本棚。116
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/06/24 19:10:26
「狐笛のかなた」
著者:上橋菜穂子
小夜はある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助け、森陰屋敷に駆け込み少年の小春丸に出会った。子狐は実は霊狐・野火と呼ばれるものだった。隣国とのいさかいの中を小春丸を守ろうと小夜と野火が駆ける。
ーー若桜野をかえせばいいのよ。
ーー怨みのもとが、、まだ見えているうちに。このまま、殺し、殺されていたら、いつか、なにをしても消せない憎しみが凝り固まっていくだけだわ。
(責められるべきは、呪われて、身を切られるような哀しみを味わいつづけたわしではなく、のろっている盛惟ではないのか!)
「わかるか。・・・それだけのことをやった男に褒美をくれてやれというのか。やったことの報いを受けさせるかわりに、あの男が願い続けてきたことを、叶えてやれと?わしのもとに、やつほどの呪者がおらぬというだけで、それほどの屈辱に耐えよと、そなたはいうか。」
まるでカインとアベル。呪い呪われる元をなくすことができるのは、ルフィぐらいのものではないでしょうか。
紹介してくれて、ありがとうございました^^*
野火と小夜の信頼と愛が温かい感じの本でした。
読んでくださったのですね!
独特の世界観の中に、切なくも優しく、
ぽわぁっと、何だか温かいものが広がる本でした。