Nicotto Town



東北一周テント旅 (四日目後半)


フェリーの座席はまだ空きがありました

海の見える窓側の席に座り、海をしばらく眺めていると

振動と共に重低音が床を鳴らします

どうやらエンジンに火が入ったようでした

すぐにディーゼル特有の匂いがあたりにうっすらと漂い始めます

こうなるとテンションはいやがおうにも高まってしまいます

なかなか船に乗る機会がないというのもありますが

やっぱりこのディーゼルの排気臭は、ちょっとテンション上がりますね

バスの乗客が次々と席に着くと

やがて船は離岸し、陸奥湾を進み始めます

徐々に小さくなる岸辺の風景が完全に消え去った頃

甲板に上がることにしました


甲板に上がり、海を見るとそのゴミの多さに驚きました

波間を漂う、ペットボトルやプラスチックトレー

湾の外には出ていきにくいのか、かなりの量が目につきました

マイクロプラスティックの問題が叫ばれて久しいですが

こうして実物を見てしまうと考えざるを得ませんね

海上も薄っすらと霧に囲まれているため360度、見渡す限り海!

後には船が作り出す白波が立つだけ

穏やかな海を切り裂いて進む感じで、ちょっとワクワクしました

肝心のイルカは来そうにもありませんが、もしかしたら!

そんな淡い期待を抱きつつ、その時を待ちながら甲板の上に立ち続けました

甲板の端から、操舵室の中が少し覗けるのですが

航行禁止地域が事細かく示された地図が飾られていました

陸の側のほとんどのエリアが赤く示されていました

船が航行できるエリアは案外狭いのですね



しばらくぼーっと海を眺めていると陸地が見えてきました

おそらくあれが下北半島なのでしょう

甲板に出てから、何度かコンパスを見て海路の予想をしていたので

ちょっと感激しました

さらに進むと、灯台のある小さな島が見えてきました

鯛島だと思われます

さらに船の進行方向に脇野沢港も見えてきました

あれ? ということは……。

イルカを求めて、結局甲板に1時間立ちっぱなしだったようですw

船はゆっくりと港へと近づき無事に着岸しました

再び大地を踏みしめ、気分を新たに北を目指して出発です!



脇野沢から国道338号線を北上していきます

途中、道の駅脇野沢で一息入れます

この辺り既に民家っぽいものは見えず

森の中を縫うように進むと突然現れる道の駅なので

なんとなくほっとします

道の駅内にはホワイトボードがあって自由に書いていいようなので

ちょこっと書き書き

コーヒーを飲んでリフレッシュしたらさらに北上します



さて酷道という言葉があるのをご存知でしょうか?

酷い国道のことを皮肉を込めて酷道と呼ぶのですが

この先はまさに酷道と呼ぶべき道路でした

道幅は狭い上に曲がりくねっていて、アップダウンも結構激しい

通常時でも恐らく手こずる道だと思いますが

今回はそれに加えて霧が発生していました

ああ、これがベリーハードモードって奴か!

と思いながら曲がりくねった道を慎重に進んでいきます

唯一の救いは、対向車がほとんどなかったことです

山々の間を頼りなさげな道を進んでいきます

所々には草木が生い茂りすぎて、見通しが相当悪いところもあって

ど田舎感満載でした



しばらくすると佐井村の看板が出ていました

平成の大合併以降、町ですらなかなか見かけなくなったというのに

村がまだ残っていたとは! ちょっとした感動すら覚えます

しかしながら村にふさわしい狭い道路

これが国道とはにわかには信じられません

狭い道をゆっくり進んでいくと、やっと見えてきました

仏ヶ浦の看板が! 大間へ行く前に立ち寄ろうと考えていたのです

国道から少し入ったところに駐車場がありました

他に誰も来ていないのか、1台も止まっていない貸し切り状態!

まあこんなど田舎まで来る人は少ないのでしょうかね?

駐車場からカメラを抱え、仏ヶ浦へと降りていきました



駐車場からは砂利道、さらに下っていくと木製の階段になっていました

が、その高低差は半端ではありませんでした

おまけに昨日の雨、そして今また小雨がポツポツと降っている状態の為

木製の階段はとにかく滑りやすい!

2,3度バランスを崩しながらも慎重に下って行きました

樹木の間から手が届きそうな所に岩がゴロゴロしているのですが

まず大きさがオカシイ、さらに置かれてるバランスもおかしい

この岩なんで落ちないんだろう?と思われる光景が

階段を下りながら続きました

かなりの高さを下って来た所で、浜辺が見え急に視界が開けました

その光景を見て「え?ナニコレ?」と言うのが最初の感想でした

今までこれに似た光景を見たことがなかったのです

奇岩と呼ばれるものは何度か見る機会はありましたが

これはどれとも異なり、一言でいうなら異様でしようか?

付近には大町佳月の歌碑があり

「神のわざ 鬼の手づくり 佛宇陀 人の世ならぬ 処なりけり」

と唄われていますが

まさに人の世とは思えない場所でした

鬼の手づくりと聞いてと群馬県の鬼押出を思い浮かべましたが

そことはまた別の世界が広がっていましたね

海底火山の噴火により地層が隆起したものが

途方もない年月を掛け、削られたものだということですが

緑がかった灰色の凝灰岩のオブジェクトは、誰かの手

いや鬼の手で人工的に作られたような不思議な作品になっていました

一通り奇岩を眺めて、さて戻ろうか……

そうです、再びあの階段を登らなければならないのです

標高差は100mは有にあるでしょうか?

急な勾配をはぁはぁ言いながら登り切りました

20分間階段を登り続けらる人ならば、ここはオススメ出来ます!

ちなみに船で行くことも出来るようなのですw

そっちの方が多分楽ですね



汗だくになりながら駐車場まで戻ってきました

このあとはいよいよ大間崎を目指します!

下北半島を斧に見立てた場合の刃に当たる部分をひたすら北へ!

狭い道でしたが大間町へ入ると人家も増えてきました

そしてとうとう大間町のテントサイトに到着!

ですが辺りはかなり薄暗くなっていました

駐車場にはそこそこの数の車両が止まっていました

さすが本州最北端の地のキャンプ場

停まっている車両のナンバーを見ると、

東北、東京から金沢、広島、そして鹿児島まで!

全国から人が訪れているのがわかります

しかしながら張ってあるテントの数は少ない

見たところ2つしか張られていませんでした

どうも皆さんキャンピングカーの中や自家用車のなかで寝るみたいで

テントを張るのは少数派みたいでした

ささっとテントを張ったら大間崎の先端へ、お散歩に行きました

本州最北端の碑を見つけ、触ってみました

ここまで辿り着いたか!とちょっと感慨深いものがありました

天気が良ければ北海道が望めるはずですが

霧が濃くて…。


散歩から戻るとあたりは真っ暗になっていました

着くのが少し遅かったので仕方ないですね

ランタンに火を灯し、バーナーで今日の夕ご飯を作ります!

大間にきてマグロも何もなく、インスタントラーメン!

を食べましたw

時間が遅すぎたため、今から銭湯を探すのも面倒だと思い

そのまま寝袋で就寝

本州最北端の地での夜は更けていきました

4日目の移動距離   223km
フェリーを使った為、走行距離はかなり抑えられましたが
仏ヶ浦の往復でかなり体力を持っていかれ、ぐっすりと眠れました

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2018/10/27 17:58
Re:みゆさん

仏ヶ浦は素晴らしい光景なのですが、場所的にちょっと行きにくいのと
階段で損している気がしますね、近くの港から観光船が出ていて
海上から行くと、階段不要なのでそちらから行くのがいいかもしれません!
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2018/10/27 17:56
Re:ゆりかさん

全国に酷道はあるみたいなんですよ
道幅とか交通量とかで決まっているわけではないのでw
詳しくは道路法第五条を参照なさってください!
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2018/10/12 10:18
仏ヶ浦が気になり、ギャラリーの方も見て来ました。
海と風で作り出されたものなのでしょうか。
こんな感じの所、見たことないです。

ずーーと付いてくる霧…
これも幻想的な雰囲気を演出してくれてるのかもしれませんよw(;^ω^)

見てみたいけど、20分の階段は…( ̄▽ ̄)
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2018/10/12 05:28
恭介さん、おはようございます。
イルカ残念でしたね。私もイルカ出るかな?とワクワクしながら記事読んでました。
酷道(笑)そんな言葉があったのですね。どれだけ酷いのか気になっちゃいます。
体に気を付けて良い旅を(*^^*)



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