Nicotto Town


連続冒険小説 霊験導師わむたん


巨神ガンマーワン(10)

ブシューーー

クジラが青空を突き抜けるような噴水を空に噴き上げた。

真鈴は小学校6年生の弟の七海健ことケン坊を連れて海洋博覧会シーコムに来ていた。

シーコムの会場は海の一角を囲ってクジラを放してあった。

「うわー!おおきいなー!」

ケン坊は歓声を上げている。

周りには、ソフトクリームをなめなめの家族連れでいっぱいだ。

「おねえちゃん。あれ、食べたい。」

「こっちへおいで。」

ケン坊の手を引いて、ソフトクリーム屋に向かった。

「どれがいいの?」

「あれがいい!」

ケン坊の指した先には、本日のメイン商品・ジャンボソフトクリームがあった。

「あんな大きいの食べれるの?」

こくりとうなずくケン坊。

巨大なソフトクリームを受け取り噛り付こうとした瞬間、地面がぐらぐら揺れ出した。

「あ、あ~ん。」

ケン坊は悲鳴を上げている。

真鈴が海の方を見ると、クジラの近くに巨大な影が海の底から浮き上がって来た。

海の底に引き込むような真っ黒い物体である。





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