さよならを超えて
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/08/11 14:25:18
壊れないように壊れないように
持ってきたあなたとの思い出
なのになぜ ひびが入るの
なのになぜ 色あせるの
その訳が分からない
いつもいつも一緒だったね
沈みゆく太陽を見たり
ゆき降る窓辺に立ったり
飛んでいきたくなるような流れ星を見たり
二人で気づきあったわね
今は私
小さな箱を抱えて
あなたとのつながりを探って
どこに行けばいいのか
真っ暗闇に落とされている
もう続けられないのなら
すべてを葬ってしまいたい
なにもかもを火の中に放りなげて
忘れてしまいたい
でもそれさえできない
あなたを責めても仕方のないこと
あなたにはあなたの道がある
それに追いつけなかっただけ
本当はちゃんと言って欲しかった
もうさよならだよ って
残されたさよならが
空中でくるくるまわって
そっと地面に落ちる
誰にも気づかられずに
私だけが知っている
もうあなたを追うことを辞めるわ
思い出など捨てるわ
それがあなたからの旅立ち
それがあなたからのはなむけ
だから私は泣かないわ