Nicotto Town


ヤツフサの妄想


悪魔なので邪神を育てる事にした 5話

~ 邪神、新たなる姿 ~


「取り合えずお金の事は置いておきましょう。」

「置いとくんかい!」

「今重要なのは人間界を恐怖に陥れる事。 その足掛かりを作るのが先かと存じます。」

「なるほどのぅ。 つまり人間を脅かせばよいのじゃな?」

「そうでございます。 しかし人間界の電力を使わないと駄目だと言われるなら、何かしら別の手段を考えなくてはいけません。」

「まぁ、そやね。」

「邪神様の言われた事が本当なら、本来自然に力が得られるはず。 人間の電力以外にも何か使えるものはないのでしょうか?」

「いくらでもあるぞい? 例えばこの星の磁力とかでも取り込めば無限の力を手に入れられるのじゃ。」

「なら最初からそれをお使いになれば良かったのではないでしょうか? 何か不都合でも?」

そう言うと邪神様は少しだけ神妙な顔つきになり、言葉を選ぶように答えた。

「うむ・・・ 星の磁力を取り込むのは簡単なのじゃが。 あまり取り込むと星そのものが持って居る紫外線や宇宙線、電磁パルスを防げなくなり世界中の電子機器が異常を起こし、ネトゲのサバがダウンするかもしれん。 やるなら慎重にやらねばならぬ。」


この期に及んでまだそこにこだわるか!

ねとげがどれ程凄いものかは判らぬが、邪神様が夢中になるほどの物だ。

人間とっても麻薬のようなものに違いない。

それが故、邪神様にはねとげがどうしてもネックとなっているようだ。

これ自体を何とかクリアしないと先には進めないのだろう。

「ですが今仰ったとおり、少しだけ使うのなら問題はないわけなのでは? 少しの力で人類を恐怖に貶める、その手段があれば・・・」

「それじゃ! バアルでかしたぞ!」

「えっ? 私めが何か言いましたでしょうか?」

「うむ。 なにもレベルアップに拘る事は無い。 様は見かけだけでも恐怖を与える事は出来るからのぅ。 レベルを上げるには大量の力がいるが、姿を変えるだけならたいして力を使わないのじゃ」

しめた! やっと邪神様が少しはまともな方向に進みそうだ!

活動そのものとしてはリハビリ的なものにしか過ぎない。

それでも邪神様が人間界に少なからず及ぼす力を考えればプラスになるに違いない。

と最初は思った。


「では変身するのじゃ!」

そう言って邪神様が変身したのは2メートル40センチくらいの白いワンピースに帽子をかぶった、長い髪を腰まで伸ばしている人間の女性に似た何かであった。

「ちょ、八尺様ですか テラワロス。 もう大草原ですよ!」

「ふふふ。 どうじゃ。 八尺様と言えばネットで一時期話題になった都市伝説。 萌え化したりエロ絵にされたりと一部有名なキャラじからのぅ。」

「モブ悪魔Aよ、邪神様のこの姿に心当たりがあるようだな。 説明してもらえぬか。」

「え~っと、八尺様と言うのはですね、ネットの2〇ャンネルと言う所のオカルト板が発祥の都市伝説で、小さな子供の前に現れて呪い殺すと言うお化けすっね。 特に男の子が狙われやすいと言われていやす。 一度昼間に出くわすと夜になって迎えに来るんっすけど、戸にお札などを貼っておくと入れないんですわ。 そうするって~と、身内の声真似などで開けるように指示したり、ドンドン壁を殴ったりして中の子供を恐怖に叩き落すと言う物なんですわ。 正直 貞子 の方がメジャーだと思うんですけどね、何で八尺様なんだろうと・・・」

「解った、もう良い。 それで邪神様はその、やたらと地味な活動されるのですか?」

「ぽぽぽぽぽぽ」

「何を仰ってるのか分かりません。 ちゃんと答えてくださいませ。」

「プゲラ! もう八尺様になりきってますわ! 腹痛てぇ~」

「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」

「邪神様が何をしたいのか判りませぬが、お顔はその・・・ そのままでよいのですか?」

「うむ、これでよいのじゃ。 既に八尺様と言えばエロ化されているキャラじゃでな、好奇心に釣られて顔を見たいと思う萌えブタも多いじゃろう。 そこに女の顔でない我の姿を見れば、PTSDになって生涯忘れることは無いじゃろうの。」

「えげつねぇっす邪神はん。 ブヒる萌えブタ限定の攻撃っすか! 邪神△」

「日本語でおkなのじゃ。 ふひひ。」


甘かった。

バアルの斜め上を行く展開である。

邪神様とモブAが何を話しているのかわからないが、ろくでもない内容であることは間違いない。

それにPTSDも何かわからない。

多分ではあるが、精神的苦痛なのは想像できるのだが。

であろうと魔女っ娘風黒ギャルの様な、身内が恥をかいてダメージを受けると言う恐ろしい物より良い。

多少疑問に思うのは、これで本当に良いのか? と言う事もあると言えばある。

そう、神の威厳が欠片もない。

神としての行動を考えれば、邪神様が下位のモノノ怪に扮すると言うのもいただけない事である。

何であっても邪神様が少しでも殺(や)る気を出してくれたのは有り難いともおもうのだが。

少しづつ方向性を変えていくしかないのか・・・

基礎レベルも低すぎる現行を鑑みると、基礎体力の底上げとして筋トレも必要かもしれない。

最も邪神様に筋肉があるのかも疑問ではあるが。

こうして邪活の具体的第一歩がスタートする事になり、この後バアルが胃を痛める日々の幕開けとなったのだ。

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     今のところ邪神様のレベルアップは考えていません
   しかし邪活の加減でレベルを上げなくても話が進むと思います。

アバター
2018/11/07 22:13
>ゆにこ様
モブA、意外といい仕事してますw

八尺様は初めて見た時結構怖かったなぁ~
貞子と同じで見慣れるとそれなりに面白いけどw

そう言えば海外のゲームで、貞子が画面から出てきたら逃げる方法ってので、椅子に座って足を上げるってのがあった気がしますwww
何故か椅子の下を通り抜ける貞子に吹いたwww
アバター
2018/11/07 00:01
モブAとの会話がw
バアルガンバッテー!!
八尺様、調べようと検索したけど検索結果が怖い話まとめ、とか伝説の怖い話、とかだったので見れませんでした(´・ω・lll)



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