自然に訴える論証?「LGBTには生産性がない」
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- 2018/07/27 14:20:43
杉田水脈は「LGBTには生産性がないから税金をかけて支援するべきでない」と考えているようです。具体的に何を止めてほしいのかがないので意味不明ではありますが、この考えを説明しようとすれば
「人は自然の摂理に従って男女で子供をつくって国を続けている。そして国の税金は子供の生産性のために使われるべきである。しかしLGBTには生産性がないから税金をかけて支援するべきではない。」
まあこんな感じになると思います。実際に自然の摂理がどうとか言っていたので杉田の意思とは反していないと思います。で、この前置きの部分で「男女で子供を作ってきた」として自然を根拠にしているのですが、こういうのは
「自然に訴える論証」
と呼ばれるごまかしになりやすいです。「~が自然である。だから~だ。」といったような論法です。そこに「国を残すために子孫を残さなければならない」という事実を足しているので正しいかどうかがわかりにくくなっています。国がどこまで面倒見れるのかっていうのが本来の問題なので、自然に子孫を残せないなら支援するべきでないと「断定」するべきでないと思います。杉田もそれを意識しているのか、「税金かけていいのかな?」というニュアンスになっていました。
やっぱりLGBT問題になると、LGBTの性質ゆえに自然に訴える論証が多くなりがちですね。反論として「自然界にも同性愛はある」と言ってしまえばこれも自然に訴える論証ですが「自然に訴える論証を押し通すなら、ではこちらも」という意味では成り立ちます。
自然に従っていればそれで良いのかというとそうでもなくて、自然に訴える論証を使えば極めて危険な主張もできます。
ライオンのオスは家族のいるオスライオンを襲って戦いに勝つと前の父親のこどもにあたるライオンを殺して、残ったメスのライオンと新しい家族を作ります。(ライオンの子殺し)
まあ力づくで男性を襲って女性と結婚する人はいないとは思うのですが、こどもを産んだ母親が離婚して別の男性と結婚することになったとしましょう。これがきっかけで虐待になるケースはあると思います。許しがたいことではありますが、自然界のライオンをあてはめて自然に訴える論証で正しいとするならば、国は虐待どころか子殺しを推進しなければならなくなってしまいます。
このように自然に訴える論証というのは、自分の主張を通すために都合のいい自然を利用するものであって、都合の悪い自然というのは無視されてしまうのです。
あなたが言いたいことは何となく理解できたかも・・・
なんちゃって(*ノノ)キャ