Nicotto Town


うみきょんの どこにもあってここにいない


きらきら、伊豆旅行、帰ってきました その2

仮想タウンでキラキラを集めました。

2019/10/30
キラキラ
集めた場所 個数
ペット海浜公園 4
教会広場 4


きらきら、ペット、教会、三択たこ焼き。

(1)から続きます。

 訪れた二つの場所(上白岩遺跡、中伊豆資料館)は旅行ガイドなどには載っていない。伊豆市のサイトに載っていただけだ。観光としてはあまり力が入っていないようだった。そもそも、伊豆・縄文遺跡と検索して、知った場所だったから、観光スポットではないこと、予想できそうなものだし、なんとなく行く前から想像してはいたのだが、それ以上に、静かでひとけがなくて、そのことをすこし寂しく感じた。それは夕焼けをみる心持ちにも似ている。
 次の場所へ向かう途中、柿田川が注ぐ狩野川などを見る。水が豊富で少し高台。それは縄文人が住んでいたところに共通する。このあたりにきっとかっては…と思いを馳せた。
 中伊豆ワイナリーシャトーT・Sへ。ここは遺跡からかなり近く、寄れたら寄ろうぐらいな感じでいった。ワイナリーを中心とした観光施設で、ぶどう畑とホテルと醸造所、ワインセラーなどがある。ワインの試飲もでき、乗馬もできるそうだ。グラッパ(ワインの絞りかすを蒸溜させたアルコール度数の高いお酒)も作っており、販売していて、それがほしいなと思ったのだが、試飲ができず、味がわからなかったこともあり、買うことは控えた。
 けれどもこちらで作った白ワイン、シャルドネを有料試飲で一杯飲んでみる。ブルゴーニュのシャブリやムルソーなどのシャルドネ種で作った畑のワインに共通した、香りふかいおいしさ。
 庭のほうで地元野菜などを売っていて、そこで試食したスモークチーズ、そして落花生が美味しかったので購入した。ミカンを二つおまけにつけてくれた。
 敷地内を馬が歩いている。
 時刻は三時ぐらいだっただろうか。宿に向かいつつ、次の目的地、旭滝へ、
 こちらも旅行ガイドなどには載っていない。上白岩遺跡を調べたときに、偶然見つけたものだ。一気に滝壺まで直線的に落下するのではなく、岩肌を滑るような渓流滝で、伊豆のほかの滝の名所、浄蓮の滝なとと比べて穴場とのこと。なのであまり期待していなかった。入り口もなんというか、小さな案内があるばかりで、あまり積極的な感じがせず、なおさらだった。
 だが、小さな流れを遡る感じで、滝に向かう。思いがけず長い、そして高さのある滝が眼前に飛び込んできた。
 渓流といってもかなりの傾斜があり、それが力強い姿を湛えていた。うれしい驚きで、瀑布の豊かさに圧倒される。
 岩肌は石垣を積んだような形になっているが人工のものではない。「柱状節理」といって、火山のマグマが急激に冷やされて出来た溶岩なのだという。この岩肌の珍しさも、滝を見る目に、新鮮な深い感動を与えてくれるものとなった。自然の大規模な造型の深さに、柿田川でのように、思いを馳せる。そういえばこの滝もまた、柿田川のように狩野川に注ぐようだ。
 時刻は四時近い。この日の西伊豆の日の入りは五時五分ぐらい。それまでに宿について、荷物を置いてから夕景の海を見に行きたかったので、いよいよ宿のほうへ、つまり海を目指す。中伊豆から西伊豆へ。道も直角に折れて、西に向かったので、西の空の太陽がまぶしい。ああ、この太陽が海に沈むのを今から見に行くのだなと、まぶしさのためにできた眼裏に点在する黒い点たちを、夕日への道案内のように感じた。
 宿からは海が見えない。宿に向かうときも見えなかったか、気づかなかった。それほど海から離れているわけではないのだが。土肥。土肥に限らず西伊豆には夕景の海を眺める場所が点在している。宿から歩いて一〇分ほどのところに旅人岬があるので、そこを目指す。今日初めての海。伊豆に来たのに、ここにくるまで海と出合わなかったなんてと、そのことをすこし面白く感じる。海とは出合うことがなかったが、柿田川湧水群、旭滝など、水とは出合っていたから、心にゆとりがあったというか、伊豆で海にふれる機会がないことを楽しむ余裕があったのだった。
 日の入り前の四時五〇分ぐらいに旅人岬近くについた。やっと海。まだ暮れ残っていて、南の方はなんとなく午後の色を保っている。だが曇り空というか雲が多い。西は夕焼けが始まっている。ともあれ、やっと海だ。
 実はこの日、朝方は少し雨が残っていたし、前日は雨だった。だから雨が上がって天気が保ってくれただけで御の字といった感じだったので、夕景はあまり期待していなかった。実際、太陽はちょうど雲で隠れてしまい、沈むのがわからなかった。ただ雲の形が面白い。白い龍か、若冲の描いた白い象のようなものを思い浮かべた。なんとなくの夕景だったが、十分だった。
 夕食が六時からだったので、急いで宿に戻って、温泉に入った。内湯は時間がなかったので入らなかった。身体を洗って露天風呂へ。あたりはすっかり夜だ。雲ばかりで星が見えない。五分ぐらい湯船にいた。だが、身体がぽかぽかしている。
 お風呂から出て部屋に戻って数分で食事。朝晩の食事が部屋食なので、少々落ち着かない。だがそれを知っていて宿を選んだのだからいいのだが。
 宿には庭園があり、池があるのだが、台風の影響で水が濁っているのだという。たしかに灰色の水で、そのなかを鯉が泳いでいた。

(この項続きます)

いつも読んでくださって、ありがとうございます。




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