Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


お遍路九日目 津島~宇和島 電車で松山へ

2020年2月22日。曇りのち雨、そして晴れ。
 
7時00分出発。
今にも降り出しそうな曇り空だが、まだ雨は降っていない。
雨が降らない内に距離を稼ぎたい。

7時25分。
松尾トンネル入口のすぐ横から、遍路道が左に登っていく。
登り初めてすぐのところに、遍路小屋があり、トイレもある。

この遍路小屋は「てん屋」というらしい。
津島町に疎開していた時、
「てんやわんや」を書いた獅子文六に名前を借りているようだ。
トイレ有り。

誰か寝泊まりしていたのだろう。
小屋の中にザックが見える。

登り初めて、10分もしない内に、雨が降り出したので、雨具を着用。
登る前に雨が降り始めたのなら、松尾トンネルを歩いていただろうに。
でも、道は良く整備されている。
つづら折りに登っていくところはあるが、急登ではない。

7時50分。
舗装された車道に出て、またすぐ遍路道に入る。
ここから道は、ほとんど水平。
舗装されてはいないけれど、
4WDの軽トラなら走って行ける林道を歩いて行く。
車が通れる登りなので、たいした登りではない。

ところどころに「ワナ注意」の文字。
道を外れてはいけない。

8時05分。
大きな切り通しを抜けたところに、遍路小屋があった。
ここでザックを降ろし、メモを書く。
この小屋の名称は、「わん屋」。

この地域の遍路道保存会の人々が整備したらしい。
中央の柱は、手を合わせるように逆V字型。
天井には、津島町の大ウナギを思わせる木が飾ってある。
トイレはないが、バケツで汲み上げる井戸がある。飲用不可。

こうやって、整備してくれる人がいると、ホント助かります。8時10分出発。

へんろ小屋のところから、軽トラが通れる林道とわかれて、
山道を下りていく形になる。
下りは、登りよりも緩やかで、
すべりやすい石の部分も最後の方に出てくるだけ。
総じて歩きやすい道。

8時30分。
清掃工場の裏手に出る。
清掃工場に隣接して休憩所があるが、トイレはない。水道がある。

そこから採石場の中を通り、車道に出る。
すぐに右側に遍路道が分かれるが、
この道は、川に沿った崖上の道なので、ちょっと危険。
道が所々で細くなっているし、川の方に傾斜している部分もある。
途中に滝が見えるぐらいだから、
結構深い谷の斜面を沿って進むことになる。
ここは、もう少し整備してくれると、うれしいなあ。

再び車道に出て、今度は左側に遍路道が分かれて、下っていく。
この道は、もう人里の中を通る田舎道。
庚申堂の前に出て、集落の中をそのまま川沿いにあるいていくと、

9時00分。
やがて国道に出るが、
遍路道は、国道歩きではなく、川沿いの道を歩く。
やがて、その道も国道に合流し、

9時30分。
国道沿いにローソンがあったので、トイレ休憩。
チョコレート162円を買って、イートインで食べる。
宇和島駅まで、あと、6.3キロ。9:50出発。

宇和島は、今回、訪れた都市の中で一番大きいかもしれない。
スシローやガスト、すき家、そしてユニクロなど、
一定の集客が見込めないと、
絶対店舗展開しないようなチェーン店を見かけるようになる。

すぐに宇和島市内に入り、国道を外れて、街中の道を歩いて行く。

9時50分。
馬目木大師に到着。小さな祠。
馬目木とは、うばめ樫のことで、
やはり弘法大師のいわれがあるが、
その物語が複雑なので、内容は忘れた。

「うばめ樫の実をお持ち下さい」と書いてあったので、一つもらう。
10時00分出発。

宇和島駅に向かう途中で、
お接待として飴をもらう。
今回、通りすがりの方から、お接待をいただくのは、これが最初。

高知や愛媛の人はお遍路に対して冷たいのではなく、
単に人が少ない、人口密度の低いところを歩いていたからだと思う。

徐々に駅に近づき、やがて宇和島城の下に出る。
晴れていれば、宇和島城に登っても良いが、
雨だから、次回にしよう。

きさいやロードというアーケードがあったので、
少しでも濡れたくない私としては、そこを通ることにしたのだが、
アーケードの中は、見事にシャッター街。
11時を過ぎているし、土曜日だから、
営業しているなら、すでにシャッターを開けている時間なのに。

ここでも買い物客は、郊外の大型店舗に流れているのだ。

11時30分。
宇和島駅に到着。
ここで今回のお遍路はおしまい。

駅の待合室で、雨具やザックカバーをしまい、
昨日買っておいたクリームパンを食べる。

11時50分発の特急に乗ることもできたが、
12時16分発の普通列車に乗ると、
松山に15時00分頃到着するので、
そちらの方が、今日のホテルにチェックインする際、都合がいい。


12時16分。
定刻通りに出発。

特急だと、松山まで1時間20~30分程度。
各駅だと、2時間40分ぐらい。
ロングシートの車両で、トイレがない。
駅のトイレを使っておいて、よかった。
 
高知を歩いていた時、無人駅の多くはトイレが閉鎖されていて、
「車両のトイレをお使い下さい」という貼り紙が貼られていたが、
乗った車両にトイレがない場合、
乗客としては、いったいどうしたらいいのだ! 

途中で、特急や対向列車の通過待ちで駅に数分止まる時、
「駅のトイレをお使い下さい」と車内放送が行われていたが、
発車時間に急かされながら、トイレするのも世知辛い。

14時53分。
松山駅着。
松山駅の前も、なんか閑散としている。駅前のホテルにチェックイン。
濡れたモノを干し、エアコンを付けて乾燥。
その後、着替えを持って、道後温泉に行く。

路面電車は、一律160円。
10分間隔で、駅前から道後温泉行が出ている。

16時00分。
道後温泉駅に到着。

この路面電車の終点から、
賑やかなお土産通りを通ると、
道後温泉本館の前に出る。

道後温泉は、現在改修中。
大広間は利用できないが、お風呂は入れる。
土曜日なのでお客が多いのか、
中に入るまで20分程待たされる。

本館の温泉は、結構モダンな造りで、
群馬県の四万温泉の積善館のよう。

夏目漱石の『坊ちゃん』では、
坊ちゃん先生が、この浴槽で泳いだことになっているが、
浴槽は、それほど大きいわけではなく、
一蹴りで反対側に着いてしまいそうな大きさ。

たくさんの入浴客が浸かっている。外国客の方も見かける。
その浴槽を取り囲むような形で、洗い場がある。

「ここで泳ぐべからず」の札があるかと思ったが、
ここは女湯なので、あったらあったで、それは問題だ。
従業員に聞くと、男湯には、
「坊ちゃん、ここで泳ぐべからず」の札があるのだとか。

17時30分。
道後温泉本館を出て、スタンドバーで、
ご当地ビールのアルトビア「マドンナビール」があったので、
禁を破って飲む。500ml、900円。

お遍路中はお酒を飲まなかったのだが、
今回のお遍路は、宇和島で終わったので、
もう飲んでもいいのだ。  ☆\(ーーメ) 酒飲みの御都合主義的自己弁護。

19時00分。
宿に戻り、コンビニで、八幡浜風ちゃんぽんとビールとおつまみを買って、
部屋で食べる。 

明日は、6時30分から、ホテルの朝食。
8時に、駅前から松山空港行きの直通バスに乗り、
Jetstarで成田に向かう。

  チョコレート        162円
  JR 宇和島-松山間   1830円
  道後温泉 片道160円×2回=320円
  道後温泉         420円
  アルトビア        900円
  コンビニで、八幡浜風ちゃんぽん、ビール、イカ天&のり天 
               767円

  今日歩いた距離 18.6km。


ごくろうさまでした、自分。
続きはいったい、いつになることやら。




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