【お話】妖精とクローバーの花
- カテゴリ:コーデ広場
- 2018/10/07 08:20:57
森でひとり、クローバーの花を集めた。昔聞いた、妖精たちの歌声への思い出として。
もらったステキコーデ♪:7
むかし、妖精の歌声を聞いたことがある。
今よりずっと、小さかったころ。
ひとり森に迷い込んで、泣きそうになって、
座っていたら、かすかに。なぐさめるように。
歌声が聞こえた。
その声を聴いて、じっとしていたら、
探しに来た大人に見つけてもらった。戻ったら、しかられた。
次の日、もう一度森に入って、
子どもなりに考えて、クローバーで花かんむりをつくって、置いて来た。
ありがとう、の言葉とともに。
今は、何も聞こえない。
わたしが大きくなりすぎたからだろうか。
それとも、あの記憶は、
ただの、さびしい子どもが夢想した、幻にすぎなかったのか……。
明日には、魔物を討伐する任務に戻らなければ。
でも今は。
かつて、ここで出会った歌声のために、
クローバーの花を集めよう。
少しの夢と、愛と。感謝と共に。
子どもだった自分の、やわらかな心は、ここに置いていく。
この先、ここに来ることがまた、あるかどうかはわからない。
でも、この森があるということが、
きっと自分を支えるだろう。
ここには美しい歌声があって、
子どもだった自分の一部も、ここにいる。決して消えない。
そう、信じて、
戦いの続く日常に、戻ろう……。
***
ちょっと殺伐とした設定。孤児院育ちの魔物退治人。
いつも素敵なお話しありがとうございます^^
それっぽい感じw 森はいつでも、不思議をはぐくむ。ということで。