大切な何か(7)
- カテゴリ:自作小説
- 2017/12/03 22:15:27
いずれ一人身
どうせ死ぬときは一人って言うよね。
前から思っていたことだが、死んじまう事がまじかに迫った時。
見るも無残な醜態で、日々悶絶するに違いないと思う、もちろん私のことね。
そんな姿は、かみさんを始め家族には、出来るだけさらしたくないと思っていた。
本当はすがりついて、泣きついて助けてほしいのだが、あえて思った。
私は家族が大好きだから、そんな大切な家族に、怖かったり、嫌だったり、億劫だったり。
もろもろのいやな思い、辛い思いをさせたくないと思ったのだ。
もちろんそんな事は、我一人でなせる業ではない。
しかし、それは願えば叶うものだと、日ごろから真剣に心に抱いた。
望みを捨てずに、これからの人生を歩めば、きっとその時が来たら、助けてくださるに違いないと思う。
いや、そう思いたいし、そうなのだと疑いもせずに暮らすことにする。
駄目だったらどうしようかと、そんなくだらない、もしものことなんか考えなくて良いのだ。
叶おうが叶うまいが、そん時はどっちだって流れは変わらない、ずっと永遠に続くわけじゃないしな。
だから今は、時々その悩みを思い出したときは、きっとお助けくださると。
そう、一人ぼっちでも、それに耐えて神様の身もとへ帰れると、それがたとへ星空の光の世界であっても……
わたしの大切な家族が、いつまでも幸せでありますように。
<了>