■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義(55)
- カテゴリ:その他
- 2009/10/09 11:41:15
■近代文藝之研究|研究|文藝上の自然主義|八 (2)
ロマンチシズムの代表ユーゴーの勢力も此の頃を起點として反動の氣勢を示したらしく、フローベールの出世作『マダム、ボワ゛リー』の出たのも矢張り此の前後である。續いて千八百七十年代に及べば、ゾラがフローベール。ドーデー。ゴンクール兄弟。ツールゲニヱフ等と謀つて暗に自然主義の會を興したのも其の前後であつたと傳へられ、また大作『ルーゴン、マカール』の連篇に書いたやうな觀察に取りかゝつたのも其れより遠からず。
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*註1:ロマンチシズムの代表
原本ではこの文頭は前ページの文末より改行なしでつづいている。
*註2:『マダム、ボワ゛リー』
「ワ゛」は原本では全角2文字の「ワ」+「゛」ではなく一文字分表記。
*註3:此の前後・其の前後
「前」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zen_mae.jpg
*註4:千八百七十年代に及べば
「ば」は原本では「は」となっているが、誤植と思われるので改めた。
*註5:暗に自然主義の會
「暗」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/an_kurai.jpg
*註6:連篇に書いたやうな
「連」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註7:其れより遠からず
「遠」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
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http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html