Nicotto Town


ヤツフサの妄想


悪魔なので邪神を育てる事にした 2話

~ 邪神のレベル上げ ~


「それでは邪神様、今日はスライムを倒しましょう。」

「なんじゃと? 何で我が何を悲しゅうてスライムなんぞを相手にせねばならないのじゃ!」

「いいえ、スライムを相手にせねばならない程、今の邪神様は弱くなっておられるのです。」

「そんなに弱くなっておるのか!」

何時もの事ながら、暢気な邪神様である。

自分がどれ程弱くなっているのかすらわかっていない。

「じゃが、そんな事言ってお主も弱くなっているのではないのか?」

「いいえ、私はレベル666でございます。 ちなみに邪神様はレベル4でございます。 今ならゾンビにすらワンパンでやられるかと。」

「なんでじゃ! 納得がいかん! 何故お主はレベルがキープされておるのじゃ! 何かインチキをしておるのじゃろ! 我にもチートの方法を教えるがよい! と言うか教えるのじゃ!」

何故か私が不正をしてレベル維持をしていると思っているらしい邪神様に真実を告げる事にした。

「そのような事はしておりませぬ、私は毎日筋トレをしたり、神都を守るために魔獣を退治したりと色々やっているのでございます。 邪神様の様に日頃からぐーたらしておりませぬ故。」

「だからと言ってスライムとかRPGの勇者が最初に戦うような相手を・・・」

邪神様はどうやら努力と言うものが嫌いらしい。

「そんな事だからレベルが下がってしまわれたのです! 貴方様でも昔は努力してレベル9999まで上げたのでしょう?」

「んにゃ、我は生まれた時からメチャ強かったし。 努力なぞ一度もしたことは無いわい。」

なんだと!?

生まれた時からレベルが9999だったと?

いったいどう言う事だ?

「うむ、納得しておらぬようだな、なら我がなぜ強いか説明してやろうぞ。」

そう言うと邪神様は、いかにして自分が生まれ、なぜ強いのかを話し始めた。


そもそもこの世が出来たのは偶然からであった。

以前からあったとされる前宇宙が崩壊し、そのエネルギーが集まりビックバンと呼ばれる宇宙規模の大爆発が起こった事から、現在の新たな物質が生まれ、気の遠くなる様な年月を経てこの星が誕生した。

そして生命の誕生と神の誕生があった。

人間の世界、いや魔界でも「神が世界を作った」とされているが、それは違うらしい。

生命と同じくして神が誕生したと言うのだ。

そして地球には4つの4柱が生まれた。

それらは元々のこの宇宙の自然エネルギーが形になったものだとされる。

アインシュタインの相対性理論とか言う物にも書かれている4つの力の化身なんだとか。

その1つが現在の邪神様だと本人は言う。

4柱の力そのものは宇宙の誕生と同時に出来たが、神と言う形が出来たのは地球に生命が誕生したのと同じころだと言うのだ。

なので本来力が弱まると言うことは無く、たとえ見た目が弱くなっても力が世界に分散されているだけで、集めれば元の力を取り戻すことが簡単なのだとか。

ただ問題があるようで、邪神様と言っているこの御方の力の源は「電磁力」と言う物らしく、人間界で産業革命が起きてから、人間がその力を無限に使い始めた事で力が分散して邪神様が弱くなったと言う事らしい。

由々しき問題ではあるが、勿論それらの緒元の力は無尽蔵。

なにも邪神様から奪わなくても魔族の魔法と同じでいくらでも利用できるものらしい。

魔族はMPを周りにある魔素から取り出し、自分と言う器に入れる事で魔法を発動する。

その為器自体を大きくするために努力しなければならない。

だが邪神様は違う。

器自体はその都度努力も何もいらず、ただ自然の電磁力さえ取り込めば無限にその力を取り込み、見た目もそれによって変わると言うのだ。

しかし邪神様はそれを放置した。

面倒臭いと言う理由で。

つまり他から力を集めればこれほど弱くならなかったのに、力を根こそぎ奪われ、更に取り込むための力すら人間の機械が先に奪っていると言う事だった。


「つまりじゃ、元々緒元の力故、我はレベルとか関係ないのじゃ。 あえて言うならレベルは無量大数を超えているから数えられんし、たとえ現在のキュートな体を失った所で我が消える訳ではない。 この宇宙がある限り我は何処にでもおるし、見た目なんぞはたまたまこうなっているだけなのじゃ」

タコの上にヒラメが乗った様な体がキュートと言うのかどうかは別として、レベルが無料大数以上と言うのは本当なのだろうか?

私が見た時のレベルは9999だった。

それすら邪神様が弱体化したものだったと言う事か!?

それ以前に神が4柱しかいない、その1柱が邪神様だと言うのか?


「し、しかし・・・ 人間界には多くの神が居ると言う事なのですが・・・ それらはいったい?」

「あれは人間が勝手に考えた『ぼくがかんがえたさいきょうのかみさま』みたいなもんじゃな。」

「・・・ えっと、それは、ある意味悪魔を全否定していませんでしょうか?」

「おぬしらがどう思おうとそれが現実じゃ。 それにお前はここに居るであろう? そう言う物じゃて。」

「私には、理解しかねます。」

「昔からお主は脳筋じゃからのぅ。」

なんだか言いくるめられている!?

これは以前邪神様が言っていた「引きこもりのニート」の言っている屁理屈と同じではなかろうか?

いや、そうに違いない!

怠惰な生活を送る為に言っているたわごとなのだ!

悪魔アバルはそう結論付けた。

そうでも思わないと次元が違うし、なんだかんだで自堕落な生活を続け、バアルが目論む人間界の制圧など夢のまた夢となってしまう。

こうしてバアルはこの邪活が困難なものであると強く実感したのであった。


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    ちびちび書き溜めた物なので6話以降は更新遅くなると思います




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