Nicotto Town


連続冒険小説 霊験導師わむたん


愛しの彼女は薔薇星人(1)

空から眩しい太陽の光が無数の糸を引くように降りそそいで見える。

光の渦に映し出された草花が輝く草原の中に色を添えている。

ここは長野県にある美ヶ原(うつくしがはら)。

美ヶ原は、八ヶ岳中信高原国定公園北西部にあり、長野県松本市、上田市、小県郡長和町にまたがる高原で日本百名山のひとつである。

「社長、美ヶ原高原美術館の野外彫刻って参考になるんですか?」

「ほら、あそこの首の長いの、あれネッシーに似てるだろう?あんな感じで作るんだよ。」

「えっ・・・。」

あれは・・・ネッシーじゃない。

造形部の安田剛裕(やすだたけひろ)はそう思った。

「ははは・・・。冗談だって。兎に角、美しいものを見て心を磨くんだ。」

星造形産業の社長の星 晃(ほし あきら)は、模型の原型作成会社をやっていた。

模型やフィギュアの原型を作って商品を量産する会社だ。

「社長。ここは空気が良いですね。」

「そうだな。きれいな空気で夜は星がたくさん見えるんだ。」

「そうなんですか。」

「あれ?」

晃が不思議そうな顔をしている。

「なんだろう?」

晃はつかつかと歩み寄ると、そこに見た事もない花が咲いていた。

薔薇(ばら)に似ているのだがとても大きい花が咲いている。

晃はそっと花をなでてみた。

キュキュキュン♪

晃には声を出して動いたように見えた。

「これ、こっそり持って帰ろう。」

「社長!駄目ですって!植物を持って帰ったら怒られますよ。」

「だってな。この花が連れて行ってって言ってるんだよ。」

晃はこっそり根を傷めないように周りの土ごと掘ると、リュックサックから袋を出し中に入れた。

ルンルンルン♪

薔薇が歌っているように聞こえた。



(お願い:他にも公開していない小説をたくさん書いていまして順次パブーなどでペンネーム☆千葉広明☆名義で電子書籍化販売予定なので、くれぐれもコピーはしないで下さい。作品の模倣、一部の複写等の行為はご容赦下さい。模倣、一部の複写などが確認された場合、図らずしも法的対象になりますのでご注意下さい。☆この作品の著作権は千葉広明プロダクションに帰属します。)

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2021/09/19 22:06
こんばんは。おもしろそうなので楽しみに読ませていただきます!(^^)!



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