<最終回>弟の夫 感想文
- カテゴリ:テレビ
- 2018/03/20 16:29:45
弟の夫 第3回(最終回)
NHK-BSプレミアム 日曜夜10時~
▼仲間
最終回の今回も、4つほどのエピソードが描かれました。
まず最初は、前回の終盤で登場した涼二の親友だった加藤のお話でした。
私はもうちょっと加藤のことを知りたかったので、弥一と話すシーンが見たいと書きましたが、
加藤が呼び出したのはマイクの方。実は加藤もゲイだったのです。
涼二とは高校時代からカミングアウトした仲でしたが、加藤は今も、
周囲に自分がゲイであることはカミングアウトしていませんでした。
恐らくこうやって周囲に自分の性向を言えずに暮らしている人は、世界中にたくさんいるでしょう。
宗教的には問題ないにも関わらず、差別されてしまいがちな日本という国は、
やはり社会が閉鎖的ということなのでしょうかね。島国根性というやつなのでしょうか。
▼相愛
2つ目のエピソードは、マイクが夏菜の学校に忘れ物の笛を届けに行くというエピソードでした。
マイクが学校に夏菜を訪ねてきたところを、担任の横山先生に見咎められてしまいます。
横山は夏菜がクラスメイトたちにマイクの話をしているのを聞いて、マイクのことを知っていたんですね。
後日弥一は呼び出しを食らい、ああいう人物の話をクラスメイトにするのは
まだ早いので控えた方がいいと横山に言われます。
しかし弥一は、マイクは自分たちの親戚なので、止める理由はないと言い返します。
そしてもしそれが原因で夏菜がいじめられることがあったとしたら、
その時はいじめた方に注意してほしいと頼むのです。
マイクを近所の人に「弟の友人」と紹介していた初回の頃とは、ずいぶん変わりましたよね。
その後夏菜は「愛し合う」ということがどういうことかを知るため、
親友のユキちゃんにロミオとジュリエットの本を借ります。
その後弥一は公園で号泣する夏菜を見かけ、慌てて駆けつけますが、
何とロミオとジュリエットを読んで、悲しくなって泣いていたのだそうですw
夏菜は本当に素直で可愛くてとてもいい娘ですね。
▼墓参
3つ目のエピソードは、弥一が夏菜とマイクを連れて、両親の墓参りに行く話でした。
弥一は涼二の死と、マイクのことを墓前で両親に報告します。
帰宅してから弥一は、マイクに涼二の写真を見せてもらいました。
マイクは持っていたタブレットで写真を見せるのですが、マイクが持つとタブレットがちっさいwww
スマホにしてはデカいなと思って見ていたのですが、あれはタブレットですよね…?w
涼二とマイクが仲良く写っている写真、結婚式の時、マイクの両親や姉妹に
祝福されている写真などを見ていると、弥一はもう一度涼二に会って、ちゃんと話したい、
どうして生きているうちに話さなかったのかと、寂しさと後悔の念で胸がいっぱいになり、
1人になってから号泣してしまいます。
唯一の救いは、カナダでの涼二の姿がとても幸せそうだったことでしょうか。
▼帰国
3週間に渡って折口家に滞在していたマイクが帰国する時がやってきました。
マイクが大好きになっていた夏菜は、とても悲しがります。
そんな夏菜にマイクは、「シーユーアゲイン」という言葉を教えました。
マイクが帰国する日、夏菜は学校があったので、家を出る時、思いっきり笑顔を作って、
「シーユーアゲイン」と言い、家を出てから泣きました。
ほんとに可愛くていい子だなぁ…。
弥一は駅まで送ろうとしますが、マイクは人前で泣きたくないと言って、1人で出て行きました。
マイクが帰った後、夏菜は温泉旅行をした時にクレーンゲームでとった巨大なクマの縫いぐるみに、
マイクと名づけて一緒に寝ることにしましたw うん、ほぼマイクだw
1年後、今度は両親と姉妹を連れて、マイクが折口家を訪ねてくるところでドラマは終わりました。
▼総括
3回しかなくて、あっという間に終わってしまいましたが、恐らく初回と最終回を見比べると、
弥一の考え方や態度がかなり変わっていると思います。
マイクという異分子がいるいつもとちょっと違った生活を淡々と描きながらも、
その異分子が家族になっていく心の変化を綴った、心温まる優しくて穏やかなドラマでした。
LGBT物でありながら性描写はまったくなく、ホームドラマと言っていいと思いますが、
LGBTの人々が置かれている状況、主張などはたっぷりと含まれていて、
その点では社会派のLGBT物の王道とも言えるでしょう。
意外な展開や起伏に富んだストーリーではないですが、見ると優しい、そしてちょっと悲しい
気持ちになれる、良作だったと思います。