friend-名も無き物語-第22章 その④
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/03/21 17:56:04
friend-名も無き物語-第22章 その④
「そうだよ?」
とワラビはカゲロウに向かって
不思議そうにそう言った。
「でも、母さんはクチートだろ?」
とカゲロウはワラビに向かって
そう聞いてきた。
「えっ・・・・・・。」
とワラビはカゲロウに向かって
驚いた様子でそう言った。
「ほら、♂は別種族でも卵グループが同じなら
卵産めるけど、産まれるのは♀の種族だから
ワラビの母さんもクチートなんだろ?」
とカゲロウはワラビに向かって
そう聞いてきた。
「う・・・うん。もちろんそうだけど・・・。」
とワラビはカゲロウに向かって
驚いた様子でそう言った。
「母さんも、シルバルトさんみたくいろいろ
旅をしていたりするのか?」
とカゲロウはワラビに向かって
そう聞いてきた。
「・・・・・・・・・。」
ワラビはカゲロウを見つめ
しばらくの間、黙っていた。
「ワラビちゃんのお母さんかぁ・・・私会って
みたいかも。ねえねえ、どこにいるのか
わからないの?」
とミスティアはワラビに向かって
笑顔でそう聞いてきた。
「・・・・・・ママは・・・・・・。」
とワラビはミスティアに向かって
少し悲しげで寂しげな顔でそう言うと、
「・・・・・・ママは・・・・・・。」
とワラビは両手をギュッと握りしめると
俯きながら悲しげにそう言うと続けて、
「・・・もう・・・・・・いないの・・・・・・。」
とワラビは両手をギュッと握りしめたまま
俯きながら悲しげにそう言った。
「えっ・・・・・・。」
とミスティアはしまったと言いたげな顔で
ワラビに向かってそう言った。
「ママは・・・・・・もういないの・・・・・・。」
とワラビは両手をギュッと握りしめたまま
俯きながら悲しげにそう言うと続けて、
「死んだの・・・・・・。」
とワラビは両手をギュッと握りしめ、
俯いたまま悲しげにそう呟くように言った。
「・・・・・・ッ!」
僕はワラビの過去を知り、
言葉を失う。
「えっ・・・えっ・・・・・・?そ、そんな・・・・・・。」
とミスティアは唐突すぎる
ワラビの告白に慌てる。
「ど、そうして・・・・・・。」
とカゲロウはワラビに向かって
動揺を隠せない様子でそう訪ねた。
「・・・・・・これは随分前にパパから聞いた話に
なるけど・・・・・・。」
とワラビは両手をギュッと握りしめ、
俯いたまま悲しげにそう呟くように
話し始めた。
「わたしが・・・・・・まだ2歳の時・・・・・・つまり今から
10年前の話よ・・・・・・。」
とワラビは両手をギュッと握りしめ、
俯いたまま悲しげに話し続ける。
「この大陸の北西部にあるといわれる
アイシクルイリュージョン・・・・・・その地は
常にひどい吹雪が起きているという・・・・・・。
わたしは小さい頃、この大陸でかつて起こった
大きな戦争についての話をきかされた。まだ
その時はよく理解できなかったけど・・・・・・。
その戦争の残党とその子孫がアイシクルイリュージョンに
潜伏していて、戦争再開を狙っていたとの情報がパパ達の
もとに届いたの。
パパとママは平和を愛する優しくて優秀な
探検家であり・・・・・・その潜伏していた残党とは
敵の関係にあったの。
このままでは都市部に住む無関係のポケモン達も
巻き込まれると判断した探検隊連盟は、優秀な探検家達に
残党の処分を命じた。
もちろんパパとママも行ってしまった・・・・・・。
わたしはその時にフェティールさんに預けられ、
パパ達が帰ってくるのを待つことになったの・・・。」
【ワラビの回想】
「・・・・・・では、フェティールさん。娘を・・・・・・
ワラビのことを頼みます。」
とシルバルトは、親方のフェティールにスヤスヤと
眠っているまだ幼いワラビを預けるとそう言った。
「シルバルト君・・・・・・何であなたまで・・・・・・。」
と親方のフェティールはシルバルトに向かって
悲しそうな顔でそう言った。
「フェティールさん・・・・・・私達は探検隊連盟の
命令があったから動くのではないのです。」
とシルバルトはそう言いながら親方のフェティールに
背を向けると続けて、
「ワラビのため・・・・・・いや、これからこの大陸を
担っていく未来の子供たちのために過去の過ちと
決別をしに私達の本意で戦地に赴くのです。」
とシルバルトは、親方のフェティールに
背を向けたままそう言いきると続けて、
「ここで奴らの根を絶やなければ、いずれこの
大陸はかつてのように木々は枯れ果て、大地は
血に染まるでしょう。」
とシルバルトは親方のフェティールに
背を向けたままそう言いきると更に続けて、
「被害を最小限に抑えるには、今私達が動くのが
最善なんです。」
とシルバルトは親方のフェティールに
背を向けたままそう言いきった後、続けて、
「・・・・・・私だって好き好んで殺しなんてしたく
ない。例えそれが敵であっても・・・だ。」
とシルバルトは親方のフェティールに
背を向けたままそう言いきった後、更に続けて、
「しかし奴らは全く聞く耳を持たない。まるで
怒りか何かに憑りつかれた様に、ただ殺意を
剥き出しに無関係者に手をかけていく・・・・・・。」
とシルバルトは親方のフェティールに
背を向けたままそう言いきった後、
両手をギュッと固く握りしめると続けて、
「・・・・・・私達が手を汚すのも、これが最後だ。
未来のために、平和のために、私達は行かねば
ならないんだ。」
とシルバルトは親方のフェティールに
背を向けてそう言いきった後、
両手をギュッと固く握りしめたまま続けて、
「・・・・・・ワラビのこと、頼みましたよ・・・・・・。」
とシルバルトは親方のフェティールに
背を向けてそう言いきった後、
ギルドを飛び出すように出て行った。
「シルバルト君・・・・・・かわいそうに・・・・・・。」
と親方のフェティールはギルドを飛び出すように
出て行ったシルバルトの何処か寂しげな
背中を見送りながらそう言ってスヤスヤと眠っている
まだ幼いワラビを両翼でソッと抱きしめる。
「本当は貴方だって・・・・・・そしてクロミリルさん
だってこの子と幸せに暮らしたいはずなのに・・・。」
と親方のフェティールは何処か悲しげな顔で
両翼の中でスヤスヤと眠っているまだ幼いワラビを
見ながら呟くようにそう言った。
「こんなのって・・・・・・。」
と親方のフェティールは今にも泣きそうな顔で
両翼の中でスヤスヤと眠っているまだ幼いワラビを
優しく両翼で包み込むと呟くようにそう言った。
「・・・・・・守って見せるわ。あなたを。あの
2匹が帰ってくるまで、絶対に・・・・・・。」
と親方のフェティールは今にも泣きそうな顔で
両翼の中でスヤスヤと眠っているまだ幼いワラビを
優しく両翼で包み込んだままそう誰かに
誓うように言ったのだった・・・。
friend-名も無き物語-第23章その①に続く