ネタばれ読書日記 『アゲハ』
- カテゴリ:小説/詩
- 2020/03/22 20:00:26
「アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希」
★4
あらすじ
殺人事件の現場に〈アゲハ〉を名乗る人物から「佐藤様」へのメッセージがあった。その夜、警視庁鑑識課の麻希の娘と義理の息子が誘拐され。佐藤という宛名は麻希の旧姓であり、メッセージは挑戦状だった。麻希は同じく事件に巻き込まれた元上司の加奈子と極秘で捜査を始める。そして8年前に二人の人生を狂わせた事件が蘇る。
作者・吉川英梨は私が注目するミステリの書き手の一人です。兎に角警察小説のリアリティがバツグン。ただし、本作はデビュー三年、まだまだ模索中という感じがしないでもない。殺人事件に過去の連続レイプ事件、犯人の失踪、公安課の不始末、テロ組織と盛り沢山。読者にショックを与える過激さはさすが。
ただし、ヒロインの純愛もかかわって来るので激辛料理に甘すぎるデザートが付くような感じ。しかも吉川作品の特徴はヒロインのファザコン。8年前の事件で同僚だった彼氏と喧嘩別れ、何故か父親と同じ年のオジサンに乗り換えてしまいます。
『父親と同じ年』とわかった時点で大抵恋愛対象外だと思うけど違う?
デビュー作『私の結婚に関する予言38』でもヒロインの彼氏への萌えポイントが『パパと同じ温かい手』とあるので筋金入りです。
若干ひきつつも★4なのは、シリーズ化した続きも、似たようなパターンでオジサンに恋するヒロインが出て来るその他シリーズでも 作者は確実に腕を上げて小説が面白くなっているためです。
さすがリサーチ範囲が広い