Nicotto Town


ヤツフサの妄想


悪魔なので邪神を育てる事にした 25話

~ 神々の怒り ~



「司令官! 〇スタービーム、発射エネルギー充填完了しました!」

「照準、日本! 発射、カウント開始」

「発射カウント、10秒の前」

「9」

「8」

「7」

「6」

「以下略」

「発射!」

しかし既にバアル達はシンクロしていた。

誰が何をどうしたらいいのか、全て把握している。

そしてそのタイミングはバルバトスによって未来予知されているのだ。


「「「「合体魔法! 特異点封印!」」」」


日本の空に大きなオーラが広がる。

火星人の兵器の余波だ。

そして一部大気に衝撃波が抜けたため、巨大な空振が発生した。

それ2013年に落ちたチェリャビンスク州の隕石の様に空気を震わせ、鶯谷のビルの窓ガラスを全て割ってしまった。

勿論巨大ロボの出現、空に光る怪光線、突然上空を覆うオーロラと空振は、スマホや定点観測カメラだけてなく、いち早く気が付いたマスコミのカメラ、勿論自衛隊にも情報が入り、それは一瞬で海外のメディアに伝わった。

オーロラは上海からも見えたと言う。

すぐさま自衛隊にスクランブルが掛かり、あと数分でF-15Jが到達する所まで来ている。



~ 少し前 ~


邪神様は麻雀をしていた。

メンツは、邪神様、神田明神御神体の大己貴命(オオクニノミコト)、明治神宮御神体の睦仁大帝(明治天皇)、ムツゴ〇ウさんである。

それはもう、麻雀界で唯一、本来九段までしかない階級プロ雀士の世界で十段を持っているムツゴ〇ウさんの独り勝ちの世界だった。

勿論邪神様も負けが込んでいたのだが、今回はかなりいい牌が廻って来ていた事から、1回位は勝てると踏んだその時だった!


ズガガガガーン!


爆音と共に割れる窓ガラス、雀卓もひっくり返る空振、これ程の衝撃がありながら鶯谷は勿論、首都圏で一人も怪我人が出なかった事は奇跡に近い。

が・・・

「もう少しで勝てたのじゃ・・・」

「この国を守るものとして、この事態を招くとは・・・」

「陳もあと少しであったと言うのに・・・」

「まぁそう言う事もあるよ、よ~しよし」

火星人達は神々の怒りを買っていた。

「それにしても何やらイオン臭いのじゃ」

「雷などではなさそうだな」

「陳とてこの様な天罰は下さんぞよ」

「バカにされて、命まで落としそうになって、震えが止まらなくて、惨めで。ギリギリの命の壁をポーンと越えたようなもんでしょ。今日はもう眠れないぐらい嬉しいですねぇ!」

ムツゴ〇ウさんはブレなかった。

しかし他の神は麻雀で負けっぱなしの上、神としてのプライドに関わる事態である。

「どうやら我の部下が頑張っておる様じゃ、ここは我の顔を立てると思って任せてくれんかのぅ」

「緒元の神である貴方様が仰せなら、どうかこの事態収めてくださいませ」

「陳も同様におもいまする」



直ぐに邪神様はバアルの元にテレポートした。

そして・・・

「何やら楽しそうな事をしておるのぅ」

「じゃ、邪神様! そんな余裕は何処にもありません、すでに甚大な被害が出ております」

「うむ、相手は宇宙戦艦か。 これはバアルにはいい勉強になりそうじゃの」

「勉強等と言ってる場合ではないですよ!」

「いいかよく聞くのじゃ、あ奴は戦艦。 しかも超ド級の戦艦じゃ。 巡洋艦や護衛艦、ましてやイージス艦等足元にも及ばぬ分厚い装甲でおおわれており、その火力は追従を許さない強敵じゃ。 バアルが最新型対空戦闘機だとすれば、あれは正に超えられぬ壁。 しかしおぬしは対空だけで終わる器ではない。 今から対艦攻撃の方法を伝授するのじゃ。 まず大きい、装甲が厚い、それが戦艦じゃ。 それに対してバアルは月面軌道まで届いてなお、あの装甲に傷をつける武装がない。 じゃから今すぐ対艦装備をするのじゃ。 あの粒子ビームは我がそこらにポイしておくから安心せい」

「対艦装備ですか?」

「うむ、アレを使うのじゃ」

そう言うと壊れた〇ールドライタンを指さした。

壊れたロボは外観だけはしっかり残っているが、その周りは大量の人だかり、警察が近づかないように規制線を張って居るもののやじ馬がスマホで写真を撮りまくっている。

「あれをどうなさるつもりで?」

「使い方はこうじゃ、見ておるがよいのじゃ。 その前にアレをポイっとな。」

そう言うとバアル達が作り封じ込めていた、ブラックホールとも言える物質を宇宙の果てに投げ飛ばす。

「それでは行くぞよ!」


ロケット触手!!
※パンチじゃないよ

ズドーンと触手の途中からロケット噴射して、触手が飛んでいく。

それは真っすぐに宇宙船のエンジン部分に当たり、地球に帰ってきて邪神様の体にもどった。

「こんな感じじゃよ」

「は、はぁ・・・」

(無理だろこんなの)

「ではこのようにして、さっき宇宙人が置いていったゴ〇ルドライタンを、こう」

あっという間に金属のゴーレムを数百本のロケットエンジン付き槍(ジャベリン:投擲用槍)に変えてしまう。

周りからフラッシュが一斉に焚かれ、昼間の様に明るくなる中、邪神様はスピアをバアルに渡す。

(こんなに目立ってしまっては、もう人間界に居る事は出来ないだろうな・・・)

そう思った時、航空自衛隊の戦闘機F15Jが轟音と共に現れた。




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