読書録:写真で見る日本陸軍兵営の食事
- カテゴリ:日記
- 2009/10/05 03:34:49
てなわけで、海軍のに続いて陸軍版も出ていたので読んでみた。
海軍版と同様に、陸軍の発足時から終戦頃までの陸軍の食事情についての解説書。
特に平時の兵営で下士官・兵に出されていた食事中心に書かれている。
大きく3部に分かれていて、第一部が給与法令の変遷について、第2部が献立と調理、第3部が食事風景という内容。
第一部の給与法令というのは、要するに、給料や出される食事量(及び費用)の規定なのだけれど、幕末から、第2次大戦までの変遷が追えるようになっている。これ読んでて思ったのは、昔って、ほんとにお米たくさん食べてたのねってこと、なにせ、一人当たりの割り当てが一日米6合なんだから(おいらの家だと、二人で3食きちんと食べても一日お米4合くらいだぞ)。
ちなみに、配給制度の始まった昭和16年の配給量は、通常のサラリーマンで一人一日2合ちょっとである(軍人の半分くらい)。
第2部の献立と調理は、実際の献立例や、調理方法、調理道具などについて書かれているのだけれど、季節ごとの一週間の献立例が書かれていたりする。基本的には朝は味噌汁と漬物、昼と夜が、おかずと漬物という組み合わせになっている、ただ、やはり海軍のほうがいいもの食べてる感じは否めない(それと週に一度はパン食が入るっぽい)。
第3部の食事風景では、平時の食事風景のみならず、宴席や、記念日のメニューなどの写真も入っていてなかなか興味深い。豪華なほうだと、昭和5年の閑院宮殿下の熊本行きのめにゅーが記載されているんだけれど、朝食が三の膳まであるような和食だったり、洋食はフルコースだったり(材料の産地まで記載されているあたりなんというか・・・)といったぐあいで、庶民とは隔絶したメニュー。おまけのように、大元帥陛下の平時の食事情についても記載されているけれど、こっちは、かなり質素、和食なら1汁4菜、洋食なら、パンに、おかず3種類に果物、デザート、夕食ならこれにスープがつくくらい、しかも、儀式のときでなければ、お米も白米ではなく6分搗きの玄米だし(まぁ、品質は超一級品なんだろうけど・・・)。具体的なメニューについては書かれていないけれど、確か昔新書でその手の本が出ていたはず(「天皇の料理番」だったっけか?)。
巻末のコラムには陸軍カレーについて書かれているのだけれど、昭和4年、5年、15年、19年の調理例が取り上げられていて、何の肉を使っていたかの変遷がなかなか興味深い(初期は豚、牛だったものが、年を追うに従って、鯨や兎、はたまた単に獣肉と書かれていたりする)。ちなみに、陸軍カレーは箸で食べるものだそうな。
今は米が添え物になってますが。
単に獣肉っていったい何を食べていたんだろ(@_@;)