投稿和歌のまとめ46~50
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/02/03 00:48:45
コメントで上げさせて戴いた短歌をマトメたものです。
46.灯りもて 凍れる空の 星くずよ 我も負けじと 輝きたれば
(寒空にひっそりと瞬く小さな星よ、そんな灯りでも
私の魂を癒してくれる そんな君が必要なんだ
諦めないで生きていてほしい
俺もつらいけど、君に届くように精一杯がんばるよ)
希望の灯と言う話を昔聞いたことがある。人生のどん底に落ちた人は
まるで闇夜の嵐にもまれた小舟の様だと言う。そんな小舟にとっては
浜辺に灯る小さな焚火であったとしても、足掻いて丘に戻ろうとする
小舟にとっては、おおきな道しるべ(灯台)となろう。ある男は心に
ランタンを持ち、灯りをともす油(言の葉)をため込んでいると言う。
灯りをともし、溺れる人を導くためなのだと、優しく語っていた。
もとの詩も、このような事を言いたかったのだと思う。
47.ゆさぶられ 唸りをあげて 寄せて来る 波の音にぞ 砕けて散りぬ
(魂を揺さぶって来る、不安と恐れ、津波のように逃れるすべもなく
私を飲みつくす。私の心は、荒磯に打ち付ける大波のごとく砕け散った)
これは、それとなくイメージいただけると思いますが、件の震災ですね。
あの時うけた心の傷は癒えようもないと、少なからずお察し申し上げます。
これとは別に、同じように心の傷をお持ちの方も居られるでしょう。
少なからず、私も経験があります。その時の様子を交えて詠んだものです。
48.かけだして つのる思いに 君の来る おりるかいだん 耳をすませば
(教室を出て階段を駆け下りる私、振り向きもしないが後を追いかかて来る
貴方(彼)の足音を探している。聞いて欲しいの、私の気持ち)
元の詩は、3年間気にしていたあの人に、とうとう思いを伝えられずに
卒業式を迎えた。彼は他の娘と話していて好機を失ってしまった。
絶望して、階段を下りながら後を追ってくるリズミカルな足音を気に掛ける。
立ち止まって、音が通り過ぎると期待は裏切られた。校門のところでもう一度
足を止めたけど、それっきり卒業を受け入れざるを得なかった。
こんな感じのお話だったと思う。
49.降りつもる 夢の欠片を 数えみて とおく汽笛の こころ切なく
(夢のように過ぎて行ったあの時の思い出の欠片が降り注ぐのを数え見た
貴方を載せて遠く去って行く汽笛の音が、むせび泣くようで切ない)
元詩は彼との別れの場面を、雪の中に求めている比喩だったのかもしれない。
降雪は、凍える心を表わし、雪のひとかけらは思い出の悲しさを表している。
つもる雪が二人の思い出の数々で、去って行く汽笛の音はさよならと言い
それはむせび泣く私(彼女)の心模様でもあり、とても切ない。
50.しんしんと 音の凍(こご)ゆる 切なさは 春はいずこと 声にもきこゆ
(音も凍えしまったのだろうか 降り続く雪は 私の心のように切ない
耳には聞こえないけど、春が恋しいと囁いているのは心に聞こえるよ)
元詩は、ありません。あんまり寒いし。雪も降ったんで、即興で読みました。
元詩に関しては、作者様の了解を得ていませんので、私のフィルターかけて
言葉を置き換えて載せております。
作者様ごめんなさい、そして本当にありがとう。
観音さんでもよかったのですが、お地蔵さんは路傍にもおられますし、民衆
の中に溶け込んでいるように思ったからです。ところで、自由と空想について
「貧相」だなどという表現はしないでください。どんな自由でも空想でも
貧相なものは一つもありません。自分の発想に愛着を持って育てていきましょう。