【ルシオール家の料理人】 主に肉を、会席仕立て
- カテゴリ:グルメ
- 2019/10/30 21:29:01
「肉だよ! 肉! 主にはやっぱり肉料理だ」
光光は唐突に言って、愛用のデスサイズを手に厨房を振り返った。
ちょっと肉を狩ってくるから! 茸はすりつぶして掻き廻して、どろっどろにしておいてくれ。
ポタージュにもするから、生クリームの用意も……。
「ちょっと待ってくださいよー。狩るって言っても、熟成も無しにお館様には出せませんて~」
「解っている。肉の補充だと思え」
……また準備運動ですか~? 使い魔のひとりが光光の背を冷ややかに見送りながら、つぶやく。
それを無視して光光はデスサイズを手に飛び出した。
「くぉらぁ、肉! 手間かけさせずに出てこいやぁぁぁ!!!」
過日の茸狩りの夜の、お館様の人形を…… うんぬんという軽口が、
どうやら主・キズィローヴァに聞かれていたらしいと知り、光光は青ざめつつも叱責を覚悟した。
が、待てど暮らせど、キズィローヴァからは何の言葉も無い。
多少気を悪くしても、この程度の些末に関わる主ではない、という気もするし、
とは言え、何も言われないのは不気味でもあるし。
ここはやはり芳醇な肉やジューシーな肉で機嫌を取っておいた方が得策だとばかりに、
肉を狩っては使い魔に熟成させる、という日々に熱中していた。
そこに主からの呼び出しである。
「え? オルカ侯爵ですか?」
背筋にゾクリと悪寒が走る。
魔界侯爵オルカは死神の血の入った悪魔であり、かなり遠い縁だが光光とも一応親族の間柄。
だが、光光はこのオルカが大の苦手であった。虫が好かない、というヤツである。
そのオルカに、主・キズィローヴァが食事を振る舞うという。
光光は頬をふくらませ、嫌です! お断りして下さい、と一応の抵抗は試みた。
だが主はひどく嬉しそうな、楽しそうな顔で光光にいった。
「彼は私の客人だ。さぁ、光光よ、己れの仕事を果たせ」
「…………… かしこまりました」
たっぷり数秒、言葉が出なかったのは、ご愛敬ということでお許し願いたい。
そして会食の当日。
天界・魔界・人間界が交差する荒野を統べる女王カプリス・ド・フォルテューヌ様の許可を首尾よく取り付け。
その界の傍らを流れる、魂の行き交う大河に船を浮かべて宴が始まろうとしていた。
本日のメニュー
先付 ◆ 柿釜盛り(柿酢を使った鯖のマリネ)
前菜 ◆
無花果の生ハム巻き
茸のワイン蒸し
秋茄子の紅葉焼き
銀杏百合根
太刀魚のポワレ林檎ソース
汁物 ◆ 茸のポタージュ・集会の果てに 胡桃とパプリカパウダーを添えて
向付 ◆ マグレ・ド・カナール(鴨)のタリアータ、サラダ仕立て
蒸物 ◆
鱧と茸の湯葉包み蒸し
カリフラワー・アスパラほか旬の温野菜ブレゼ
焼物 ◆
子羊肉のロティ カシスとバルサミコのソースを添えて
デザート ◆
山形産ラフランスのコンポート・バニラアイス添えブランデー風味
日高栗のブランマンジェ
給仕は、魔界侯爵オルカの料理人・ヴィルヘルミーナが名乗りを上げてくれている。
すらりと伸びた手足を惜しげもなくさらして凛と立つ姿は、可愛らしくもありコケティッシュでもあり。
その見ごたえのある美女が品書きを一目見て、
「いい料理だね、我が主も喜びそう」
と笑う。オルカにバカにされないよう、主の名誉を傷つけないよう、組み立てた渾身の作。
ここ数日の苦悩が報われ、光光は、天にも昇る気持であった。
光光は、その心地のまま主と客人の前に出る。
大河のそこかしこでゆらぐ魂が、まるで光のようにきらめいて、宴を彩っていた。
「本日のコースは会席風に仕立てております。心行くまでご賞味ください」
そう言って光光は、ゆっくりと礼を執った。
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キズィローヴァ (薔薇の館に住まう悩める主) エメラルドさん
オルカ (キズィの客人) 和.com
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=180002&aid=68036731 ※思わず余談追加w
ヴィルヘルミーナ (オルカの料理人) ばにら☆* さん
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=313751&aid=68052479
カプリス・ド・フォルテューヌ(三界を統べる女王) ネコ衛門さん
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=48178&aid=68029368
光光 (回を重ねるごとに優雅から遠ざかる、キズィの料理人) 和.com
鴨のタリアータは向付じゃねーよな ( ̄~ ̄lll) でもぉ~マグロとかにすると、魚ばかりになりそうだし~。
…とか、自分でツッコミを入れつつ書きました。
こういうの書いていると、もうそれだけでお腹いっぱいになる気がするわ~w
.
まさに ”和・ヌーヴェル・キュイジーヌ” ですね~(ノ・ω・)ノオオオォォォ-
えっ。茸ってまさかあのきのこたち…? Σ(゚д゚lll)ガーン
船上での豪華晩餐メニュー、和洋の組み合わせが光りますね!!
食中酒は、案外、辛口淡麗の日本酒が合いそうな雰囲気。
肉魚の代わりに卵、豆腐、チーズでメインディッシュを提供して頂けたら、
ラクトオボベジタリアンの私でも食べられます!!
料理シーンとか料理に関するうんちくは語れないので (*ノωノ)
料理名箇条書きで逃げましたがw 美味しそうに見えたら、大成功です~♪
船もお褒めいただき、嬉しいです。
いやいやキズィの料理人ですから、
例え食いそびれても、また作れと命じりゃなんとでも (((o≧▽≦)ノ彡
慣れ初め? ( ̄~ ̄lll) それは…… 謎ですwww
え? 知らないよ。そうなんだー ( ..)φメモメモ しておくわ!
丸ごとチキンを揚げたやつをスライスしたのが好きなんだけど
近い♡
好みが良くわかったね!
和洋折衷、フレンチの薫る和食って一番好きかも!
先付からもうお酒が進んじゃいそうだー
鴨に鱧に子羊(≧▽≦)
デスサイズでばっさり切断したいために狩りに行くの好きwww
嫌がる光光を楽しそうに見てるキズィ様もらしくてw
この主従の馴れ初めが知りたくなる♪
船も素敵です。
鴨のタリアータ、サラダ仕立てもきっと美味w
でも一口ずつの前菜もやっぱ、コースの華のひとつだよね~。
懐かしの海賊船、雰囲気はかなり変えたけど、
それでも (*ノωノ) 面影は、残り過ぎているほど残っているw
ロティは、オーブンであぶり焼きにしつつも、同時に蒸すという!
つまりローストだ。
塊肉で焼いてから、ステーキサイズにスライスすると、
内側のほんのりピンク色が (〃▽〃) また食欲をそそるんだ~~~。
ただ網焼きやソテーするより見た目にも好きだ!
オルカとミーナのラブばなにも萌えた〜( ´∀`)
イチジクの生ハム巻き私も食べたーい
そうそう 懐かしのロイトの海賊船っ
茸のポタージュ 胡桃とパプリカパウダー添えも美味しそう
ロティってなに?エリックサティ?と検索した私でしたー
日本料理の会席コースに、無理やり西洋料理(メイン・フランス料理)を組み合わせてみました。
豪華と言って頂けて~嬉しいです~♪
いやいや、ディナーの公開はやっぱ夜でしょうぉぉぉw
ま、時間が遅すぎるのは同意しますが (*ノωノ)
私も~無花果の生ハム巻きが食べたいわーw ほかメニューも私好みですけど。
はい船なんです! カプリス様の統べる傍らにある大河に… という設定。
ロイトの時に使った海賊船ですが、フツーの船に見えるよう雰囲気をかなりイジりました。
渾身のお部屋改装は、アレンジが効きます!
お疲れでーす。ゆっくりお休みください。
寝る前にまたしても飯テロに会いましてよw
なんてカッコいい改装(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ
そしてヴィルヘルミーナさんが
なんてステキなコーデなんでしょう(´☯ω☯) ゚。✧
後ほどご挨拶に伺おう(´∀`*)ウフフ
お料理はマジ美味しそうで(゚ー,゚*)ジュルルル
アタクシ的には無花果の生ハム巻きと
太刀魚のポワレが食べたーい(´ω`*)。o○
銀杏百合根もヤバそうなんだけど
今ちょー眠くて味がよくわからない~ヽ(゚▽、゚)ノ ウヘヘヘ
でも食べたい~(≧∇≦)
書いたよん^^
https://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=313751&aid=68052479
前菜の茸のワイン蒸しの原材料って、例のアレですか?