小説『大きな鳥にさらわれないよう』
- カテゴリ:小説/詩
- 2020/01/04 11:55:45
川上弘美 著
『大きな鳥にさらわれないよう』を読みました。
『大きな鳥にさらわれないよう』を読みました。
「自分と異なる存在をあなたは受けいれられますか」
作中のこの台詞が刺さりました。
私も含め現実社会の多くの人々への
問いかけであるような気がして。
作中のこの台詞が刺さりました。
私も含め現実社会の多くの人々への
問いかけであるような気がして。
滅亡の淵に立たされた
人類を存続させるために
人間を地域ごとに隔絶し
地域固有の遺伝子集団をつくり
異なる遺伝子を持った人間どうしが
出会い交雑することによって
進化し繁栄していく可能性のある
人類をつくりだすという試みの話で。
人類を存続させるために
人間を地域ごとに隔絶し
地域固有の遺伝子集団をつくり
異なる遺伝子を持った人間どうしが
出会い交雑することによって
進化し繁栄していく可能性のある
人類をつくりだすという試みの話で。
物語の中で数千年の時が移ろう
スケールの大きいSFだけれど
特別にむずかしい文言はなく
さっぱりとした文章で読みやすいです。
スケールの大きいSFだけれど
特別にむずかしい文言はなく
さっぱりとした文章で読みやすいです。
連作短編集のかたちとなっていて
それぞれの人々の営みの
エピソードを読みすすめていくうちに
だんだんと世界の在りようがみえてきて
さまざまな情感を味わいつつも
同時に漠然とした不安感が
だんだんとつのっていきました。
それぞれの人々の営みの
エピソードを読みすすめていくうちに
だんだんと世界の在りようがみえてきて
さまざまな情感を味わいつつも
同時に漠然とした不安感が
だんだんとつのっていきました。
けれど最終章を読み終えてから
思わず第一章を読み返してみて
深い感慨に浸ったのでした。
思わず第一章を読み返してみて
深い感慨に浸ったのでした。
川上弘美作品は
『センセイの鞄』を読んで以来
本作が2作目だったけれど
これからもチェックしていこうと思います。
『センセイの鞄』を読んで以来
本作が2作目だったけれど
これからもチェックしていこうと思います。
そんな時が来ないとも言い切れないし。
種族の保存のためとなると、恋愛感情は二の次になっちゃうのでしょうか。
でもある意味、一致団結して平和な世の中になったりもするのかな。
人類はどんな風にその種を終わるつもりなのか、分かりませんが、
SF映画を観ると、地球が終わろうという日にも宇宙で生きながらえたいと
いう方向みたいですね。なにかそこまですると云うには、大袈裟な哲学が必要になりそうですが
私にはそういうモノ(人類の意義というもの)が見つけられる気がしませんです。
爺ゆえの厭世とお許しください。(勝手に独り言?)
僕は『どこから行っても遠い町』が好きです。
一見不条理で不可解と思えることが
闇と光が反転するように
慰めや癒しに変わっていく、
そんな不思議な優しさに満ちているように思えるんです。
今回紹介してくださったものも是非読んでみたいと思います。