【アナカン】 モーヴの相談
- カテゴリ:自作小説
- 2020/02/25 21:47:55
注:これはミュ☆ミュさんが書いた【アナザーカントリー】モーヴ 相談 の直後になります。
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=514281&aid=68555767
「どうやって止めたらいいのか… わかんない」
レドにキスをした後、モーヴが言った。
ずっとキスをしたかったのだと。過日レドが熱を発した際も襲ってしまいそうだったのだと。
以来、邪念を払おうと努力をしているが…… と悩んでいるのだという。
それを聞いて、レドの頭の中は、混乱に陥った。
それは相談と言っていいものなのか? と思ったり。
煽っておいて、イキナリ相談に戻るのは、ひどいだろう? と思ってみたり。
そもそも、それは冗談なのか、真面目に言っているのか、と疑問にも思っていたが。
「レドしかいなかった・・・」
消え入りそうな小さな声で言われた、それが耳に飛び込んできた途端。
(これほどの好意を示されたことが、かつてあっただろうか)
支離滅裂に混乱していたレドの思考は一瞬にして消滅し、心に残ったのは、ただひとつ。
どうしようもない歓喜だった。
◆◆
『あーあ、全ておまえのせいだ』
7歳上の兄は、何か気に入らないことがあるたびに、そう言ってレドを苛んだ。
時には服を脱がされ、時にはベッドの中で。
目立つ傷が付けられなかったのは、父に気づかれないようにとの保身からだろう。
レドは、正確にいえば父の弟の子どもで、両親を亡くし養子になっている。
自身が覚えてもいないほど幼い頃のことだ。
だから兄とはいえ、血のつながりでいえば従兄ということになる。
10歳前後の子どもを相手に、よくやっていたな、と、今になってみれば呆れるが。
ただ、あの当時は、感情を殺し逆らわずにいるのが精いっぱい。
ウィンザー&ニュートン校への入学は、神の救いだと、本気で思えた。
スクールにも上下関係があり、下級生が上級生に狙われることはままあったし、
正義感の強い上級生が常に助けてくれるとは限らなかったが。
それでも、キスのひとつやふたつで済むなら、安上がり。
そう割り切れたのは、皮肉なことに、7歳上の兄のおかげともいえた。
人並以上に警戒心が強く、あまり感情を表に出さないレドに、
目をつける上級生が多くなかったことも、きっと幸いしたのだろう。
『キスは平気なのに、おまえ、スキンシップは心底、嫌いなんだな』
最後までしつこくまとわりついてきた最上級生をテキトーに躱しながら最初の一年を過ごし。
卒業の日の、その最上級生との別れ際に言われたセリフ。
そうですか。と他人事のように返答したはずのそれが夜になり、心にすとんと落ちてきた。
当たっているだろうと思ったし、それからもその通りの日々を送ってきて、
それはもうレドという個の一部として認識されている。
実際、キスのひとつやふたつは情報を集める上でも、上級生や一部教師から譲歩を引き出すにも役立った。
例え、ありがたくもない様々な噂をレドの身に引き寄せる結果になったとしても。
その一方で、同期のエクリュや数少ない友人には
『レドは恋愛も結婚もしないで、テキトーに遊んで一生を過ごす気かい』
と揶揄われ、または心配されることも頻繁にあったが。
他人に触れられる嫌悪感を思えば、そのほうがいいに決まっている、とレドは思っていた。
モーヴと同室になる前までは……。
◆◆
レドの首に回した手にモーヴは力を込め、強く抱きついてくる。
そのままレドも、彼の腰に手を回し、モーヴの肩に顔をうずめるように抱きしめた。
(モーヴはどこまで俺を喜ばせれば気が済むのだろう)
あふれそうになる涙を、目を硬くつぶることで必死に止めて、モーヴのキスを受け止めて。
それからレドは、自らシャツのボタンを半分まで開けた。
「好きにしていいよ。満足したら飽きるかもしれないだろう」
モーヴの相談に、答えにならない答えを返し、レドは嬉しそうな笑顔をみせた。
~ * End * ~
モーヴ:ミュ☆ミュさん
レド:和.com
以下、2019年に書いて先日ようやく公開 (*ノωノ) 開き直るのに時間がかかったんだw
【アナカン】 最初の離婚報告
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68281363
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68281363
【アナカン】 独白または告白
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68292574
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68292574
【アナカン】 モーヴの結婚式当日 ← 10年後w
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68122152
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晶元P制作美麗まとめサイト
【シーズンⅠ】
https://jackthenikotto.wixsite.com/nicozaka46/blank-17
【シーズンⅡ】
https://eleonorra.wixsite.com/anakan/portfolio-2
コラボ作品ライトニング(こちらから各ブログに飛べます)
https://writening.net/page?E67Zsx
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これがレド登場前からあった裏設定でw これを書く日が来るとは…… 正直、思っていませんでした。
泥沼のスキンシップなどを繰り広げるしつこい先輩に辟易して冷淡なレドが無垢なモーヴの献身に胸が張り裂けそうになり、家族の期待や未来を天秤にかけて負け、無理をした挙句本当に張り裂けてボロ雑巾のようになるというのはどうかなぁ
誰にも邪魔させない!っていう(*ノωノ)
びーえるの醍醐味ですぜー
私が文中〝カーマイン〟の名を入れなかったの、これが初めてかも。
モーヴにも表の顔があるだろうから~いいんじゃないかなw
> あ、でもその前に楽しい同室生活をもうちょっと書きたい。
この時期は何年経っても、レドにとって人生最高だろう。
いやぁ~ホント良かった良かった~❤
そこが萌えポイントなのだよね❤
外では愛想悪いし、人を寄せ付けないやつなのに
レドと一緒の時だけものすごく素直に甘える。
ワンコっぽいw
あとは
「しあわせになる努力をするんだよ」
ってセリフに関連することと
最初の結婚報告のあとの爆弾投下だなー。
レドが離婚するはめになるための種まきw
あ、でもその前に楽しい同室生活をもうちょっと書きたい。
名作の予感o(^-^)o ワクワクッ
てか既に名作( ´∀`)bグッ!
愛情表現があれほどストレートなのは、もう! それこそたまらんでしょうねぇw
レドはもう家に帰らないと思うな。長期休暇も帰ってないだろうし。
結婚離婚を繰り返しつつ、レドはモーヴのことを表に出してないだよね~w
なので、この二人の話はいつも密室でこっそりになる (((o≧▽≦)ノ彡
書かないで終わるハズだったんですよーw
でも、モーヴが可愛くて~レドがあまりに幸せで~ついウッカリ (*ノωノ)
そうかこういう過去の持ち主だったかレド。
からの素直に甘えてくるモーヴ、たまらん存在だろうな。
絶対離したくないな。
従兄な兄にはモーヴの存在絶対知られてはいけないやつだ。
でもきっとバレる気がするんだけど。
kissだけはダメな人もいるし
kiss以外はダメな人もいるし
世の中いろいろいるよね。
案外レドとモーヴもガチでkissだけなんじゃないかって気がしてきました。
幸せな抱擁と口づけですね
いったい何に! 本腰を入れろっていうのーーー (*ノωノ)
これが書けて、私はたいへんスッキリしました。
>他者と共に暮らすのは、そう悪いことではない。
>それをレドに教えたのは、間違いなく、あの卒業までモーヴと同室だった
>一年数カ月だ。
>人づきあいが苦手、というよりも軽く人間嫌いの傾向があるレドの一面に、
>モーヴは気づいていたのだろう。
とか、今まで散りばめたセリフが全部、これにつながるからさ~ (((o≧▽≦)ノ彡
キス魔の言い訳もできたし! 満足ですw
>わーーい❤ってなってるモーヴ
きっと可愛いと思うな~♪
モーヴはいまレドにでれでれなんだけども。
ちょっと 本腰入れちゃったら どうかしら〜( ´∀`)
すんごい期待する 私❤︎
泣きそうになるよ。
家の話をしない、人気者なのにこれ以上は踏み込ませないという結界張ってる感じは
幼少期のトラウマなんだよね。 簡単に信じて裏切られるのも怖いのかもしれない。
で、「満足したら飽きる???」って頭に「?」がいっぱい飛んでいながら
「すきにしていい」のところですでに わーーい❤ってなってるモーヴには
そこんところは あとで考えよーーっと思いながら 襲います。ひゃっほーーい。