Nicotto Town



とある修理工の奇妙な体験

「とある」なんて言ってますが、ぶっちゃけ私の祖父(母方)の話です。
私の祖父は電機関係の修理工場をやってました。
電機関係とは具体的には「モーター」修理です。

福岡南部のとある町、当時は家具とその材料となる木材加工が盛んだったようで、
その加工に使われるツールに大きいもの、小さいもの様々な大きさのモーターが
搭載されいました。

そのツールが壊れると、当然、作業が止まってしまいます。
メーカーに修理に出しても送付やら修理時間など結構手間と時間がかかり困ったことになります。

そういう事情で、近場に修理ができるところがあると、それなりに需要があったみたいです。

さて、この話は、福岡と熊本の県境にある大牟田市の三池炭鉱から、
モーターの修理依頼が来たところから始まリます。

それは、今のようにとても暑い夏の盛りでした。

連絡を受けた祖父は従業員1名とともに、現場に向かいます。
ですが、少し距離があるので夕方近くに到着しました。
一通り、壊れた機械をみてみますが、やはりモーターを外して調べてみる必要がありそうです。
でも、暗くなってきたので、作業は中断。明日早くから行う事になりました。

朝早くからの作業で、うちに帰るにはちょっと遠いしで、
関係者のある人が「泊めよう」という事になったそうです。

宿泊先の民家では、ご飯とお風呂をいただいて、それから朝早いからと少し早めに
二階の部屋に蚊帳を引いてもらい、その中に祖父と従業員の人が並んで寝ることになったそうです。

蚊帳というのは、布をテントのように張って蚊が入ってこれないようにしたものです。
テントは三角のイメージですが、蚊帳はキューブ状で四隅を部屋の柱にひっかけて吊るす構造ですね。

あれ、1匹でも蚊が入ると意味なくなるのですけどね。

さて、早めに寝ることにはなったものの、就寝するにはやはりちょっと早く、
祖父はしばらく眠れないでいたようです。
従業員の人は、祖父と違い、すやすや寝ているようです。

しばらくそうしていると、ちょっとトイレに行きたくなってきました。

と、その時、階下から誰かが「トントントントン」と階段を上ってくる音が聞こえました。

「何か用事でもあるのかな?」

そのとき、誰かがバサっと蚊帳をめくり入ってきた音がしたとたん、
胸が潰れるくらいギュウギュウに押され体も動けなくなったのです。

声を出そうにも出せません。

隣に従業員の人が寝ていても体はピクリとも動きません。

胸を押さえつけられているのに、何もいません。

祖父はその状態のまま、しばらくジタバタしていたようです。

それからどれだけ時が過ぎたか、長かったかもしれないし、
短かったかもしれません。

ふいに、胸を抑える圧力が消えたのです。

ようやく動けるようになった祖父は息を整えると、あたりを見回します。
でも蚊帳の中には、従業員の人が、普通に寝ているだけです。

気味が悪いと思いながら、そういえばトイレ行きたかった事を思い出し、
階下へに向かったのでした。

そしてトイレ・・の前に、ちょっと一服とトイレ横の一室に入ると、
タバコを吸いだしました。

「あれは何だったのだろう?」

考えますが、思いつくはずはありません。
そうしていると、「トントントントン」と、誰かが階段を下りてくる音が聞こえました。
そして、パタンと音がして、誰かがトイレに入ったようです。

「ありゃ、しまった先を越されたか」
と、祖父は待つことにしました。

タバコを1本、また一本。

待てども待てどもトイレから誰か出てくる様子がありません。

「さすがに大でも長すぎるな」と思い、

トイレの戸をトントンと叩きます。
ですが、何も応答がありません。
不信に思い、戸を開けてみると、鍵はかかっておらず、
中には・・誰も、誰もいませんでした。

ぞっとした祖父は、外に飛び出し、外で用を足すと、そのまま外で一夜を明かしました。

夜が明けて、民家の人が起きだしてきて、どうして外にいるのか祖父に尋ねました。
祖父は昨夜からの出来事を話し始めました。

するとその民家の人は、

「あぁ、それはすまない事をした。」

と謝ってきます。

どういうことか聞いてみると、
その民家の人も同様な経験があったそうです。

そして、その民家の2階には太い梁があって、
その梁は、墓地の横にあった木を切り倒したものであり、
さらに、その木は、以前首を吊って人が亡くなったいわくつきの木だったということです。

祖父は、その梁のちょうど真下に寝ていたそうです。


これで話はおしまいですけど、
この話で一番怖いのは、トイレで何者かが消えた理由がさっぱりわからない。
というところじゃないでしょうか?

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2018/08/17 15:59
真剣に読み進めました。
怖い。
そんな部屋で寝たくないです~~~。
お盆にピッタリな怖いお話ですね。
懐かしい蚊帳、みけさん経験ありますか?
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2018/08/15 20:45
おじいさま、さぞかし怖かったでしょうね(^^;)
怖い話は読んだり聞いたりするのは好きだけど、経験するのはちょっと。

暑い夏の夜、ひやりとするお話をありがとうございました(^^)
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2018/08/15 18:22
実際に自分に起こったら怖いんだろうなぁ…
いわくつきの木を家の柱にしちゃうとこもゾゾッと来ましたクポ|д゚)クポへ。。

あと、このブログにコメを書くときにネットに繋がらなかったことが怖かったです(;´・ω・) タイミング良すぎですクポー;
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2018/08/15 08:59
怖い話、好きです・・。
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2018/08/15 08:16
樹齢と言うのかー木の歳もかなり重ねて居て妖気?らしき物も蓄積されてたのかも知れない。
そして更に運が悪い事に・・・犠牲になった人も木もその祖父さんも大変だったなとーそしてお疲れ様。
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2018/08/15 00:14
こんばんは。みけさん。

いわくつきの木を使って・・・それは、建物をたてる時に何か一言
あったのか・・・そいういう時代でなかったか・・・それはさておき。

みけさんの怖いのツボがなぞですw




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