悪魔なので邪神を育てる事にした 16話
- カテゴリ:自作小説
- 2018/11/11 19:19:57
第二部「人間界進出編」
~ 邪神、人間界に出る ~
「邪神様、銀行印を新しく作ってください」
「え~」
「邪神様、社印はいかがいたしましょう?」
「あ~」
「法人実印も・・・」
「めんどくさいのじゃ」
「わかりました、印鑑はこちらで決めますが定款はどのように致しましょう?」
「・・・」
「会社設立には人間界に家を持たないといけません。 何処に居たしましょう?」
「・・・・」
「他にも出資者をどの方にするか、魔界の者で人間界に進出している者からでも出資させた方がよいですか?」
「めんどくさいと言うておろう!」
「しかし・・・」
コンビニウエィブ!
ピカッと邪神様が輝く!
※説明しよう、コンビニウエィブとは「Convenient Radio wave」の略で、「便利な電波」つまりご都合主義である。
「よし、これで会社が出来たのじゃ」
「・・・ 流石にこれは」
「お家は六本木の近くにマンションを3億でおさえた。 会社は鶯谷駅の近くじゃな、早速行ってみるのじゃ」
そう言うと邪神様はいそいそと段ボール箱に入る。
どうやらバアルが人間に変化して運んでいかねばならぬようだ。
「邪神様、人間界で社長になられるのですから、人間の姿になって移動されてはいかがでしょう?」
「人間の姿で社長になるのじゃぞ? 子供の姿と言う訳にも行くまい。 コロッケ食べながらPSPが出来んではないか」
段ボールの中でコロッケ食ってゲームするらしい。
因みに今までヒラメのような部分に口があったが、槍として使ってしまった為現在は頭の上にお花が咲いていて、そこでモギュモギュ食べる事が出来る。
以前からそうだが体の上に口があるので、食べかすが体に降りかかるのは変わらない。
「またゲームですか・・・」
「うむ、プリンセスクラウンをもう一度プレイしておるのじゃ」
「何度も同じゲームをしておられるのですか?」
「以前やったのは、セガサターン版じゃったのでPSP版は初めてじなのじゃ」
「発売日が古いようですが?」
「我も買うかどうか悩んだのじゃが、こうして持ち歩いてゲーム出来るのはやっぱりよいでのぅ」
邪神様はゲームの最初の主人公の特別バージョン「SRDXD プリンセスクラウン
グラドリエル Ver.1.5」のフィギュアをAmazonで8000円で買って持っているのである。
こうして会社予定地に付いた。
バアルが考えて居たよりかなり立派なビルである。
社員どうするんだ?
一度にたくさん雇用すれば怪しく思われないか?
まずは魔界の者を働かせ、人間と入れ替えていくしかないだろう。
それ以前にこの場所に立っていた建物はどうしたんだろう?
※実はコンビニウエイブの力で鶯谷公園だった所に立っていて、公園が無かったことになったのだ。
「それにしても邪神様、会社の周りに随分と監視カメラが多いような気がしますが」
「うむ、ちょっと危ない所らしいからのぅ」
「それに周りのビルが、なんと言うか普通のビルとは違うような気がします」
「周りはラブホだらけじゃからのぅ」
「どうしてもう少し良い場所にしなかったのですか? 私は上野辺りで月100万程度の賃貸オフィスを考えていたのですが」
「それは秘密じゃ・・・」
「どんな秘密なのですか?」
「・・・」
単に作者が面白がって予定地だった上野駅から鶯谷駅に代えただけである。
因みにビルは新築だが、周りの人は昔からある様に思っていると言う、コンビニウエィブ効果が発動している。
「では邪神様、中に入って見ますか」
「それは明日で良いじゃろう、次は自宅に行くのじゃ」
「かしこまりました」
こうして六本木近くのマンションに移動する。
まだ車を買っていないので、邪神様を段ボールに入れての電車移動だ。
とても邪魔なので周りの視線が痛いと思う人も多いだろうが、バアルが人化すると30手前のイケメンにしか見えないので、必殺技「ただしイケメンに限る」が発動されている。
付いた場所は巨大なマンションで有った。
2DKと聞いていたので、値段が高いが狭いと思っていた家だが、専有面積が120㎡と結構広い。
これならバアルと邪神様だけでなく、バアルの嫁アシュトレトも不自由することは無いだろう。
神殿と比べれば小さいが、広すぎると掃除が大変なのだ。
『邪神様、早く人間の姿になって活動してくれないかなぁ・・・』
その心の声は邪神様にバレていた。
ぼちぼちUPしていきますが、書き溜めて居ないので、更新遅くなります。<(_ _)>