Nicotto Town




 貴方様がいけないんでござんすよ?

  此処は自由とは名ばかりの繁華街
  楼だからこその様々な色香が漂う

 そして売り物の女達が品定めする男達に
  わちきを買って、わちきを、わちきを、と
    手を伸ばす

 が その程度じゃぁ 上には登れない
  適度に自分を留めていられるものこそが
    世代交代の習わしでやんす

  どんな男でも 金だしゃ抱かれたわいな
  いけ好かない男にいびられても
   其処は女の花街
  あしらい方も 上手くなりましたぞえ?

   他の誰に抱かれようが
   心一つ信じているならば
    穢れ無き我が妻だと口にしてくれた

  わちきは其の言葉を支えに
    今日までいたんですよ

  今日 見受けして頂きます
   貴方ではない好きでも嫌いでもない
    どんな顔なのかも覚える事の無い相手に


  わっちはなぁ 貴方様がよ
    いつも黙って背中を預けてくれた
      其れが一番の幸せでやんしたよ

  其れも心の奥底に抱えて
   愛してもいない 男の元に嫁ぐでやんす

    言葉は 嘘だったでしょうかねぇ
    商売女に 真心を差し出してくれる相手なんてね
     砂に埋もれた 輝き放つ石のようなもの

   あんさん 幸せに

     わっちも幸せになりますよ


    もう 色々な男に抱かれ本当に穢れて
      死ぬ事は無いのですから

     背中貸してくれて 支え続けてくれて
     
       有難う。。。


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  関所が煩く通るにも賄賂がいる
  其れを工面するのも大変な旅商人だが

  やっと 住居を得た
  後はお前を見受けするだけ

  此の日をどれ程に待ち望んできたことか

  慣れないだろうが 料理を覚え
  近所付き合いで 心をやわらげ
  小さな暖簾だが 愛おしく掃除をし

   そんな ありふれた日常だが
    お前は其れでも構わないだろう?


 流行る気持ちが この身を追い越さないようにと
  あの笑顔を あの温もりを 欲して
    足早に進む

 お前は きっと心から喜んでくれるだろう
     きっと叶えると口にして
 日々を惜しんで働き続け
  合いにもいけなかったが
    やっと 会える


   やっと...やっと...
   さようなら...さようなら.

  擦れ違う心はいつの世にも存在する
   





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