夏の公園 Ⅱ
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/08/14 01:05:02
今日も34℃
街中の公園の地面も
喉が渇いたと悲鳴を上げています
公園にはベンチが3台あります
なにやらその内の1台が騒いでいます
何で僕の所だけ
日陰にならないんだ
誰も座ってくれないんだ
真夏の日が強すぎて暑すぎてね
そうですベンチの表面は
お尻が燃えるくらいの熱さになっています
他のベンチは日陰にあって
みんな座ってくれている
なんで僕だけこんな目に
逢わなければいけないんだ
ここに座ってお昼を食べたり
休憩したり
僕はみんなのする
楽しいお話を聴きたいんだ
すると近くの大きなブナの木が言いました
でも冬場は暖かいって逆に人気があるよ
そうです冬の寒い日には
日なたで暖かいベンチは人気者です
でも昨日も昼間は誰も座ってくれない
寂しいな
僕にいい考えがある
ブナの木は言いました
来年まで待ってくれるかい
君の上まで枝を伸ばしてあげる
そうですあと2メートルくらい枝を伸ばすと
なんとか日がさえぎられます
でも
案外難しいんだよ
バランスよくやらないと
管理人さんに伸びた枝を切られちゃうからね
翌年の夏
ブナの枝のおかげで日陰が出来ました
おまけに管理人さんがペンキを塗り替えてくれたので
ピカピカときれいに光っています
昨日は親子ずれがここでお弁当を食べ
今日はご老人が涼みながら休憩をしていました
ブナの木さんありがとう
そう言ってベンチはご機嫌でした
座る人がいない時は
鳥さんたちも休憩に来るんですよ
そう言えば冬は日陰になってしまうのでは
座る人が減ってしまうのでは・・・
でも安心して下さい
ブナは冬には葉を落し
枝の隙間からはお日様が降り注ぎますから
毎日暑いし
ちょっと涼しいと思ったらゲリラ豪雨が・・・
でも
夏は好きですね^^
公園の仲間たち
そんな感覚です
人間もこんな感じで他の方と
接することが出来ればいいなって思います
ブナさんの寿命はかなりの長さ
10年が人間の1年なのかも???
夏場の暑いベンチさんにも
「君の良い処を知っているよ」と
伝えてくれます。
それでも、何とか工夫をしようと
努力してくれます。
2mも枝を伸ばすのは大変でしたでしょう。
ベンチさんは、沢山の人に座ってもらい
今度はブナの木さんに沢山のお話を
聞かせてあげられるのでしょうね