小説『光の帝国 常野物語』
- カテゴリ:小説/詩
- 2019/01/19 17:19:00
恩田陸 著
『光の帝国 常野物語』を読みました。
前々から
『蜜蜂と遠雷』を読みたいと思っているのだけれど
いまだ文庫化はされておらず
「小説は文庫本しか買わない!」と
なんとなくポリシーを掲げている
なんとなく文庫本コレクターの私としては
単行本を買うことは我慢しつつも
なにか代わりの恩田作品の文庫本をと物色し
本書を選んだのでした。
日本の各地で
一般人に紛れひっそりと暮らす
架空の地名『常野』出身の
様々な特殊能力を有した人々を描く
連作短編集で。
ちょっとコミカルなものから
かなりシリアスなものまで
一遍ごとに異なった趣があり
表題作の『光の帝国』は
太平洋戦争時に常野の集落を襲った
悲劇を描いていて
感情を揺さぶられました。
それぞれが独立した物語と思いきや
読みすすめていくうちに
登場人物と背景が
ところどころで絡み合っていて
思わず前のページを読み返したり
自分で人物相関図を書いてみたりと。
爽やかな余韻が残るラストまで
楽しく読める小説でした。
シリーズものみたいなので
別の『常野物語』も読んでみようと思います。
現世とは違う世界との行き来がある話だった憶え。
『光の帝国』は複数の作品に連携した世界ですか。作品間の繋がりを追うのは楽しいですね。
別の物語同士でつながったり絡んだりしていると
読んでいてうれしくなりますよね。
特殊能力か・・・うちの上司はテレパシーを飛ばす能力があるようで、
凡人の私にはテレパシー受信能力がないため、
「何それ聞いてない」ということが頻発してます・・・