【アナカン】 無自覚な翻弄
- カテゴリ:自作小説
- 2020/04/01 00:57:03
この話は、ミュ☆ミュさん著『アナザーカントリー モーヴ 幸せな日常』の中の
掌編「ぼくの」の部分のレド視点です。何とか水曜に間に合わせようと突貫w 雰囲気のみ、中身がスッカスカなのは許して。
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=514281&aid=68607453 ← ミュ☆ミュさんちです。
「あれはモーヴか?」
生徒会室を先に出たエクリュがドアから数歩のところで足を止める。
それを聞き、ふと顔を上げた時、肘を捕まれ「走れ!」というモーヴの声が耳に届く。
抱えていたファイルが一冊、腕からすり抜けたと思ったが、そんなこと次の瞬間にはもう忘れていた。
レドはただモーヴに導かれるように足を動かす。
後ろを振り返らず、周囲を気にすることなく、脇目も降らず。廊下を走り抜け、階段を駆け下り。
校舎から寮へと続く遊歩道まで来て、木立の奥に入り込み足を止める。
息を弾ませながら顔を見合わせ、二人で笑った。
木々の間から差し込む陽ざしは、この季節としては刺すようなまぶしく暖かく。
二人はその場に座り込み、レドはモーヴの話しに耳を傾ける。
レドを呼び出した生徒らが、醜聞にレドを巻き込もうと計画していたこと。
その生徒たちを追い越して走ったこと。
あんな杜撰な計画にレドが引っ掛かる訳ないのに、と言いながら、それでも知らせに来たと言うモーヴに、
レドは思わず、ぷはっと吹き出し、再び笑い出す。
……笑いながら、モーヴらしい、とレドは心の中で感嘆する。
何かを告げるより先に、モーヴは身体を動かす。言葉よりも行動で、多くのものを伝えてくる。
相談と言いながら、内容を告げる前に抱きついてきた昨日のように。
悪意ある生徒とレドが鉢合わせしないよう伝える、ただそれだけのために全力疾走した、今のように。
ひとしきり笑って、レドは「ありがとう、モーヴ。助かった」と笑みを返す。
「いいよ、お礼はちゃんともらうから」
言ってモーヴは笑みを見せ、上半身を少しねじって上からレドに覆いかぶさるようにキスをした。
レドは翻弄される。モーヴに、モーヴの行動に。行動という名の無自覚な翻弄に。
それがレドにとっては、何より雄弁で。
何より心の奥底の、柔らかく剥き出しの部分をふわりと抱きしめられて、いるようで嬉しくて。
その一方で、近くにいても、まだ足りない、どれだけ触れても、まだ遠い、といわんばかりに。
愛しい、愛しい、愛しい、とレドの心は叫び続ける。
レドは、ゆっくりとモーヴの首に両腕を回す。
どこかで鐘の音が響いていた。
~ * End * ~
モーヴ ミュ☆ミュさん
レド 和.com
ちなみに昨日のように…… の出来事はこれ ↓ ですw
【アナカン】 モーヴの相談
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68500488
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コラボ作品ライトニング(こちらから各ブログに飛べます! めっちゃ便利です)
https://writening.net/page?E67Zsx
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【シーズンⅠ】
https://jackthenikotto.wixsite.com/nicozaka46/blank-17
【シーズンⅡ】
https://eleonorra.wixsite.com/anakan/portfolio-2
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ミュ☆ミュさんの話では、建物から出てきたところで捕まえますが (*ノωノ)
とにかく走らせたかったので、3階の生徒会室前から建物の外まで、ずーーーっと走らせてみましたw
私のモーヴのイメージはこうなんだと思う。ミュ☆ミュさん、よくぞこのキャラを作り上げた!
おかげで、ウチのレドはどんどん良い男になっている。
ニコの書きもの遊びは、こういうところがめっちゃオモシロい。
誰かが書いたものが刺激になって、私のキャラを、私の中で動かしてくれる。たまんねーーーっヾ(≧▽≦)ノ゙
こういうの一方通行じゃないといいな。
私も誰かの刺激になって、ちゃんと双方向遊びになっていることを、祈りたい。
両極端な感想があるのは、なかなかにオモシロくて良いですねーw
何を以てして幸せか、切ないか、意見が分かれるのも個々の感じ方の違いかな。
感想としてはサイコーです。ありがとうございます。
>モーヴとレドのお話は切なくて救いがないけど
(´・∀・`)ヘー(´・∀・`)ヘー(´・∀・`)ヘー
そう見えるんだね(◎ω◎)!
両想いでとっても幸せなストーリーに見えるよ(・ω・)bグッ
あーそう見えるんだー。
感想も、まるで実態のない幻のようだーw まぁでも、ある意味、正解かもな~。
この二人、行きつく先が、そもそも地に足が付いていないし。
モーヴとレドのお話は切なくて救いがないけど朝陽に耐えられない白い妖精のようで愛らしい〜
桜の花の中を飛び回って蜜を吸う無邪気な小鳥のようですね^^
楽しみにお待ちします。
最初の結婚する彼女が寝室に戻って来て
「後輩の子が来たわよ 近くを通ったついでですって」
とか言ってモーヴが持って来た招待状をレドに渡すと
近くを通ったついでじゃないことを知ってるレドは驚いて飛び起きると思うのよ。
上半身裸で寝てたレドがシャツを羽織って(ボタンはめる時間がない)
外に飛び出てモーヴを探す・・・って話を 日曜日には書くね。
シアンもビートルの物語も、アナカンから派生した別の物語w
それでもアナカンというベースがあるからこそ、ですよ。
こちらこそありがとうございます。
ここが公園で、椅子とテーブルがあればランチ時には人気の場所でしょうw
モーヴとレドのお話はもう独立したシリーズだよねー( ´∀`)bグッ!
シアンとビートルのお話といい
ステキな名作が続々生まれて
勝手に妄想で始めちゃったけど甲斐があったーヾ(o´ω`o)ノ
翻弄されるのさえ楽しいっつーヤツには特に _(L〃_ _)ノシ バンバンバン‼
> 他の人が書いた話の中の自分のキャラが言った言葉が
> ちゃんと「言った」記憶になって そこからまたお話ができていくよね。
> 感情がそこについてきて、キャラの奥行きができていくって感じかなー。
そうなんだよー! まさにここ! 逆に他の人キャラが「言った」言葉が
自分キャラを動かしてくれることもある!
これなんか、いい例だ。あそこでモーヴに「走れ!」って言われなかったら
書かなかったもんな~w
土日に和泉に時間を取られ過ぎて、ちょっと中身がないのが気になるけど (*ノωノ)
>レドは翻弄される。モーヴに、モーヴの行動に。行動という名の無自覚な翻弄に。
>それがレドにとっては、何より雄弁で。
>何より心の奥底の、柔らかく剥き出しの部分をふわりと抱きしめられて、いるようで嬉しくて。
>その一方で、近くにいても、まだ足りない、どれだけ触れても、まだ遠い、といわんばかりに。
>愛しい、愛しい、愛しい、とレドの心は叫び続ける。
>レドは、ゆっくりとモーヴの首に両腕を回す。
>どこかで鐘の音が響いていた。
あぁ、すてき。ここがしびれる。
レドがはいい男だなぁ。
モーヴはひどく勝手なやつなんだと思う。
自分が興味のない人やものごとにはものすごく冷淡で
自分が好きな人やものごとには執着が強い。
芸術家気質かな。
冷静なレドが翻弄され続けるのが気の毒だけど楽しいし愛おしい。
本当にここでの書きもの遊びはおもしろい。
どんどんキャラができていく。
他の人が書いた話の中の自分のキャラが言った言葉が
ちゃんと「言った」記憶になって そこからまたお話ができていくよね。
感情がそこについてきて、キャラの奥行きができていくって感じかなー。
楽しすぎるよ、この遊び!!!!