悪魔なので邪神を育てる事にした 22話
- カテゴリ:自作小説
- 2018/11/17 19:18:58
~ 宇宙人の侵略 ~
「シレイカンサマ チキュウゴノ ジドウホンヤクソウチノ リョウサンガタガ デキマシタ」
「ツカッテミヨウ」
「あーあー、我々は火星人だ」
「どうやら うまく使えるようですね」
「よし! では宇宙揚陸艦を日本の首都に降下せよ! ステルスモード起動!」
~ 数日前 ~
- 天野萌視点 -
とにかく怪しい会社だと思ったけど、翌日から出社と言う事で、その日はタクシーで送ってくれた。
しかも会社はその日に解雇となったラブホと同じ鶯谷駅の近くなので、そのまま定期券が使える。
ちょっとだけラッキーだね。
胸を張って健全なブラック会社ですと言われて入社したけど、やる事と言えば殆どお茶くみくらい。
何故か社長が頻繁にお茶を飲むので、せっせと運んでいる程度の仕事。
しかも残業が一切ない。
何がどうブラックなのかまったく不明なのよね。
不明と言えば時々、社長のお客様と言う「ニワトリ」さんとか「キツネ」さんとか「ハト」さんが居る。
動物園なのかな?
だいたい社長さんって何してるのかわからない。
他の社員は物凄く優秀だけど、社長さんだけは働いているところを見たことがない。
一度好奇心に駆られて、こっそり社長室を覗いてみたら、テレビゲームしてた。
そんな会社なのに黒字経営らしい。
あっ、またお茶の催促だ。
急がなきゃ。
「社長、お茶を持ってまいり キャッ」
バチャッ
『あ~ またやっちゃった・・・ 社長に頭からお茶ぶっかけちっゃたよ・・・ もうクビ間違いない うううっ』
「うむ、いいドジっぷりじゃ!」
「あっ、はい。 あ、アリガトウゴザイ ます」
『物凄く変な会社だ・・・ ブラック企業って言うのは、こういう意味でブラックな趣味の会社と言う事なのだろうか? 社長の闇が深すぎて怖い』
~ 話は戻って数日後 ~
「今日も残業しないで、さっさとお帰り!」
社長秘書の鶴の一声で、皆帰宅準備を始める。
萌も最初はびっくりしていたが、その後みんなでカラオケしたりして楽しい日々を過ごしていた。
今日は社長の気まぐれで「萌ちゃん入社おめでとう会」と言うのをやる。
ちなみに新入社員の歓迎会は別にやった。
今日の場所は会社近くの「鳥〇族」。
勿論料金は社長持ち。
夜の8時くらいになって、会はお開き。
みんなセクハラも飲み過ぎも愚痴もなく、ただ酒を飲み肴を食べ、当たり障りのない笑い話にふける。
妙に健全な飲み会だ。
そんな時である。
空から透明な立方体が落ちて来た。
透明と言っても何と言うか完全に透明と言う感じじゃなくて、水の様に歪んで見える透明だ。
最初に気が付いたのはバアル、その次に気が付いたのは萌である。
何故なら萌はバアルをずっとガン見していたからだ。
因みに邪神様は途中でいなくなってた。
理由はオフ会がこの後あるんだとか。
何のオフ会だとこんな時間にやるのかと聞いてみたいが、やめておいた。
次の瞬間透明な立方体は山手線で一番利用率の低い鶯谷駅の近くに落ちた。
基本ここに来る人はラブホ利用者が一番多いので、駅から歩いてとか恥ずかしいと言うのもある。
そんな駅から少し奥まったところに透明な立方体は降下し、扉のようなものが開くと中から邪神様の様な生き物が出てきたのだ。
大きな違いは触手が長く、体長30センチほどの邪神様に比べると、この生き物は1.5メートルはある。
さらに顔がグロイし目つきが悪すぎる。
あと頭にお花が咲いていない。
透明な立方体から出て来た謎の生き物は、触手に銃のようなものを持ってこう言った。
「我々は宇宙人だ! 抵抗は無意味だ!」
邪神様の悪戯かと思っていると、いきなり怪光線を銃のようなものからぶっ放してきた。
怪光線は監視カメラに当たったと思うと、監視カメラを中心に半径1メートルくらいがごっそり消えた。
破壊されたと言う感じでも、熱で溶けたと言う感じでもない。
まさに消えたと言う感じだ。
こいつは本物に違いない!
バアルは他の社員(悪魔と人間の萌)を逃がすように指示(主に萌に見られないため他の悪魔に誘導させた)し、宇宙人と名乗る邪神モドキと戦う姿勢を示しのだった。
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火星人と宇宙人を書き分けています。
火星人達の会話では「火星人」
解説でも「火星人」を採用。
でも「地球人に『火星人』と名乗って、反撃されないように「宇宙人」と
名乗っているようにしているつもりです。
書き間違いがあった場合ご了承ください。