。
けど今回、自分でいちばん食べたいのは、鶏のオイル煮かなw
外はカリっと、内はジューシーな鶏肉は好きなんだよーーーっヾ(≧▽≦)ノ゙
とっても綺麗だ。
どれもこれも美味しそうで ぎゅるるるる
特にミニトマトのコンポート、ミントの葉添えは
想像できるようなできないような・・・はちみつと白ワインとレモンなどで
つけこんで冷やしたもの うーーーっ 食べたい!!!
魚料理も肉料理も 味付けのところがものすごく旨そうです!!!!!
いや、やばい。
食べたい!!!!