悪魔なので邪神を育てる事にした 6話
- カテゴリ:自作小説
- 2018/10/08 19:28:46
~ ぽぽぽっぽぽぽぽ(邪神、出掛ける) ~
「ぽぽぽぽぽぽ」
邪神様はかなりハイテンションになって、神都の神殿を出て行った。
神殿から出るのは実に数百年ぶりの事である。
バアルは少し嬉しかった。
自ら邪神様の下僕となり使えてきたものの、神都はほったらかしで、バアルがやりたい事を自由にさせていた。
魔界の統一も邪神様がしてしまい、その後は邪神様と言うお神輿を担いでいれば政務は滞りなく進んだ。
その反面魔界を統一した邪神様は何もせず、日々サキュバスのエロ話を聞いたり、人間界の書物をどこからともなく持ってきては読みふける日々を送り続けていた。
それも飽きてきたのだろう、ここにいんたーねっとが接続された20年前まで、邪神様は神殿の庭でぼーっと日向ぼっこしている事が多かったのだ。
神殿から出ただけでもうれしい事なのだが、更に人間界まで足を運ぶ等と言う事は引き篭もり邪神の世話をしていたバアルにとって感無量と言った所である。
そんなことも考えていた時もありました。
「ぽぽぽぽぽぽ♪」
おや? 邪神様がもう人間界から戻られたようだ。
随分と早かったな。
でもやたらとご機嫌の様子。
頭の位置にあるタコの足のような触手も、嬉しそうに指揮棒のように4拍子で動き、鼻歌のように「ぽぽぽぽ」と言っている。
「ご機嫌がよろしい様で」
「楽しかったのじゃ」
「それはよろしゅうございました。 これで人間どもは邪神様の恐ろしさを知ったでございましょう」
「うむ、人気の少ない田舎で、ちびっこを散々脅かしたしな。 あとオタクも5人ほどビビらせてやったわい」
「えっ? 子供だけですか? 大人は5人?」
「あれだけ脅せばネットでかなり話題になっておるじゃろうて。 ふひひ」
邪神様は何故か自慢げだが、田舎で子供相手に脅して人間界を震撼させると言うのは無理がある気がする。
ぜいぜい地方のうわさ話で終わるのではないだろうか?
「たったそれだけでは、人間界で知名度はさほど上がらないのではないでしょうか?」
「そんなことは無いぞ? 人間界にはインターネットもあるしのぅ。 お主は魔界に長くい過ぎて、人間界の事を数百年知らぬから仕方がない事ではあるがな」
確かに邪神様に代わって政務を行ったり、魔界の兵士でも手が付けられないような魔獣を相手に奮闘していてここ数百年異次元の人間界には行っておらず、十分な知識は無い。
しかし人間の生活がそれほど急に変わるのだろうか?
千年以上も鉄程度の金属を加工しただけの剣と鎧で戦っていた人間が、邪神様の言う様に人類を滅ぼすような核兵器とやらを作ったと言う話も信じられない。
確かに魔界でも話題になってはいるが、私自身が見たわけではないのだ。
魔族の魔法が至高であると思い込んでいたと言う事もあるが、自分で出向いて下調べも必要だろう。
「それにのぅ、オタクが1人スマホで我を撮影しておったのじゃ。 あの画像がネットに流出すれば、世界中に拡散されるじゃろうて」
「すまほですか?」
「そうじゃ、遠くの者と通話は勿論、インターネットにも接続出来、ラインや掲示板にも画像や動画が投稿できる優れモノじゃ。」
「それが世界に拡散できると言う事なので?」
「現在の人間界をあなどるでないぞ? 今や人間の力は魔族の魔法よりも上を行っておる。」
なんだと!
人間が魔族の魔法よりも強い力を持って居る!?
だとしたら、早急に邪神様に人間界を制圧してもらわなければ、次元の扉を開いたとたん魔界が制圧されかねない!
これは古参の悪魔を集め、議題として提出し検討しなければならない案件だ。
今の話からすると邪神様が日ごろ使っているいんたーねっとは魔族が使う念話よりも格段に情報の拡散能力に優れていると言う事になる。
もし人間界の軍隊が使用していれば、我ら魔族の位置を正確に把握され、集団で対処してくるに違いない。
「なんじゃ、随分難しい顔をしておるな」
「人間の軍隊はいんたーねっとを使用しているかもしれないと思い、だとすれば・・・」
「何を考えているかと思えば。 そもそもインターネットは軍事用に開発されたものが民間に流れた物じゃぞ? あといい加減『いんたーねっと』と言うのはやめい。 インターネットじゃインターネット! 発音がおかしくて聞き取り辛いのじゃ」
邪神様を教育するつもりが、逆に邪神様に教えられてしまった。
どうやら私は随分と人間界を舐めていたようだ。
古参の悪魔を集めて会議をする前に、私の部下を使い人間界の偵察をしておかなければただの机上の空論取りかねない。
とりあえず人間界に詳しいモブ悪魔Aに人選してもらい、数百の悪魔を送り込むべきだろうな。
勿論私自身もこの目で見なくてはならん。
そして同時に邪活ももっと活発にしなければ!
行き当たりばったりではもう駄目だ。
計画案も早急に出さなければならない。
それに予算の配分も見直しせねば。
課題は山積みなのだ。
それら全ては人間界を支配する邪神様の為の邪活として生かされるのだから。
「お昼ご飯はモスで買ってきたからよいぞ! あと昼を食べたらもう一度出かけてくる!」
「わかりました。 ですが今回お出かけの際にはモブ悪魔Aとご同行していただけませ目でしょうか?」
「なんじゃ、我はアキバに行くわけではないのじゃがな?」
「モブ悪魔Aはアキバ専用なのですか?」
「あやつの趣味を考えればそうなるわい」
予想に反して邪神様は人間界にお忍びで出掛けていたと言う事実か判明したのであった。
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残酷な描写(15歳未満禁止)や性的描写(18歳未満禁止)
となるような表現がニコットではヤバイと思ったのでアホな
話となって居ますが、ご了承ください。
うん、ぽぽぽって八尺様の笑い声だからねぇ (^ω^;)
申し訳ございません。 <(_ _)>
今回は残酷描写を排除しました。
原文では八尺様となった邪神が、ヲタクを脅す際に車で逃げる人を追いかけまわして交通事故を起こしたりしてます。
書くと長いから3000文字では入りきらなかったと言うのもありますが、なんと言ってもアカウント削除が一番怖いと言うのが本音です。
だってニコッとに幾らつぎ込んだかわからない位使ってますから (´;ω;`)