Nicotto Town


安寿の仮初めブログ


宗谷本線を北へ、稚内へ向かいます。


7月29日(月)

6時3分旭川発の宗谷本線に乗車。
この路線も廃止が検討されているようですが、
しかし、この列車は、乗客が多いです。
その多くが青春18切符利用の乗客らしき人ばかり。
ですから、2両編成です。
とはいえ、横のシートに
荷物を余裕で置いておける程度の混雑です。  ☆\(ーーメ)  それ、混雑してない!

なぜ、この列車が人気かと言えば、
この列車は、日本国内を走る普通列車の中で、
一番走行時間が長く(6時間5分)
距離は二番目に長い!(259.4キロ)。
「そんなこと、自慢してどうするの!」
と思わずツッコんで ☆\(ーーメ) やりたくなるような、
ツッコミどころ満載の列車なのです!

この日の旭川は、どんよりとした天気。
石狩平野の北端あたりでは、少し霧が晴れかかったのですが、
塩狩峠を越えると、やはり曇天。

ちなみにこの塩狩峠。
旭川から札幌の方に流れる石狩川と、
名寄盆地を北に向かって流れる天塩川の分水嶺になる峠で、
峠の駅・塩狩は、
『氷点』の作者・三浦綾子の小説『塩狩峠』の舞台であり、
その記念館があるようです。

『氷点』のドラマ自体は、
何も憶えていないのですが、
亡き母が見ていたので、
最終回の最後のシーンで、
雪の上に点々と残る足跡のあったのが
記憶に残っています。

ちなみに峠の手前には、
樹木希林とピップエレキバンの会長とのCMで有名になった
比布駅があります。

小さい駅かと思ったら、
ここは旭川がある上川盆地の北の端なので、
この駅が終着駅である列車もあります。
もっとも4本だけですけど。

塩狩峠からは、士別を経由して名寄へと
列車は快調に駆け抜けていきます。
そして、名寄に近づくにつれ、
高校生たちの乗客が増えてきます。
今や地方の赤字路線を支えている最大の乗客&利用者は、
高校生と言っても過言ではありません。

その名寄駅に到着し、
高校生たちが全員下車し、
ここで2両編成だった列車は後ろが切り離され、
前一両のみ運転となって、稚内へと向かうわけです。

宗谷本線も名寄までなら、
普通でも一日12本ぐらいはあるのです。
旭川周辺だけの列車も含めれば、
20本ぐらいになるのでしょうか。

しかし、名寄から先になると、
下り普通列車が4本、特急が3本。

名寄のさらに先、音威子府からだと、
普通列車は、一日3本のみです。
しかし、もう一日3本しか走っていないと、
地元の人の足の便にはなりません。
高校生の登下校ですら、
時間が折り合わないように思います。
ここまで本数が少ないと、
この路線の存在意義自体が怪しくなってきます。

つまり、特急で都市間を移動する乗客のための路線になっており、
普通列車しか停まらないほとんどの駅は、あって無きが如し。
実際、停まる駅のいずれにも乗客の姿はなく、
すごい駅になると、ホームが一両列車の半分の長さしかない!

ワンマンカーなので、乗降は運転席のすぐ後の扉だけ。
ですから、そこの部分だけホームがあればいいということなのでしょう。
あと、真冬に備えて駅舎… らしきものが、一応あります。
ありますが、この駅舎を使っている人って、いるのかなあ?

一応、道がつながっているので、秘境駅とは言えませんが、
しかし、利用者がいない時点で、
もう存在意義は失われているのでしょう。
そういうわけで、宗谷本線の駅は、
どんどん廃駅になっているみたいです。

音威子府を過ぎると、
今度は、汽笛を鳴らすことが多くなります。
なぜかと言えば、踏切はあっても遮断機がないからです。
だから、踏切の遙か手前で、
まだ列車が走っているんですよー、
と言うことを知らせるために、   ☆\(ーーメ) 列車が近づいていることを
                     知らせるためじゃ
一応汽笛を鳴らすのです。

ちなみに線路近くに鹿を見かけた時も、
汽笛を鳴らすようです。
ヒグマは線路近くでは見かけず、
猪は、ここまで寒いと生息できるのかな…。
野生動物は皆、サバイバルしているわけですが、
この北国では、サバイバルも並大抵のものではないようです。

幌延を過ぎると、植生が変わってきました。
北アルプスの2500m前後で見かけるような、
森林限界を超えた風景になってきます。
つまり、風の強さと寒さの厳しさで樹木が大きく育たず、
クマザサの草原が広がるようになってきます。

空はどんよりと垂れ込める雲。
晴れていれば、車窓からは、
広がる草原の向こうに利尻島の利尻岳、
通称・利尻富士が見えるはずなんですが、
見えるものは、霧の中に消えていく草原ばかり。

それでも抜海駅を過ぎたところ、
海の向こうに利尻富士が見える絶景ポイントを通過する時、
列車はスピードを緩めてくれるのですが、
あああ~、何も見えない…。

この列車は、古き良き窓を開くことができる車両(従って冷房はなし)で、
ですから、車窓の風景を撮ろうと、
窓を開け放ってレンズを構えていた安寿にとって、
この仕打ちは、冷たい。
窓から吹き込む風に、身体は冷え切っていると言うのに。

12時8分、時間通りに稚内駅に到着。
稚内駅はガラス張りで、なんかモダンな感じです。
駅構内に、シネマもあります!
『天気の子』『アラジン』などが上映中。

稚内は、そこそこ大きな街です。
青函トンネルができる以前、
青森と函館の間を青函連絡船が走っていたように、
戦前日本において南樺太が日本の領土で会った時、
稚内から樺太の太泊(ロシア名、コルサコフ)の間を
稚泊連絡船が通っていた関係で、
ここは行く人来る人、
旅人が一夜の宿と食事を求めるために宿泊してきた街なのです。
ですから、旅人の扱いがわかっている感じがする街でした。

続く。










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