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旧友との過去話2(伝言板)
カテゴリ:
伝言板
2017/10/27 00:08:58
ここは私と梅さん専用の語り場part2です
他の人は閲覧不可、書き込み不可。
発覚した場合には・・・・どうなるか分かりませんよ?
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/25 23:59
リシア(琥珀、母親の瑠璃)
瑠璃「待って、エル君。今の琥虎さんは機嫌が悪いから会わない方がいいわ・・・・もし、貴方に何かあったら」
彼の一言に思わず瑠璃は顔をあげて上記を述べた。
そもそも機嫌が悪い原因は自分なので、間違いないと言い切れる。
対する琥珀は瑠璃を手で制しながら、見えない目を向けて声をかける
「・・・・怪我を、するなよ」
彼を信じているからこそ、たった一言そう言った
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梅
2017/11/25 23:50
Erbaccia
あァ判る…彼女は今、多少なりとも喜色と安堵を抱いている。
同時に後悔した。
『もっと早くこうしていれば』と、善人面した自分が嘆いていているのだ。
「 俺は…琥虎様に、話付けてきます。 」
この2人の邪魔をしない様に、そっと部屋から出ようと背を向けた。
そろそろ潮時だ…『用心棒ごっこ』もいつまで続けられるだろうか。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/24 02:38
リシア(琥珀と母親の瑠璃)
「母、さん・・・・?」
エルの言葉と添えられた手に安心し、一緒に部屋へ入ってきた人物に驚いた。
一方、瑠璃は琥珀の痛々しい姿を見て息を飲んだ。
震える手を彼女に伸ばし、頬へ触れる
瑠璃「琥珀、母さんが来たわよ」
「何で・・・・だって、家のしきたりが」
瑠璃「そんなのはもう、どうでもいいの・・・・ごめんね、今まで母親として何もしてあげられなくて。まだ私の事を母と呼んでくれて、嬉しいわ」
堪らず、瑠璃は琥珀を引き寄せると強く抱き締めた。
琥珀は見えない目を見開き、戸惑いつつも包帯だらけの腕を母親の背中に回して
「私にとって、母さんは母さん・・・・だから」
瑠璃「琥珀・・・・っ!」
涙を流す瑠璃と、ただひたすら甘えるように瑠璃の肩口に顔を埋めて目を閉じている琥珀。
親子がこうして再開したのは、実に数年ぶりの事だった
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梅
2017/11/24 00:29
Erbaccia
「 …お嬢、俺だ。入るぞ。 」
両目も見えないのに得物を手にしている辺り、どうやら先程よりかは元気そうだ。
彼女の側に歩み寄って屈むと『大丈夫だ』と言わんばかりに彼女の手の中にある得物に手を添える。
「 お袋さん、見舞いに来てくれたぜ。 」
普段と比べればずっと柔らかな、優しげな口調で上記を告げて。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/22 12:25
リシア(琥珀、母親の瑠璃)
「も、勿論よ・・・・何か不安になってきたけれど」
薙刀をキャッチして再び担ぎながら、しどろもどろと答える。
とても先程大男を吹っ飛ばした人物とは思えない。
一方、そんな事になっているとは分からない琥珀。
ぶつかり合う金属音に警戒し、身を起こしながら耳を、神経を研ぎ澄ます
「片方はエルの足音だがもう片方は・・・・」
何処かで聞いた事のあるような、懐かしい感じがする。
二つの足音は自分の部屋の前で止まり、念の為に枕元へ置いてもらった長ドスを手にする
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梅
2017/11/22 09:08
Erbaccia
「 …あァあ、ド派手にやってくれるなァ。 」
金属器同士がぶつかり合う音、水飛沫の音、実に賑やかで、華やかで…相手らしい戦い方だ。
其処に自分の戦法をすんなりと取り入れられた相手は流石と言えよう。
軽く口笛を吹き、相手を賞賛する自分はというと…職業病だろう。
白目を剥かせた相手を軒下に押し込んでいる最中であった。
作業を終えるのと彼女の母親の方の決着がついたのは同時だったのかもしれない。
手を叩いて立ち上がれは下記を述べながら彼女の部屋の扉に手を掛けた。
「 さァ、お姫様と漸く御対面です。
覚悟は……もう決められてましたね。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/21 21:57
リシア(母親の瑠璃)
「退かなかった貴方が悪いのよ?」
太刀を手にしてかかってくるのは自分よりも遥かに巨大な大男。
何度か切り結び、体力的に有利と判断したのか鍔迫り合いに持ち込んできた。
勝ったと言わんばかりの相手へニヤリと笑って
「かかったわね」
先程戦った彼がしたように、刃先から鍔へと薙刀の刃へ滑らせ、鍔から懐に入った瞬間。
容赦なく相手の手首を鋭く峰打ちし、、刀を縁側から庭にある池付近まで吹っ飛ばした。
「ふぅ・・・・喧嘩って言うのは、常に学ぶものよ」
クルリと回転させた薙刀を担いで先をいこうとすると、最後の抵抗なのか幹部が殴りかかってきた。
薙刀を空中に放り出して片手で相手の拳を容易く受け流し、その勢いを殺すことなく鳩尾へと自身の拳をめり込ませる。
相手は痛みに声をあげる前に気を失った。
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梅
2017/11/21 20:38
Erbaccia
「 …主命とあらば。 」
とっ、と床を踏んだのを最後に音を忍ばせ、相手の懐へ飛び込んだ。
自分の横に並び構えた彼女の母親は恐らくもう片方の幹部とやり合うつもりなのだろう。
手出しする気は無い。
迎え撃つ様に繰り出される猛攻を避けてはその得物に片手で触れ、また避けては触れる。
余りに距離を縮めてしまえば相手も武器は不要と判断したか、大男も昏倒するような勢いの良い蹴りを突き出してきた。
其処にまたすれ違う様に手を添えながら、するりと背後に回って空いている片手で相手の顔面を覆う。
今まで衝撃に触れていた掌はゆっくりと相手の腹部へ。
例えるならば…撓る鞭、絡みつく蔦。
そして獲物を捕らえた蛇の様な眼光を向けて、肩口から覗く己の頭はモゴモゴと呻く相手の耳元でぬるい囁きを落とした。
「 しィ〜、ほら、静かに…りらァ〜くす。
…お嬢に、聞こえちまうだろ? 」
『恐怖』に震える人間は言葉を無くすか、悲鳴をあげるかのどちらかだ。
相手はどうやら、前者だったらしい。
スッと顔面の手を退けると同時に腹部に込めた【拒絶】を意識化する。
散々集結させてくれた衝撃は一度に相手の腹部へ。
そのまま白目を剥いた相手はずるりと静かに崩れ落ちていった。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/21 18:26
リシア(母親の瑠璃)
彼の後に続いて縁側を行くと、二人の前に複数の男達が立ち塞がった。
琥虎さんの差し金だろうか、武装している幹部達だ。
「何の真似ですか、貴方達。邪魔ですから退きなさい」
幹部「瑠璃の姐さん、すいやせん。此処を通すわけにはいかんのですよ」
その一言に、瑠璃の表情から笑みが完全に消えた
「・・・・素直に引けば痛い目は見なくて済んだというのに」
前にいる彼の隣に並ぶと、片手に携えていた薙刀を構えてから声をかける
「用心棒、命令します。邪魔物は殲滅しなさい」
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梅
2017/11/21 09:41
Erbaccia
『そうこなくては。』
にやりと、彼女の母親や父親に向けることの無い悪人面が思わず浮かぶ。
やはりこの意志の強いところを、彼女は似たのであろう。
「 仰せのままに。 」
礼儀正しく応えたが、自分がやる事と言えば安全に相手を彼女の元へ連れて行く事だけだ。
聞こえたか?とばかりに騒ぎを聞きつけて集まった辺りの組員達に目を配る。
これより邪魔立てする輩が現れれば『用心棒』の権威を存分に振るおうではないか。
歩み出した足取りは堂々たるもので、縁側から彼女の部屋へと向かっていく。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/20 23:11
リシア(母親の瑠璃)
彼の言葉を聞いて、様々な考えが頭を過る。
今さら会いに行くなんて薄情だと思われるだろう。
彼に全部任せてしまった方が、自分が出ていかない方があの娘にとって幸せなのではないだろうか?
「・・・・今まで、沢山約束を守ってきたんだもの。これぐらいの我が儘を言って罰なんて当たってたまるもんですか」
最早、完全に覚悟を決めた。
顔をあげて真っ直ぐ彼をみると、目を逸らすことなく
「私の娘の所まで連れていってちょうだい・・・・組長の妻として、夫である組長の用心棒である貴方に命令します!」
上記をハッキリと言い切った。
自分に娘の情報を与えた彼が万が一咎められることがないように、他の場所にいるであろう組員達に聞こえるよう、良く通った大きな声で。
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梅
2017/11/20 22:55
Erbaccia
彼女、紅に続いて今日は随分と人の泣き顔を見ている気がする。
よく歌に聴く…涙は本当に人を強くしてくれるのだろうか。
否、己が見てきた涙はそんなものでは無い。
「 では問います瑠璃様。
貴女はご子息に会いになられるのですか。
其れとも、俺に全て任せるのですか? 」
決意が固まったのかそうでないのか、仕方無しの逃げ道まで作って問うてみる。
家に縛られる人間は、彼女を含めて『勿体無い』と思う他はない。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/20 22:21
リシア(母親の瑠璃)
「私だって、会えるものなら会いたいわ!・・・・一人前になるまで母と子は極力会わせる事を禁ずるという鳴神家のしきたりがあって会えないの。・・・・いいえ、あの娘が酷い目に合っているならもうそんな事に構っている余裕は!でも、亡き恩人であるお義母様との約束を破るわけにも・・・・!」
彼の言う通り、普段の自分ならそんなしきたり等構わず力を奮って娘に会いに行くだろう・・・・あの約束さえなければ。
琥虎さんにも会うなと言われているのは確か。教育には一切口を出すなと言われ従ったのも自分なのだ。
「会いたいのに・・・・あの娘に会わせる顔がないわ。今思えば何故琥虎さんを信じたきりで自分では動かなかったのか・・・・娘の幸せをただ祈っていただけなんて、母親失格よ」
無知で愚かな自分に怒りやら何やらが湧いてきて、ボロボロと涙が溢れてくる。
ただ一言ポツリと口から漏れたのは
「琥珀をもう、一人にしたくない」
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梅
2017/11/20 22:05
Erbaccia
相手は訳が判らない、といった顔をしているが…実際判らないのは此方の方だ。
何故娘の無事を把握していないのか。
若しくは自ら出向ける立場が無いのか。
ともかく、此処で『何かありました』と簡単に口にするのは非常に危険である。
何が『危険』か、と問われれば当然、
父親が彼女の母親に嘘を吐いているとして…何も知らなかったとは言え俺が母親に本当の事を言っては『父親の立場がまずい』という事だ。
「 自分の目で、確かめられては如何でしょうか。
俺は貴女がご子息に会えぬ理由は知りませんし、
もし琥虎様に『会うな』と言われているのであれば、
普段は大胆な貴女が『此れだけ』大人しく聞いている行為が理解出来ません。
どうか、彼女の為に…会いに行かれて下さい。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/20 18:44
リシア(母親の瑠璃)
「それはどういうこと?琥珀に何かあったの?!」
酷く心が傷ついている、と聞いた瞬間。
思わず彼の肩を強く掴んで上記を問い詰めた。
「最近の様子を聞いた時、琥虎さんは「元気で相変わらず生意気だ」と言っていたわ。・・・・本当は、どうなの?お願いエル君・・・・教えてちょうだい」
上記を最後まで言う頃には、力なく頭を垂れながら懇願するように弱々しく呟いた。
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梅
2017/11/20 13:02
Erbaccia
「 そうですね…あの方に聞けば俺は必ずその意見に納得してしまうでしょう。 」
彼女の父親は自分が一番腑に落ちてしまう言葉を掛けてくれる…それが良くも悪くも、だ。
故意的なもので無くとも、本当に彼は狡い。
だから彼には聞けない。
「 ですが、彼女に聞いても良いのでしょうか。
彼女は今…酷く心が傷付いていると、思いますので。 」
相手の笑顔にどう応えるべきか、表情筋が混乱して複雑な表情になってしまう。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/19 20:30
リシア(母親の瑠璃)
「参考になって良かったわ・・・・あ、そういえば」
もっと頭を撫でたかったな、と思いつつ余計なお世話かもしれないが一応言っておいてみようか
「いっそ琥珀ちゃんにも聞いてごらんなさいな。私とはまた違った意見が聞けるかもしれないわよ?琥虎さんは参考になら無いわね、あの人ってば堅物だから・・・・」
若いって良いわよねぇ~と思いながら、ニコニコと笑って上記を述べる
違反申告
梅
2017/11/19 18:15
Erbaccia
「 『忠誠』…ですか。 」
だとすると彼女に抱いている『此れ』も『忠誠』に等しい。
『愛』に属する『肉欲』には値しない…ただ、手元に居てほしい。
護りたい…棄てないでほしい。
彼女の父親に抱いている想いは…『羨望』か。
彼女を所有出来ているその身分が、羨ましくて堪らない。
ならば母親の方も同じだ。
納得がいった様に真っ直ぐ相手を見た。
「 『俺自身』は……あァ、いえ。
その意見、参考にさせて頂きます。 」
口籠った後、すっと相手の掌から横へと逃れて小さく頭を下げた。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/18 23:22
リシア(母親の瑠璃)
「んー・・・・それは『愛』っていうより、『忠誠』だと思うわよ。『愛』なんかじゃなくて『義理』とか『意地』に『羨羨』なんかによるものね」
こうして誰かの頭を撫でるのはいつ以来だろう。
もう何年も琥珀の頭を撫でていないと思いながら、瞼を伏せた彼を拒否されないならと撫で続ける
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梅
2017/11/18 21:08
Erbaccia
どの文献を読んでも、この身で体験しなければ判らない。
『愛』は『sexuality』同様に広い意味を持ち、時に矛盾する。
「 では、俺が、若しくはここの組員達が『琥虎様を命を懸けて守りたい』というのも…『愛』故と思われますか? 」
前述を躱しながら、首を傾けて問う。
親にも撫でられた事のない…その掌は余りにも『あたたかく』、瞼を伏せながらに彼女がとても羨ましく思えた。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/18 18:56
リシア(母親の瑠璃)
「あらあら、エル君ってば・・・・好きな子でもいるのかしら?」
心なしか顔の赤い彼を見て、意外だと思ってしまう。
相手は誰なのかという詮索より、まずは彼の質問に応えるのが優先。
「愛してるって言うのは好きって言う感情のもう一つ上、といったところね。その人の為なら何でも出来る、命を懸けても守りたいと相手に思う事があるならそれはもう立派に『愛している』といっても良いと思うわ。」
彼の頭を撫でて微笑みながら上記を述べる
違反申告
梅
2017/11/18 18:15
Erbaccia
彼に関しては自分も良く判っていない。
と言っても彼の『野望』が純粋なものか、そうでないか、という事だが。
「 いえ、此方こそお二人の内情に口を出してしまい…申し訳ありません。 」
パッと頭を下げて、許しを請う。
自分の腰からは手を離し、相手に気にされない事を願った。
それよりも頭に浮かんだのは彼女の事だ。
これから『彼女の成し遂げたい事』について早々に進めてもらわなければ自分が彼女の父親の方に手を掛けてしまいそうだ。
「 あの、瑠璃様、えっと…不躾なのですが。」
何度も口籠もり、目線を下に降ろした。
「 その『愛してる』とやらは、どうしたら抱けますか…? 」
あァ、せっかく下がった熱がまた上ってしまいそうだ。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/18 17:23
リシア(母親の瑠璃)
「優しく、か・・・・琥虎さんは果たして私をパートナーだと思っているのかしらね。あの人が何をして何を考えてるか私には分からないけど・・・・少なくとも私なりに愛してるつもりよ?」
疲れたせいだろうか、一瞬だけ憂い気な表情をしてしまった。
腰を押さえる彼に思わず愚痴みたいなものを溢してしまう。
「あ、ごめんなさいね!最近少し揉めてて・・・・大したことじゃないから気にしないでちょうだいな」
と慌てて謝罪を入れて
違反申告
梅
2017/11/18 16:48
Erbaccia
噴き出すのを堪えるために息を必死に止めた。
より一層顔の赤みは増すが、相手に殺されるよりはよっぽど良い。
何故だろう、本当に彼女の父親とは意見が一致してしまうのだ。
「 そ、それはいけませんね。
ですが貴女のパートナーなのですから、もう少しお優しくされては如何でしょうか? 」
降ろされた事でそっと両手を外せばサングラスで隠れている事をいいことに目線をズラしながら上記を問う。
身体の具合といえば、鈍い痛みがあるのは腰部くらいか。
恐らく軽い内出血くらいだろう。
腰を少し押さえ、痛みの程度でそう判断した。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/18 11:24
リシア(母親の瑠璃)
「でも、それじゃあエル君の体に傷が!」
手を顔で覆い、足をばたつかせる彼を取り落としそうになったので一応降ろす
「琥虎さんの治療なんて良いの・・・・あの人、今朝私の事をゴリラ扱いしたの、酷いと思わない?そんな琥虎さんよりもエル君の方が大事なの!」
顔を赤くした彼は可愛らしかった。可愛いと言いたかったが、男の子のは可愛いと言われるのはよく思わないだろう。
下ろす願いは聞くが、治療は絶対にさせて貰うという姿勢はくずなさい
違反申告
梅
2017/11/17 23:09
Erbaccia
「 いやッあの…、ほんと、大丈夫ですから。 」
180もある身の丈の自分を横抱きに持ち上げるなど、言葉にはとても出せないが…実は衣服の内側は『ゴリラ』か何かなのだろう。
それよりこの格好は余りにも恥ずかし過ぎる。
絶対に父方の方には見られたくない。
カッと顔に熱が上がって来るのが判る。
顔を両手で多いながらバタバタと脚だけを動かした。
落下してもいい、早くここから抜け出してしまいのだ。
「 少し打っただけなので、どうか琥虎様の治療を優先して下さい。
あと俺の立場が無くなるので、お願いですから下ろして下さい。 」
口調だけは冷静に、然し焦りを含んだ声で上記を述べて。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/17 00:27
リシア(母親の瑠璃)
「ごめんなさい、エル君!痛いところは?折れてるところはある?!」
彼と同時に呻いた侵入者をまだ息があったのかと思いつつ足の腱を切って逃げられないようにした後、駆け寄って
「今すぐ医療班を!今朝私が琥虎さんをぶちのめしたせいで行われてる治療なんて後回しにしてとっとと連れてきなさい!!」
旦那は頑丈だから放っておいても大丈夫だろう。
騒ぎを聞き付けた組員へ激を飛ばし、倒れ伏す彼を横抱きに抱えあげて
違反申告
梅
2017/11/17 00:05
Erbaccia
「 ……うゥ、怖いねェ。 」
塀の向こうから聞こえる悍ましい声に肩を態とらしく震わせ、ポソリと小さな声で巫山戯てみた。
凄まじい叫び声が聞こえてくるが、どうでもいい野郎の悲鳴では流石に気分は高揚しないようだ。
上がらない口角をそのままに、塀のすぐ側で事が終わるのを一服でもして待とうかと考え始めた瞬間である。
「 ………え、 」
妙な音が聞こえてくると認識した時にはもう遅い。
振り返ると目の前いっぱいに広がる塀の塊と悲鳴の主が現れ、重い衝撃と共に其れ等の下敷きになってしまう。
重い、痛い。
か細く呻きながら其れ等の下から抜け出し、顰めた顔を彼女の母親へと向けて、
「 お見事です。 」
と皮肉を飛ばしておく事にした。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/16 19:10
リシア(母親の瑠璃)
「ありがとうね♪」
此方も口の動きだけで伝え、足音を立たないようにするのと彼の手の上に乗ることを考慮して下駄を脱ぎ捨てて走り出す。
「よっこい、しょ!」
彼の手に乗ると、タイミング良く上へと上げてくれる。
勢いそのままに塀を飛び越え、銃を手にした侵入者の姿を捉えて
「こんにちは、我が家に何の用事かしら?」
にこりと微笑みながら着地するのと同時に相手の首もとへ薙刀の切っ先を突きつけながらそう声をかけてから
「あ、返事はしなくて良いわ・・・・うちのモンに手ぇ出そうとして五体満足で帰れると思ってんのか?今のアタイは虫の居所がちぃっとばかり良い。手足の数本で勘弁してやろうじゃねぇか!」
侵入者「ぎゃあああ!!」
阿鼻叫喚が木霊した瞬間、重く鋭い一撃と共に塀へ侵入者が叩きつけられてめり込んだ。
念の為にもう一撃加えれば、塀は見事にぶち抜かれて
「あ゛っ!向こう側にエル君がいるの忘れてたわ!!」
あらぬ方向に腕が曲がった侵入者を踏みつけながら慌てて彼の無事を確認した
違反申告
梅
2017/11/16 12:55
Erbaccia
「 あァ、はい。
判りました。 」
相手のやりたいようにやらせてやろう。
素直に頷くと塀へ向かって相手に言われた通りの態勢を取る。
「 いつでもどうぞ。 」
口の動きだけでそう伝えると、小恥ずかしい格好ではあるが相手をいつでも塀の向こうへやれるように構えた。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/16 00:48
リシア(母親の瑠璃)
「ありがとう、エル君。・・・・一つお願いがあるんだけどいいかしら?」
草をむしり始めた彼にしか聞こえない声で下記を述べる
「ちょっとあの塀の近くに行って片膝をついて欲しいの。手はバレーをやるときみたいにして・・・・私がその手へ上手い具合に飛び乗るから、勢い良く腕をあげて私を飛ばしてもらえないたいのよ」
かなり無茶な要求なのは自覚している。
しかし、一度で良いからコレをやってみたかったのだ
違反申告
梅
2017/11/16 00:42
Erbaccia
もはや警備が緩すぎる、などという突っ込み的な心情は無駄だと判断し、重々しく首を動かしながら指定された場所を見た。
疲れていると言う割には良く口は動くし、まだまだ現役、元気そうだが此処で『曲者』をお任せして良いものか。
これで彼女の母親が怪我でもしたら自分が失脚してしまう可能性だった無い訳ではない。
と言っても止めたところで相手が自分の言うことを聞く筈は無いと、考える間も無く結論が出る。
「 俺は…何も見てません。
此処で草を毟ってるだけです。 」
もうご自由にどうぞ、と言わんばかりにその場に屈んで上記の通り草を毟り始めては、今からお陀仏するであろう『曲者』が可哀想な姿になるのを態々見ても仕方なく、目線も地面に落とした。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/15 19:04
リシア(母親の瑠璃)
「あらあら、こんなオバサンの相手をしてくれてありがとうね。本気でやってくれて嬉しかったわ!もしも適当にあしらわれちゃってたら、背後から薙刀で遠慮なく奇襲していたかも♪」
わざわざ縁側にまで運んでくれる彼の気遣いに頬を緩めつつ、細いわりに筋肉がついているのを感じて表には出さなかったが少し驚いた。
「もう若くないわねぇ・・・・侮られちゃうぐらい、昔の気迫や力もすっかり衰えちゃって」
降ろされた縁側で一息ついて、疲れたように脱力する。
しかし、衰えていないものもあるようで
「・・・・あら、エル君から直線上の塀の外側に誰かいるみたいね。疲れているけど負けたままも悔しいし、少し遊んでこようかしら」
殺気を感じるのは昔から得意だ。この感じだと狙われているのは自分ではなく彼で、彼を傷物にしたら娘が悲しむ姿が目に浮かび、再び薙刀を手にして立ち上がって
違反申告
梅
2017/11/15 08:30
Erbaccia
『降参』の単語が聞こえた瞬間にすぐにその場から動いた。
彼女の母親を労る様に背と足に腕を回して横抱きに持ち上げ、縁側で降ろす。
「 ええ、とても痛かったです。
下駄と貴女を侮ってましたよ…ははは。 」
相手の身体に付いてしまった土を丁寧に落としながら小さく笑う。
コレが巫山戯た相手なら適当に負けて、媚を売って終わりだが、今回はそうじゃない。
自分を見る相手は間違いなく"何か"を試していたに違いないのだ。
若しくは、気晴らしか何かだろう。
とにかく真面目にやらなきゃキレられていた。
自分の対応はコレで間違いなかったのだ、と密かに心配する自分によく言い聞かせておいた。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/15 03:09
リシア(母親の瑠璃)
彼の言葉を聞いてからしまった、判断を誤ったと考えた瞬間には既に地面へ押し倒されてマウントポジションに持ち込まれてしまっていた。
薙刀の柄から手を離し、大きく息をつきながら四肢から力を抜き投げ出して
瑠璃「アッハハハ!降参よ、エル君。怪我なんて心配しなくて良いわ、私の当てた下駄の方が痛かったでしょうし」
こんなに汗を流し、相手と手の内を読みあったのはいつぶりだっただろうか。
思わず昔のように大声をあげて笑いながら、自分を見下ろす彼を見て思った
やっぱりエル君になら、私の可愛い娘の幸せを託しても大丈夫そうね、と
違反申告
梅
2017/11/15 02:59
Erbaccia
牽制された薙刀に不安要素は比較的少ない。
だが残る四肢の内2つは自由なのだから必ず抵抗的な防御が来る。
「 それで、良かったのですか? 」
淡々と、サングラス越しに相手を見た。
少し残念そうに、そして…嬉しげに。
はしたない、と相手がご子息ならケチを付けただろう。
下駄など、と軽く見るつもりはない。
勿論当たったし、結構痛い。
だが構わず襟首を掴んでふらつく相手の鎖骨部分を強く押す。
恐らく相手の全体重を支えているであろうもう一方の足へ、すかさず足を引っ掛けると地面へ押し倒した。
馬乗りに胴を跨ぎ、いつの間にか手離した警棒の代わりに薙刀の柄を確りと掴めばマウントポジションだ。
「 お怪我は…御座いませんか。 」
降参するまで此方も気を緩めるつもりはないが、見下ろした相手を見ながらそう言葉を掛けた。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/15 02:07
リシア(母親の瑠璃)
最初はまるで近所を歩いているような緊張感のない歩調だったにも関わらず、リーチに入った瞬間に急加速してきた。
当然、それは予想しており取り乱すことなく次の動きを注意深く観察し、油断なく構えていれば又もや予想通りに警棒を振り下ろして来たのだが
「な・・・・っ?!」
流石に薙刀へ強く打ち付けられるのは僅かな可能性として予想していたが、その力強さに防御の構えもしていなかった為薙刀を取り落としそうになるが何とか持ちこたえて
「そうは、させないわよ・・・・!」
例え歳を取ってたとしても、かつて最凶と謳われた女は伊達ではなく、襟に伸ばされる手が到達する前に体勢が崩れるのを承知で足に履いている下駄を彼に向かって蹴り飛ばした。
違反申告
梅
2017/11/15 01:56
Erbaccia
「 俺はレディファーストを心掛けているのですが…まァ貴女がそう仰るのなら仕方ありませんね。 」
スッと下げていた腰を上げれば無礼構わずくつくつと喉を鳴らして嗤ってみる。
明らかに警戒されている。
面白い様に張り詰めたその糸をどう弄ってしまおうか、などと日常的な癖が脳裏に浮かんではゆっくりと一歩を踏み出した。
まるで散歩でもしているかの様な能天気な歩調。
だがそれも相手のリーチ1歩手前までの話だ。
強弱をつける様に急加速で地を蹴り、相手の肩口目掛けて警棒を振り下ろす。
此れだけでも読み難い様にとペースを崩したのだが。
更にひと工夫、という思考回路は前座で流石に相手に読まれているのかもしれないが構わず振り下ろす軌道をずらして視線隅の相手の得物へと警棒を打つける。
元よりそうするつもりで警棒を振ったのだ。
同時進行で逆の手を構えては相手の襟へと手を伸ばして。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/15 01:40
リシア(母親の瑠璃)
瑠璃「生憎だけれど、こう見えても自分がどこまで出来るかぐらいは弁えているつもりよ」
本当なら彼が起き上がる間に攻撃は可能だった。
しかし、自分の勘が告げたのだ・・・・この相手はいつもの相手とは違う久方ぶりの大物だと
「私ばかりが先手に回っても良いのかしら?
エル君をが先手でも構わないなよ、そちらが後手ばかりなのは些か公平ではない気がするし」
まずは相手の戦法や癖を見極める。
普段は挑発などには喜んで乗るが、今回ばかりは慎重に行かなければならないだろう
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梅
2017/11/15 01:34
Erbaccia
「 おや、貴女ならもっと攻めてくるものかと思いましたが。 」
悔しくもあと数cmというところで相手に退かれ、ゆらりと立ち上がりながら身体についた土を叩いた。
挑発的な言葉を掛けつつ警棒を持った手をくるりと回せばまたその場で構えた。
然し次は腰を少し落とし、姿勢を低くしたまま相手を待つ様な態勢だ。
「 さァ…いつでも来て下さい。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/15 01:27
リシア(母親の瑠璃)
「ええ、そうさせてもらうわ」
刃に警棒が当てられ、やはり男とは力が強いもので押しきれなかった。
相手が懐に飛び込んで来ると思った瞬間、視界から彼の姿が不意に消えた。
何処だと探すよりも早く、己の本能と長年培ってきた戦闘経験が警告を発し、反射にも近い速さで後ろへバックステップを踏んだ
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梅
2017/11/15 01:15
Erbaccia
こういう人の事を『大胆』と言うのだろう。
飛び込んできた相手には申し訳ないが先ずはリーチぎりぎりまで下がってすんでのところで回避する。
心理戦にも近い、このぎりぎり当たらない感覚は下手な相手ならば焦らしいものだ。
何も【拒絶】出来るから、と楽をして生きてきた訳ではない。
【拒絶】は対能力戦の為にあるのだから。
素早い刃先は惜しみの無い速さで目の前を通り過ぎていき、此処で自分は動く。
「 倣えるのであれば、どうぞ。
護身術とでも思って取り入れて下さい。 」
警棒を刃に当てて牽制。
思ったよりも重い薙刀の一撃に眉を寄せるが、そのまま自分の方向には向かない様に鍔迫り合いで詰め寄りながらもその刃先から鍔へ。
鍔から柄へ、と警棒を滑らせて相手の懐へと迫っていく。
此処で懐に蹴りやら警棒やらと詰めの甘い攻撃をするつもりは無い。
咄嗟に身を倒し、スライディングの様に地面を滑ると一時的に相手の視界から消え、不意に足元を狙う。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/15 00:49
リシア(母親の瑠璃)
「良い考え方ね~♪私は刀、弓、、拳法ぐらいしか使えないし、今からでもエル君を見習って新しく習得しようかしら」
彼の持つ警棒は以前何度も相手をしたことがある(どんな相手とは言えない)が、自身の夫が一目置く存在である程の人物である以上油断は禁物だ
「勿論、全力でいかせて貰うわよ」
力強く地面を踏み、跳躍気味に相手へ肉薄しながら小手調べとして上下左右を縦横無尽に連続で斬り捨てるつもりで薙いだ
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梅
2017/11/15 00:41
Erbaccia
「 俺の得物は色々です。
偏った武器は隙を生みますので。 」
縁側から庭へと出て、さて何で戦おうかと思案する。
半端な得物では間違い無く相手に叩きのめされるであろう。
然し、あの薙刀のリーチに入るのは同等の長さの武器か…いや、此処は、
「 コイツでいきます。
能力は使いません…全力でどうぞ。」
何故それを持っているのかは突っ込まないでほしいが、自分が取り出したのは短い棒切れ…『警棒』だ。
到底彼女のリーチとの差は埋まらない…が、これで良いのだ。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/15 00:23
リシア(母親の瑠璃)
瑠璃「そうこなくっちゃね!エル君の武器は何からある?こんなオバサンになっちゃったから実力は余りないと思うけれど・・・・此方こそお手柔らかにね?」
大きな声で組員を呼びつけ、着物の袖を結うサラシと自身の得物である薙刀を持ってこさせて
瑠璃「あ、エル君の武器が何もないなら勿論素手で戦うわよ」
着物をたすき掛けにし、やる気に満ち溢れていた
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梅
2017/11/15 00:06
Erbaccia
「 え…俺ですか。 」
言ってすぐ馬鹿な問いをしたと後悔する。
自分以外誰がいるのだろうか。
逃げ出してしまいたい気分だが顔が引き攣りそうになるのを抑えるので精一杯だ。
何故こんな逃げ腰なのかは彼女の父親を見れば判る。
さて、自分は生きて帰れるのだろうか。
小さく心の中で手を合わせておいた。
「 判りました。
お手柔らかお願い致します。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/14 23:53
リシア(宝石の紅、母親の瑠璃)
瑠璃「そう・・・・また会えたら良いのだけれど」
『かたじけない、Erbaccia殿・・・・もう瑠璃様の視界に私が映ることはないだろうがな。それでは私はそろそろ姿を保っているのが限界故、主のところへ戻らせて貰う。また後で主の元へ来てやってくれ』
深々と一礼をすると、紅蓮・・・・もとい紅は炎となって姿を消した。
そして、話が終わったはずなのに瑠璃は彼の肩を話さずに下記を述べる
瑠璃「エル君、ちょっと私に付き合って貰っても良いかしら?・・・・私と一戦、拳でも刃でも構わないから交えて欲しいの」
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梅
2017/11/14 23:41
Erbaccia
自分の眼にはきちんと紅の姿が見えている…が、彼女の母親には見えなくなってしまったようだ。
『見えなくなった』というよりかは『また元に戻った』と言った方が正しいのかもしれない。
「 瑠璃様、ご安心下さい。
その…"紅蓮"という方はどうやら貴女の望みを叶える為に一時的に消えた様です。 」
これが自分が通訳する中で1番適当な言葉だと思った。
感傷に浸るつもりはないが、お互いに主従関係として様々な想いが行き交いしているのであろう。
静かに、そっと相手へと上記を伝えた。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/14 23:25
リシア(宝石の紅、母親の瑠璃)
瑠璃「あらエル君、何処へ行くのかしら?まだ話は終わってませんよ。私と彼の通訳をして貰わないと困るわ」
『おい、何処へ行く。お前には通訳という大事な仕事があるだろう?』
それぞれがガシィ!と彼の肩を掴み、笑みを崩さずに物凄い力で引き留める瑠璃と羞恥から立ち直った紅。そして話は続き、
瑠璃「それでね、その子にお礼をしようとしたら断られちゃって・・・・どうしてもお礼がしたいと言ったら『お礼として自分に名前をくれないだろうか』と言ってくれて。その子の赤い髪と目が澄んでいてとても綺麗で、思わず“紅蓮”と名前をつけたのよ」
そう言い終わると、瑠璃は恥ずかしそうに俯く紅に目を向けて微笑みながら
瑠璃「分からないなんて言って御免なさい、紅蓮。貴方ってばこんなにも大きくなっていたんだもの・・・・声は聞こえくなってしまったけれど、私に力を貸してくれた紅蓮の面影があるわ。紅蓮は人間じゃないと思っていたけど、本当に人ではないのねぇ・・・・貴方の事だから、今でも私に忠誠を誓うと言うんでしょう?」
『勿論です、瑠璃様。貴女様が私と関わる力を失ってもその命が尽きるまで傍に居ります。』
瑠璃「責任感が強い紅蓮、私が願った事も律儀に守り続けてくれている様ね・・・・“私の娘が幸せを手にするまで守って欲しい”と願って琥珀にあのペンダントを譲ったあの日から、紅蓮は見えなくなったわ。きっと今見えているのも奇跡なのかもしれない・・・・だから伝えて置きましょう」
目の前に立っている、かつて“紅蓮”であった青年に瑠璃は昔の琥珀と同じ笑顔で
瑠璃「今までありがとう、紅蓮。もしも琥珀が幸せになったら、貴方が良かったらまた私の傍にいて欲しいの。紅蓮は私にとって兄弟みたいなものだから・・・・もうあの頃みたいにとはいかないけれど、また一緒に暴れましょう?」
『・・・・それが瑠璃様のお望みならば、私は叶えましょう』
そう言って彼が答えた瞬間
瑠璃「あら・・・・?紅蓮??何処にいったの?!」
瑠璃の視界に、彼は映らなくなってしまった
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梅
2017/11/14 22:03
Erbaccia
思わず目が点になった。
自分は一体何を聞かされているのか、と問えばまァ彼女の母親と石ころの馴れ初め、でなく単なる過去話なのだが。
「 そ、そうでしたか。
ではお2人を邪魔する訳にもいきませんし、
俺はこれで…… 」
違う、あんたらのイチャつきっぷりが聞きたかったわけではない。
内心、全力で突っ込んでおいてやった。
とにかく2人が昔から縁を繋げていた関係という事は判った。
彼女の母親の話は何かと長いし、苦手だ。
気になった点は多くあるが『翻訳係』という大役を捨ててその場から立ち去るべく背を向けようとして。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/14 18:54
リシア(宝石の紅、母親の瑠璃)
瑠璃「ええ、勿論知っているわ。まだ鳴神ではなく水無月の名字を名乗っていた頃、馬鹿な私は百人の不良相手に鉄バット一本で勝負をしたときがあってねぇ・・・・半分は減らせたのだけれど、流石に数が多くて刃物を持った奴もいたわ」
遠くを見るような目で、懐かしそうに語る
瑠璃「そんな時、一人のまだ15才ぐらいの男の子が喧嘩に割って入ってきて私を庇いながら『女一人に男が何十人がかりで喧嘩を吹っ掛けるなんててめぇら男として恥ずかしくないのか!』って叫んだのよ。・・・・ここから信じるかはエル君次第なんだけれど、その子が叫んだ瞬間地面から一斉に燃え盛る火柱が幾本も吹き上がって不良達に大火傷を負わせたのよ~」
何処か嬉しそうに話す瑠璃の前で、対する紅蓮は喜ぶ処か何故か地面に崩れ落ち頭を抱えて
『其れ以上は言わないでください、瑠璃様!あれはほんの若気の至りで言った言葉なのでありましてええええ!!』
黒歴史を暴露された中二病青年の様な反応をしていた
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梅
2017/11/14 16:33
Erbaccia
「 瑠璃様、不躾ですが"紅蓮"という名に聞き覚えはありませんか? 」
成る程、様子を見るところによると2人は彼女の様に主従関係とも取れる。
昔からあのネックレスを下げていたのだから母親から譲り受けたと仮定してもおかしくはないだろう。
自分を翻訳係にされるのは癪だが仕方あるまい。
奴の必死さを汲んで目の前の母親へと上記を述べては続いて下記を付け足し。
「 彼はご子息の装飾品にあるルビーの化身…のようなものなのですが。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/14 01:36
リシア(宝石の紅、母親の瑠璃)
瑠璃「ええ、ハッキリと見えてるわよ。貴方の名前は?」
『瑠璃様、私です!今は姿こそ違いますが、かつて貴方に仕えていた“紅蓮”でございます!!』
しかし、頭を垂れて声を発した自分を怪訝そうに見つめる彼女。
そして自分に近づいてきたかと思えばErbaccia殿の方を向いて
瑠璃「エル君、彼は何と言っているのかしら?私には何の音も聞こえないのだけれど・・・・初めて会う子だけれど、この子は私の知り合いなのかしら?」
『つっ・・・・まさか、忘れられてしまったのか。かつて苦楽を共にし、時としては我が力を使い死線をも潜り抜けたあの日々を』
思わず目の前にいるかつての主に手を伸ばすが、己の手は空を切り、彼女の身体をすり抜けた
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梅
2017/11/14 01:02
Erbaccia
「 あァ、判……… 」
『判った』と返そうと口を開いたが其れは奴の言う足音の存在によって最後までは紡がれはしなかった。
焦った様に振り返ればほんの少しは安堵して肩が下がる。
足音の正体が母親でなく父親の方であれば明らかに自分は怪しい存在として見なされていたであろう。
それよりも彼女の発言が妙に引っかかった。
「 此れは此れは瑠璃様…えっと、
此奴が見えて…いらっしゃるのですか…? 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/13 18:53
リシア(宝石の紅)
『うーむ・・・・出来れば主の手により供養してやって欲しい。後、主から私を取り上げるのは賢明ではない、私が主の身体を癒す事を多少なりとも促進しているからな。』
何やら怒気を感じるが、何かしただろうかと思いながら触らぬ神に祟りなし。
頬を掻きながら上記を述べると、誰かの足音が近づいてきた
『おや、こんな人通りが少ないとこらにいったい誰が・・・・』
振り向けばそこにいたのは、主の母である瑠璃様。
瑠璃「あら、エル君・・・・と、そこにいるの君は誰かしら?」
瑠璃様はそう言いながら、自分の方を向いて話しかけてきた
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梅
2017/11/13 00:40
Erbaccia
「 ………言いたい事はそれだけか。 」
ドスドスと胸に突き刺さる言葉を一斉に浴びせられ、意外にも軽い殺意が沸くほど苛立ったがさてどうしてくれようか。
ポケットに突っ込んだ拳をわなわなと震わせ、意図的ではない相手の言葉に暫し耐える。
最後の言葉は…聞かなかったことにしよう。
態とらしい咳払いの後に下記を述べた。
「 ん"ん"ッ、おい石ころ。
俺が壊しちまった他の石ころ供はどうしたらいい…?
現状、お嬢が所有してンのはあんただけだ。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/12 20:04
リシア(宝石の紅)
『本当にありがとう・・・・』
漸く涙も止まり、一度自分の手の甲で涙をごしごしと拭って
『初めて会った時には何だこの生意気な主に近づく童はと思い、最近はかなりの悪人面でチャラそうな見た目かつ若干キツイ香水か漂うずる賢い奴だと思っていたが・・・・訂正しよう。貴方は良い人であった』
かなり失礼な言葉が混じっている事は無自覚である。
そして、完全に涙を拭い去ってから
『主が貴方を異性として好いている理由が分かる気がするよ』
違反申告
梅
2017/11/12 15:35
Erbaccia
「 馬鹿石ころ、違ェよ泣き止めって事だ。 」
姿を変えようが涙は止まる兆しを見せない。
見当違いの解釈をしているようで、自分よりずっと感性が豊かで涙脆い年寄りの石ころに上記を述べて、肩を竦めるとまた涙を袖で乱雑に拭ってやり。
「 安心しろ、『予定』つったろ?
お嬢が望むまでは連れては行かねェよ 」
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/11 22:35
リシア(宝石の紅)
『ううっ・・・・かたじけない。主の事を、頼んだ』
そういえば彼の姿を借りていたなと今更に思い出した。
しかし、止めようと思っても涙は止まりそうにない。
元の姿に戻るしかないか、と結論に至って目の前にいる彼には何も言わず姿を変え始めた
『この姿なら、泣いても良いだろうか。どうにも歳を取ると涙腺が弱くなってしまってな』
自分の本来の姿は長い赤髪を後頭部で結い、同色の袴を着ている男だ。
最も、石に性別など存在しない。
『もう一つ頼みがある・・・・まだ主を此処から連れ出さないで欲しい。主はまだやり遂げていないことがあり、恐らく弱った今でもその事を忘れては居ない筈なのだ』
違反申告
梅
2017/11/11 22:22
Erbaccia
「 どうしていつもッ………、
…いや、もういい、判った。 」
振り向かされた衝撃で言葉に詰まる。
彼女の母親に託され、更にはこの石ころにまで頼み込まれる始末。
そう、事の発端はあの時、この場所に軽率な気持ちで忍び込んでしまった自分にもあるのだ。
相手の言葉、涙、そして気付かされた真実に脳内で組み上げていた語彙が乏しくなり、上記を続ける事しか出来ない。
「 元からお嬢は俺が連れて行く予定だ。
あんな私欲に塗れた男の思い通りにさせる気も、能力を使えないままにするつもりも毛頭無い。 」
相手の目元に手を伸ばせばやや乱暴に涙を拭い、疲れた様な冷静さを取り戻しつつある様な口調で告げる。
中々自分の泣いている姿というものは滑稽だ。
「 俺、涙流す様なキャラじゃねェのよ。
お嬢の目ン玉だから仕方ねェが、その顔で泣くのはもうやめてくれ。 」
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/09 12:47
リシア(宝石の紅)
『ああ、そうだ。何度も言うがお前に支えて欲しい。
主はこの秘密をお前に明かさなかったというわけではない・・・・お前が言う内側の扉の開き方を知らないのだ。
だから、お前から主に開き方を教えて欲しいと思っている。肉親の瑠璃様でも、長年寄り添ってきた私でも出来なかった事を成し遂げたお前なら出来るのではないかと』
彼の方から目を逸らすとは思わなかった
しかし、最後のこの言葉だけは目を見て言いたい
そう思って彼の肩を掴んで体ごと此方を向かせて
『何故なら、お前と出会ったあの日。主は初めて心の底から笑顔になったのだ・・・・正直に話せば私はお前が羨ましい。私が今この姿を取っているのも、心の何処かでお前になりたいと思っているからなのかもしれん』
あの時は本当に驚いた、作られていない純粋な笑顔と言葉を初めて聞いたのだから。
そして、彼の肩を離して静かに腰を折り頭を下げた。
その拍子に主から預かっている目から涙が溢れる
『無理を承知で言っているのは分かっている。だが、他に打つ手がないのだ・・・・主はこの世の全てを拒絶しようとしている。しかし、お前は・・・・Erbaccia殿はまだ主に拒絶されていない唯一の存在だ』
言い終わってもただひたすら、頭を下げて止まらない涙を地面に落とし続けた
違反申告
梅
2017/11/09 11:36
Erbaccia
「 …成程、今の今まで俺に相談できないくらいの事がこれかよ。
それで…?
俺に此奴を支えろってのか。 」
今回は本当に目を逸らした。
彼女にだって隠し事の1つや2つはあるだろう。
だが初めて出会った時に見せたあの笑顔でさえ、この光景を、あの父親の命令を聞いた後では作り物の様に思えてしまう。
それが堪らない程、自分に疎外感を与えた。
「 すぐ側に居たあんたでさえ支えきれない重荷を、秘密すら明かしてくれない彼奴をか?
冗談も程々にしてくれ…
内側の扉ってのは自身が相手に開こうと思わなきゃ開けるモンじゃねンだぞ。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/08 17:14
リシア(宝石の紅)
『私は主がこうして虐げられていると言うのに、何も出来なかった・・・・!我々は石の声を聞く者が居なければ意味を成さない、そんな私が出来たのはただ主の傍に居続けるだけ』
目を逸らすこと無く、歯痒い思いを吐露する。
自分が人間になれるならばと叶わぬ願いを今尚抱き続けて。
そして、指を鳴らせば場面が変わる
それは成長した主が数年の時を経て座敷牢から出る時
主の顔は疲れきり、何の感情も写していない
そんな主に声をかけるのは父親である男
琥虎『これからは武術の修行、次期組長としての教育、人を傷つけ殺す事に慣れてもらう。お前に拒否権はない』
琥珀『・・・・はい、お父様』
機械的に頷き返事をする主とそれを見て満足そうに微笑む男。
この年頃ならはしゃいでいて当然にも関わらず、主は笑う所か表情をピクリとも動かさない
琥虎『笑え、いくらお前が私の傀儡と言えどそれを知るのは一部の上層部のみ。怪しまれてはならん・・・・笑えるな?』
琥珀『はい、笑えます』
そう言って笑った主の顔は、何処か悲しみと諦めの色があった
違反申告
梅
2017/11/08 10:24
Erbaccia
「 …餓鬼相手にゃ上手い手口だな、糞食らえ。 」
目を逸らし、耳を塞いでしまいたい衝動に駆られながら、小さく悪態を吐いた。
捨てられる事の恐ろしさなんて、自分がよく分かっている。
隣の奴が言うことは最もだ。
普通、こんな状況に陥った餓鬼に心の余裕なんてある筈もない。
今はただ、この悲惨な場面を静かに脳裏に焼き付けて。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/07 22:35
リシア(宝石の紅)
『当時の主は心が負の感情で支配されていた。幼いながらに女として生まれてしまった後悔、父親に捨てられるのでは無いかと言う何よりも大きく圧倒的な恐怖・・・・右も左も漸く分かり始めた様な童が耐え、我々の声に耳を傾ける余裕があると思うか?』
彼と同じ様に伸ばしかけた手をもう片方の手で抑えながらあくまで淡々と話す
しかし、声は確実に震えていて
『アレ(父親)はこうする事で自分に依存させ、言う事を聞く傀儡や手駒を作ろうとした。・・・・瑠璃様は諸事情で主の育児へ手を出す事を固く禁じられていてな、教育と言う名の洗脳、躾と言う名の折檻によって主は育てられた』
変わらず目の前で泣く彼女の姿。
血が滲むぐらい手をきつく握りしめていた
違反申告
梅
2017/11/07 22:21
Erbaccia
「 ………何故この時、能力が開花しなかったんだ? 」
彼女の母親は何をしているのだろう、何故父親はこの様な仕打ちをしたのだろう。
そんな紙面に掲載されたら誰しも思うだろう、一般的で客観的な、自分を蚊帳の外にしたそんな考えがまず浮かんだ。
彼女を見ると冷静になれるのは癖なのだろうか。
悲痛な彼女の叫びに伸ばしかけたては止まって、ゆっくりと降ろすとこの悪夢を見せている張本人に問い掛けた。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/07 19:47
リシア(宝石の紅)
「そうだ、私はお前に主を押し付ける
だからその目に焼き付けろ・・・・私が見てきた全てを託す」
最初に見せたのは暗い暗い部屋
そこは冷たい座敷牢、地下ゆえに光も入らないそこでまだ幼い主が鉄格子を掴み泣く姿。
過去の琥珀『此処から出して・・・・良い子にするから、言われた通り、お父さんの望むような子になるから・・・・女に生まれてきて、ごめんなさい』
ひたすらうわ言のように繰り返される言葉。
鉄格子を掴んでいない方の手で握っているのは首から下げたルビーのペンダント。
それ以外は薄い肌着のような着物しか纏っておらず、気温が低いのか足や手は悴んでいる
自分の気持ちは今、目の前の彼に伝わってしまうだろう
しかしこれを見る度に思ってしまう
何故、私は力があるのに主を温めてやれないのかと・・・・
違反申告
梅
2017/11/07 19:12
Erbaccia
「 散々やっといてから俺に押し付けて、
ンで、あんたはその後逃げるのか。
このッ____ 」
久方ぶりにキレそうだ。
上等じゃないかとばかりに近付いてくる相手に拳を握り直した。
今の自分は至って理性的だが冷静ではない。
だから炎に包まれるまで、目の前の奴の考えを察する事が出来なかった。
ぶわりと己を包む炎。
危険因子と見做して【拒絶】を展開しかけるが、奴の言葉に引っかかって能力は意識化されなかった。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/07 18:08
リシア(宝石の紅)
「心が弱い者に力を貸せば、行く先は双方破滅のみ。
主の能力は我らと対話する事で得られるもの。
片方が声を聞かなければもう片方も破滅することはない」
人間みたいだと、目の前の怒っている男は言った
・・・・そうだったらどれだけよかっただろうか
それを悟られないように引き続き淡々と述べる
「私はいざとなれば主から離れる事を考えている。
・・・・能力を使える人間の宛がないわけでもないからな
そして何より、声をかけ続ける役目を担うのは私ではない」
殴られるのを承知で、彼と距離を詰めた
自身の炎を灯した拳を彼の胸に突きつけて
「主を支えるのはお前の仕事だ、若造。
だからこそお前は知らねばならない・・・・主の過去を」
言い終わるのとほぼ同時に、炎が彼の体を包み込む。
伝えるのだ、主が歩んできた人生を。
最早彼に託す以外に道はないのだから
違反申告
梅
2017/11/07 14:26
Erbaccia
「 …あんたの声が聞こえないから、力は使えないって言うのか。
お嬢の心が弱いから力を貸さないのか。
石ころの癖に、人間みたいだなあんた。
結局のところ、お嬢じゃなくたって誰だろうがあんたの思うようにいけばそれでいいって訳だ。 」
自分でも驚くほどに声が怒りで震えていた。
だが違う、本当に自分が憤りを感じているのは其処では無い。
その程度で能力を【拒絶】でき、無かったことにしてしまう事が可能な…その単純能力に嫉妬、或いは羨望しているのだ。
そして彼女の精神が弱い事など自分でもずっと昔から知っていた。
顔に出まいが彼女は泣くし、憤る。
見覚えのある面…親面して彼女を知ったかぶったその態度が1番気に入らない。
彼女と言う作品は最高だが、その材料は屑以下だ…そう、客観的に判断せざるを得なかった。
「 だがあんたはお嬢を捨てる事は出来ない。
何故だかはテメェで一番判ってンだろ?
他に誰がその能力を扱えンだ、おい。
しのごの言わず声掛け続けろってンだ。 」
その時、どれだけその美しい瞳を疎ましいと思った。
ポケットに突っ込んだ片手は沸き起こった殺意を隠し切れずに握り締められていた。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/11/07 01:55
リシア(宝石の紅)
「中々的を射ている、八割私の意思、二割は主の意思だ。」
この男の考察力は中々だ
油断をしていたら此方も足元をすくわれかねない程・・・・
彼を敵に回すと思うとゾッとすると思いながら続きを述べた
「確かに貴男の言うとおり、主が今力を失えば私のみならず主にとっても不利益。
主は今回の件で、自分に秘められた力が望めば望むだけ出てくるある意味底無しに近いものだと実感したでしょう
主はそれを驕らず寧ろ危機感を覚えた。だからこそ、僅かですが無意識のうちに力を拒否している
しかし、私が完全に力を奪った理由は他にある」
普段長く本音をしゃべることは滅多にない
思わず疲れた様に一息ついて、また話を続けて
「何故、不利益にも関わらず私が主の力を行使しようとする呼びかけに応えないのか、答えは簡単です。
主は此の世界から逃げたのですよ・・・・・この世の全てを拒絶し、自分の殻に籠もってしまわれた。
分厚く何層にも重ねられた殻の前では私の声も聞こえるはずがありません。
・・・・・何より、その様な脆弱な精神の持ち主に我々は力を貸したくはないのですよ。」
今の私はアレ(琥珀の父親)同様に冷たい目をしている事でしょう
さて、彼の反応は如何なものだろうか
違反申告
梅
2017/11/06 23:53
Erbaccia
「 …さァて、何だろうな。
あんたの意思で行ったのか、目と同様にお嬢の意思を受けて行ったのか。
それで話は変わってくる。 」
考えるように、唇に手を当てて荒れたそこを弄り始める。
力を失うという事は彼女が父親から必要とされなくなるという事と等しい。
使えない奴に需要を抱かない彼の事だ、今の状態が知れでもしたら下手をすると娘である彼女を消す事だってあるかもしれない。
そんな危険が伴う行為を目の前の石ころ野郎がするだろうか。
何か考えがあるならば別として、上記で述べた前者の可能性は薄く感じる。
後者だとしたら考えられるのは…彼女なりに今回の騒動に反省の意を示した贖罪か何かか。
いや、難しく考え過ぎなのかもしれない。
もっと単純な何かが___
そうこう考えたが結局結論には至らず、結局ひと言も発せられないまま唇から手を離せば下記を述べた。
「 何にしろお嬢の不利益はあんたの不利益だ。
検討はついちゃいねェが色々考えはしたさ。
要するに…回りくどいのはいいから早く教えろ。 」
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/30 16:32
リシア(宝石の紅)
『流石Erbaccia殿、ご慧眼で在らせられる。主が愛らしくて堪らぬのも事実だ』
恭しく御辞儀をした後、真剣な表情と声色で
彼の目を見つめ逸らすこと無く下記を言った
『私が意図をもって主の目を奪ったのは他でもない。主がそう強く望まれた故・・・・もうこの世界全てを何も見たくない、と。主の心が痛むぐらいなら、私の中へ心が癒えるまで一時的に預かる事にしたのだ』
そして、空いている方の手で指を一本立てて
続けざまにゆっくりと二本立てる
『これが目が見えない理由だ。次に力を使えぬ理由だが・・・・貴方なら既に検討がついているのではないか?
一応、どうお考えなのかを聞いておこう』
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梅
2017/10/30 13:25
Erbaccia
「 可愛くて可愛くてしょうがねェ主人に巫山戯て掛かるようなあんたじゃねェ。
…それなりの深い訳があるだろ。 」
石が具現化した時から何かあると睨んでいた事もあって驚愕、とまではいかないがその意図は未だ掴めないまま。
金に輝く双眸に目を細めながら、自分の顔にその色がある事に強い違和感を抱いた。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/30 02:58
リシア(宝石の紅)
「おお、呼び出しとは怖い怖い・・・・」
肩を竦めながら、素直にエルの後をついていく
そして叩き割るの言葉に臆することなく真剣な口調で
「そんな事をしては主の身が持たんくなってしまう。・・・・まず目に関してだが、包み隠さず述べようと思う」
徐にかけていたサングラスを取った
そこにあったのは、琥珀と全く同じ金色の美しい瞳
「主の目は、私が故意に奪った・・・・この目は正しく主の目そのものだ」
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梅
2017/10/30 00:01
Erbaccia
「 お嬢、悪いな。ちっと外の空気吸ってくる。 」
そっと彼女の頭に手を乗せるとそれだけ言い、席を立つと襖を開けて。
外に出る前に一度自分と同じ姿をした紅を見てクイっと顎を動かしてはこちらへくる様に伝える。
自分の姿をしているだけあって褒めてやりたいほどに腹が立つ。
「 いいから話せ。隠そうモンならあの石は他と同様に叩き割る。 」
話せる様な場所まで移動すると相手を睨みつけたまま、だが軽口にそう言って。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/29 14:07
リシア(宝石の紅)
『これしきの事で臆するとは、貴方もまだお若い証拠だ。おっと・・・・私がこうしている事は主に内緒にしてほしい』
口元へ一本指を当てる仕草をしてはいるが、顔がしてやったり!みたいな顔をしていた
彼の顔でしているものだから、相手は複雑だろう
『何故主が見えなくなり、能力を使えなくなったか・・・・・知りたいか?』
エルと同じサングラスを音を立てて上げながら
彼と同じ笑顔で、ニヤリと嗤った
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梅
2017/10/29 13:29
Erbaccia
「 ……ッ、……シ………いや、あんたか。 」
目の前で揺らめく空気。
その形態が自分に似たものだと認識した瞬間、自分の表情に恐怖の色が滲んだのが分かった。
聞き取る事は不可能な掠れた小さな声が洩れ、勢い良く立ち上がると一歩、二歩と退き。
然し其れの容姿が、声が自分の知っている存在とは違うと理解するなり、訂正する様に顔を逸らして目泳がせる。
「 びびらせンじゃねェよ石っころが… 」
彼女から見れば滑稽な独り言になるが、構わず声を掛けた。
表情は既に怨色に変化し、だが悔しい哉、自分より彼女を知り得ている鉱石に耳を傾けて。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/29 12:44
リシア(鳴神琥珀)
「ありがとう・・・・エル」
震え、痛みで動かない腕を何とか動かしながら、ルビーを胸の前へ持っていき、淀み無く言葉を紡ぐ
「古よりこの世を照らす君に願う。我が身を温かく慈悲あるその力を以て包み給え」
しかし、ルビーは赤く瞬くだけでその力を少しも具現化出来なかった
絶望したような声で、琥珀は呟く
「何で、応えて・・・・くれないの?」
?『それは貴女の心に問題があるからだ』
エルの頭の中へ、直接響くような声が木霊したかと思えば
目の前に1つの人影が生まれる
それは徐々に形を取り始め、最後には・・・・エル本人と同じ容姿となった
唯一違うのは、燃える様に紅い髪であると言うことだけ
?『お初お目にかかる、Erbaccia殿。私は主に最も古く仕え名を賜りし者、紅と申す』
彼と全く同じ姿で座す彼は深々と丁寧にお辞儀をする
そして顔を上げると
紅『今のこの会話すら、主には聞こえておらぬ。Erbaccia殿の姿を借りたこの姿も勿論見えておらん・・・・しかし、それも当然の事なのだがな』
悲しげに呟く彼は、原因をあたかも知っているかのようだ
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梅
2017/10/29 12:30
Erbaccia
「 ………一回、だけだからな。
また暴れてくれるなよ。 」
全く聞こえないのは自分が破壊したり無理やり抑え込んだ事ゆえの媒体のストライキか何かと思っていたが、そう簡単なものでは無いらしい。
そして大概自分も彼女に甘い。
そして彼女も意図的でないにしろ、狡い。
涙で湿る掌を退かし、ポケットに手を入れると彼女のお気に入りを弱々しく震える手に握らせて。
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/29 12:17
リシア(鳴神琥珀)
「つっ・・・・一瞬で良いんだ。一つだけ、どうしても確かめたい事があるだけ」
彼の言葉を聞いて、思わずそう言いながら彼の手を弱々しくも握る
その手は何かを恐れるように小刻みに震えていて
「私には、こうなってしまった目よりも重要なんだ・・・・!石の声が全く聞こえない。今までこんな事、能力に目覚めてから、一回もなかったのに・・・・!!」
瞼を落とされた目から、ボロボロと涙を溢す
そんな彼女の頭をよぎるのは最悪の事態だった
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梅
2017/10/29 11:56
Erbaccia
「 傷が癒えるまで返す気は無い。
…今回の事、暫く反省してくれ。 」
努めて優しい声色で、全ては彼女の為だと、伝わるはずもない想いを上記で諭す。
彼女の表情は乏しい。
が、それでもずっと感情的で本能的だ。
空いた手をそっと彼女の目元を覆うように置くと、彼女の瞼を落とさせて。
自分のこの手に治癒能力さえあれば、と思うのとは稀ではない。
「 まずはこの目をどうするか、経過を見ながら考えてみるとしようか。 」
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しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/28 12:32
リシア(鳴神琥珀)
「そうか、私を守るために彼らも命を張ってくれたんだな。私の周囲にあった石は私の手持ち全てだ・・・・治癒の力を持つ石もそこにあった」
悲しそうに顔を歪める琥珀。
激情に身を任せて暴れた結果、大切な友(宝石)を失った挙げ句にこの状態である
胸元のルビーに触れようとしたが無いことに気づき、エルの方を向いて
「紅は無事なんだろう?取ってくれないか」
違反申告
梅
2017/10/28 11:18
Erbaccia
「 ………石は、俺が大半壊した。 」
あの時、暴れる宝石たちを散々破壊したのは自分だ。
彼女の扱う能力の媒体は慣れ親しんだ鉱石のみ。
破壊した中にその鉱石があったというのなら、彼女は間違いなく今使用することができない。
「 お嬢が意識失った後も、能力が止まらなかったんだ。 」
申し訳なさそうに、ただ事実を彼女にはっきりと知らせて。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/28 01:42
リシア(鳴神琥珀)
「何も、見えない・・・・光を、感じるぐらいしか」
掴まれた手から彼のぬくもりが伝わり、安堵の表情になる
掠れた様なエルの声、心配してくれているのが伝わってきて安心してもらえるように
務めて明るい声を出す
「大丈夫だ。石さえあれば・・・・そういえば、私の周りにいた宝石は何処にある?
目覚めてからずっと、紅以外の気配を感じないんだ」
違反申告
梅
2017/10/28 00:35
Erbaccia
「 どした…目、見えないのか…? 」
伸ばされた手に、自分の存在を主張するが如く掴めば喉が掠れるような、そんな声で問いかけてしまった。
彼女の状態は予想していたより随分酷いものらしく、思わず考えより先に焦りが表に出てしまったらしい。
落ち着け、とばかりに呼吸を整え掴んだ手に少し力を入れて。
「 俺は此処だ。
お嬢の身体はあと数週間は絶対安静。
…だが、治癒の能力が使えるなら話は別だ。
どうだ?使えそうか? 」
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/27 23:48
リシア(鳴神琥珀)
「エ、ル・・・・?」
閉じた目に光が入ってきて痛みに顔を顰める
ゆっくりと目を開いても、ただ何も見えない世界が広がっているだけで
自身に声をかけてくれたエルの姿を見ることすら叶わない
「私の目は、身体は、どうなって・・・・しまったんだ」
痛み軋む身体に呻き声を漏らしながら、声のする方へ手を伸ばす
違反申告
梅
2017/10/27 23:25
Erbaccia
「 よォ、やっと目ェ覚めたか。 」
このまま目覚めないかもしれない、なんて危惧し始めた矢先のことだ。
ここ数日、減った人員分の仕事…交渉、不穏因子の処分、その他諸々彼女が目覚めない間に何でもやった。
空いた時間を見つけてはこうして彼女の部屋を訪れ、看病してはまた彼女の父親の指示で動いた。
彼女の綺麗な金の瞳をもう見られないと思うと、珍しく心が痛んだのはここ最近の話。
だがそれも今や杞憂と化した。
無理に引っ張って取りやしないかと気に掛けて目元の包帯をゆっくり巻き取りながら、心配そうに顔を歪めて声を掛ける。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/27 09:08
リシア(鳴神琥珀)
彼女の身体と精神は深刻なダメージを負っていた
それを表すように、琥珀は3日3晩ピクリとも動かない
しかし眠り始めて四日目、僅かに腕が動いて
「うっ・・・・」
苦しげに呻いてから、頭を動かして周囲を見るような仕草をしたと思えば
「石の、声が・・・・ない」
まるで何かを探すように再び辺りを見回しつつ、目を覆う包帯を取ろうと手をかけた
違反申告
梅
2017/10/27 08:16
Erbaccia
すっかりミイラ女になってしまった彼女に複雑な視線を注ぐ。
あの後、部屋へ連れ帰って安静状態に持ち込んだが彼女に対して集中治療を施さないのは裏の人間ゆえか、それとも父親の仕打ちか。
「 万能、最強…なんて、俺は大嘘吐きだな。 」
いつだったか、彼女の能力に対して大層な賞賛をしてやった覚えがあり、それを思い出してはサングラスを外しながら深く溜息を吐いた。
当然だ。最強の四属性に回復、精神支配まで可能だというのに使用者がこんな有様なのだから。
vネックにそれを引っ掛け、まだ床に転がる鉱石の破片をひとつひとつ丁寧に拾っていく。
その石は彼女の血を吸い、乾いて茶色く変色していた。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/27 03:21
リシア(父親の琥虎)
琥虎「お前さんの言う事になら耳を傾けるか・・・・良かろう、もう一度ソレに機会を与える。おい、治療してやれ」
彼の指示を受けた医師が漸くその場で的確な施術をする
少し時間がたって、施術を終えた医師は
医師「傷は殆ど塞ぎました。しかし、強い光を浴びたのか目に若干影響が出ています・・・・少しの間は目が見えないかもしれません、光が目に入らないよう包帯を巻いておきました」
施術された琥珀はみるも痛々しかった
目や肩は当然だが、何故か全身にも包帯が巻かれている
それについて医師は
医師「何故か身体の各所から血が流れておりました。まるで無理矢理動かして切れたかのようです・・・・」
無の境地を使い、無理に身体を動かしたせいであった
違反申告
梅
2017/10/27 03:10
Erbaccia
「 ならばもう一度彼女に機会を。
俺から次は無いと言って聞かせましょう。
減った人員の分は俺なら補えます。 」
その瞳を確と捉え、彼女と同じ美しい瞳に高揚感すら抱く。
だが彼は失って困らずとも此方は非常に困るのだ。
こうべを垂れて上記を、然し時間も差し迫っている為すぐに医師の元へと歩み寄る。
「 早急な輸血と、肩の治療を頼む。 」
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/27 03:02
リシア(父親の琥虎)
琥虎「確かに私の命よりも大切だ。しかし、流石に今回の様に組へ混乱を招く事態を何度も引き起こされると困るのだよ」
そう言っている彼の目は、エルの表情よりも冷めきっており
更に続けた
琥虎「組にとって有害なら排除する。それが私の組長としての務めだ」
違反申告
梅
2017/10/27 02:51
Erbaccia
「 使えなければ、放っておくのですか? 」
ゆっくりと顔を上げ、冷め切ったいつもの表情を彼へ向けながら問う。
咎めているわけではなく、彼の本心を探る為だけのただの質問だ。
「 ご自分の命より大切なご子息…でしたよね。 」
釘を刺すように付け加え、動かなくなった彼女を横抱きに持ち上げて。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/27 02:39
リシア(鳴神琥珀、父親の琥虎)
紅と宝石達という外壁を取り払われた琥珀は何の抵抗も無く、エルの腕へと抱かれる
蒼白く冷たい肌はまるで死んでいる様だが、胸は微かに動いていた
鮮血の色によって、その色味はよりいっそう引き立てられる
人払いを済ませたのち、医師を連れて琥虎がエルの元へ来た
琥虎「ソレの具合はどうだ、まだ使えそうか?」
それによって医師が施術するのか決めるのだろう、命の危機にある少女を前にしても医師は動かなかった
違反申告
梅
2017/10/27 02:25
Erbaccia
「 ふはッ…なァに暴れまくってた石ころが一丁前に知ったかぶってんだァおい?
………俺はあんたらを赦せてねェ、失せろよ。 」
止まらない能力発動は鉱石自体が意思を宿しているから。
能力開花と同じ時の様に彼女へ歩み寄り、両手を広げて炎を、彼女を迎え入れる。
耳障りな定義は最早聞き慣れた。
重みこそあれ一瞬で捕らえたその赤を消滅させては残る鉱石たちに銃口を向けて。
一発一発的確に鉛玉を撃ち込み、鉱石を砕けば漸く静かになる。
「 お嬢、ごめんなァ…痛いよなァ…苦しいよなァ。
俺がちゃんと、道作ってやるから。」
父親に『傀儡』だと思われ、大切なものを次々と奪われる苦痛。
騒然とする組員達には目もくれず、彼女を腕の中に収め、両手を血に染めながらも抱き締めては肩口に顔を埋めてそう、嬉しげに囁いた。
側から見れば友の暴走を哀しむ自分の姿、と言ったところだろうか。
最高の幕引き、彼女の涙は色覚補正越しでもうっとりするほど美しかった。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/27 01:56
リシア(鳴神琥珀)
「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
目を貫くような光と耳をつんざく轟音
無の境地に足を踏みいれていた琥珀にとっては激痛に等しい
グラリと揺れて薄れる意識の中、無意識に呟いた
「何故、娘として・・・・見てくれ、ないの・・・・?」
同時に流れ落ちた一粒の涙
自らが作る血の池へ倒れ込んだ琥珀だが、その周囲は未だに宝石達が囲っておりアメジストの力も失われてはいない
エルに向けて紅が泣き叫ぶ
紅『何故、主を重んじておった貴方がそちらにいってしまったのだ!アレが主へ何をしたかも知っておっての行動か?!』
近づこうとする組員へ無差別に攻撃を繰り出す宝石達
紅の炎が守るように琥珀を包み込んだ
違反申告
梅
2017/10/27 01:32
Erbaccia
まるで地獄絵図の出来上がりだ。
混沌とした残虐で無差別な行い。
その原因が自分だと思うと凄まじい衝動が背筋を駆け上り、口元を押さえた。
そうしないと___歓喜の声を上げてしまいそうだからだ。
鈍く光る紫の光。
それが何の石ころかも検討がつく前に【拒絶】を張るが、その矛先は自分に向けられたものではない様で、広がる狂気の波はびりびりと鼓膜を震わせ脳の髄まで思考を甘く溶かそうとする。
間違いなく、近いうちに彼女の能力はこの組をも包み込み、破滅に追いやるであろう。
その破壊兵器を真心込めて育てたのが自分だという事実だけで理性の糸が千切れてしまいそうで。
…然し、それは今でなくて良い。
そろそろ働かなければ痛い目を見るのは此方だと警告が鳴り響き、ポケットから小さなボールを取り出すと彼女の前方へと素早く投げ込む。
瞬間に弾け飛ぶそのボールから放たれたのは目の眩む程の閃光と大音量。
彼女の研ぎ澄まされた神経にはひとたまりもないと予想し、耳を塞ぐ手を離して。
違反申告
しぉり♥⇔りぃこ
2017/10/27 01:05
リシア(鳴神琥珀)
またしても力を奪われてしまった
流石に三度目をやるほど琥珀は馬鹿ではなく、紅に防御を完全に任せると、無の境地を使った
異常な精神が進化させたのか、一歩と半歩踏み入れた
「アレさえ殺せれば、どうなっても構わない・・・・!」
『主が望むなら、我々は猛威を振るう。私の力は奴に奪われぬ、邪魔する者は全て葬る!』
騒ぎを聞き付けた組員、琥虎に指示された組員が彼女の行く手を阻もうとした瞬間にアメジストが怪しく光った
彼らは一様に狂ったような雄叫びをあげ、全員がその場で悶え苦しみ始めた
「人を酔わせ、果てなき愉悦に堕とす。それがアメジスト」
自身を省みない琥珀の身体は既に悲鳴をあげ、肩の傷口からは既に血がドクドクと流れ出ている
それでも彼女は足を、攻撃を止めない
執念と気力のみで持っていると言っても良い状態だった
違反申告
梅
2017/10/27 00:29
Erbaccia
「 …学ばねェな。 」
徐にその風の中に手を突っ込めばまた剥奪。
視界を遮る物が落ち、手早く何かを書き上げながらまた追いかけっこが始まる。
最中、無駄だと知りながらも彼女へ拳銃を乱発した。
軌道は読まれない様に乱雑に、かつ素早く打ち込む。
最悪当たらなくとも確実にこの発砲音が屋敷内の組員に異常を知らせ、彼女の邪魔をするであろう。
その頃、彼女の父親の元へ猛烈な突風と共にひとつの紙切れが落ちる。
『カノジョが向かった
かまえろ 』
たったそれだけの短い文章だが状況を伝えるには十分過ぎるものであろう。
違反申告
リシア
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瑠璃「待って、エル君。今の琥虎さんは機嫌が悪いから会わない方がいいわ・・・・もし、貴方に何かあったら」
彼の一言に思わず瑠璃は顔をあげて上記を述べた。
そもそも機嫌が悪い原因は自分なので、間違いないと言い切れる。
対する琥珀は瑠璃を手で制しながら、見えない目を向けて声をかける
「・・・・怪我を、するなよ」
彼を信じているからこそ、たった一言そう言った
あァ判る…彼女は今、多少なりとも喜色と安堵を抱いている。
同時に後悔した。
『もっと早くこうしていれば』と、善人面した自分が嘆いていているのだ。
「 俺は…琥虎様に、話付けてきます。 」
この2人の邪魔をしない様に、そっと部屋から出ようと背を向けた。
そろそろ潮時だ…『用心棒ごっこ』もいつまで続けられるだろうか。
「母、さん・・・・?」
エルの言葉と添えられた手に安心し、一緒に部屋へ入ってきた人物に驚いた。
一方、瑠璃は琥珀の痛々しい姿を見て息を飲んだ。
震える手を彼女に伸ばし、頬へ触れる
瑠璃「琥珀、母さんが来たわよ」
「何で・・・・だって、家のしきたりが」
瑠璃「そんなのはもう、どうでもいいの・・・・ごめんね、今まで母親として何もしてあげられなくて。まだ私の事を母と呼んでくれて、嬉しいわ」
堪らず、瑠璃は琥珀を引き寄せると強く抱き締めた。
琥珀は見えない目を見開き、戸惑いつつも包帯だらけの腕を母親の背中に回して
「私にとって、母さんは母さん・・・・だから」
瑠璃「琥珀・・・・っ!」
涙を流す瑠璃と、ただひたすら甘えるように瑠璃の肩口に顔を埋めて目を閉じている琥珀。
親子がこうして再開したのは、実に数年ぶりの事だった
「 …お嬢、俺だ。入るぞ。 」
両目も見えないのに得物を手にしている辺り、どうやら先程よりかは元気そうだ。
彼女の側に歩み寄って屈むと『大丈夫だ』と言わんばかりに彼女の手の中にある得物に手を添える。
「 お袋さん、見舞いに来てくれたぜ。 」
普段と比べればずっと柔らかな、優しげな口調で上記を告げて。
リシア(琥珀、母親の瑠璃)
「も、勿論よ・・・・何か不安になってきたけれど」
薙刀をキャッチして再び担ぎながら、しどろもどろと答える。
とても先程大男を吹っ飛ばした人物とは思えない。
一方、そんな事になっているとは分からない琥珀。
ぶつかり合う金属音に警戒し、身を起こしながら耳を、神経を研ぎ澄ます
「片方はエルの足音だがもう片方は・・・・」
何処かで聞いた事のあるような、懐かしい感じがする。
二つの足音は自分の部屋の前で止まり、念の為に枕元へ置いてもらった長ドスを手にする
「 …あァあ、ド派手にやってくれるなァ。 」
金属器同士がぶつかり合う音、水飛沫の音、実に賑やかで、華やかで…相手らしい戦い方だ。
其処に自分の戦法をすんなりと取り入れられた相手は流石と言えよう。
軽く口笛を吹き、相手を賞賛する自分はというと…職業病だろう。
白目を剥かせた相手を軒下に押し込んでいる最中であった。
作業を終えるのと彼女の母親の方の決着がついたのは同時だったのかもしれない。
手を叩いて立ち上がれは下記を述べながら彼女の部屋の扉に手を掛けた。
「 さァ、お姫様と漸く御対面です。
覚悟は……もう決められてましたね。 」
「退かなかった貴方が悪いのよ?」
太刀を手にしてかかってくるのは自分よりも遥かに巨大な大男。
何度か切り結び、体力的に有利と判断したのか鍔迫り合いに持ち込んできた。
勝ったと言わんばかりの相手へニヤリと笑って
「かかったわね」
先程戦った彼がしたように、刃先から鍔へと薙刀の刃へ滑らせ、鍔から懐に入った瞬間。
容赦なく相手の手首を鋭く峰打ちし、、刀を縁側から庭にある池付近まで吹っ飛ばした。
「ふぅ・・・・喧嘩って言うのは、常に学ぶものよ」
クルリと回転させた薙刀を担いで先をいこうとすると、最後の抵抗なのか幹部が殴りかかってきた。
薙刀を空中に放り出して片手で相手の拳を容易く受け流し、その勢いを殺すことなく鳩尾へと自身の拳をめり込ませる。
相手は痛みに声をあげる前に気を失った。
「 …主命とあらば。 」
とっ、と床を踏んだのを最後に音を忍ばせ、相手の懐へ飛び込んだ。
自分の横に並び構えた彼女の母親は恐らくもう片方の幹部とやり合うつもりなのだろう。
手出しする気は無い。
迎え撃つ様に繰り出される猛攻を避けてはその得物に片手で触れ、また避けては触れる。
余りに距離を縮めてしまえば相手も武器は不要と判断したか、大男も昏倒するような勢いの良い蹴りを突き出してきた。
其処にまたすれ違う様に手を添えながら、するりと背後に回って空いている片手で相手の顔面を覆う。
今まで衝撃に触れていた掌はゆっくりと相手の腹部へ。
例えるならば…撓る鞭、絡みつく蔦。
そして獲物を捕らえた蛇の様な眼光を向けて、肩口から覗く己の頭はモゴモゴと呻く相手の耳元でぬるい囁きを落とした。
「 しィ〜、ほら、静かに…りらァ〜くす。
…お嬢に、聞こえちまうだろ? 」
『恐怖』に震える人間は言葉を無くすか、悲鳴をあげるかのどちらかだ。
相手はどうやら、前者だったらしい。
スッと顔面の手を退けると同時に腹部に込めた【拒絶】を意識化する。
散々集結させてくれた衝撃は一度に相手の腹部へ。
そのまま白目を剥いた相手はずるりと静かに崩れ落ちていった。
彼の後に続いて縁側を行くと、二人の前に複数の男達が立ち塞がった。
琥虎さんの差し金だろうか、武装している幹部達だ。
「何の真似ですか、貴方達。邪魔ですから退きなさい」
幹部「瑠璃の姐さん、すいやせん。此処を通すわけにはいかんのですよ」
その一言に、瑠璃の表情から笑みが完全に消えた
「・・・・素直に引けば痛い目は見なくて済んだというのに」
前にいる彼の隣に並ぶと、片手に携えていた薙刀を構えてから声をかける
「用心棒、命令します。邪魔物は殲滅しなさい」
『そうこなくては。』
にやりと、彼女の母親や父親に向けることの無い悪人面が思わず浮かぶ。
やはりこの意志の強いところを、彼女は似たのであろう。
「 仰せのままに。 」
礼儀正しく応えたが、自分がやる事と言えば安全に相手を彼女の元へ連れて行く事だけだ。
聞こえたか?とばかりに騒ぎを聞きつけて集まった辺りの組員達に目を配る。
これより邪魔立てする輩が現れれば『用心棒』の権威を存分に振るおうではないか。
歩み出した足取りは堂々たるもので、縁側から彼女の部屋へと向かっていく。
彼の言葉を聞いて、様々な考えが頭を過る。
今さら会いに行くなんて薄情だと思われるだろう。
彼に全部任せてしまった方が、自分が出ていかない方があの娘にとって幸せなのではないだろうか?
「・・・・今まで、沢山約束を守ってきたんだもの。これぐらいの我が儘を言って罰なんて当たってたまるもんですか」
最早、完全に覚悟を決めた。
顔をあげて真っ直ぐ彼をみると、目を逸らすことなく
「私の娘の所まで連れていってちょうだい・・・・組長の妻として、夫である組長の用心棒である貴方に命令します!」
上記をハッキリと言い切った。
自分に娘の情報を与えた彼が万が一咎められることがないように、他の場所にいるであろう組員達に聞こえるよう、良く通った大きな声で。
彼女、紅に続いて今日は随分と人の泣き顔を見ている気がする。
よく歌に聴く…涙は本当に人を強くしてくれるのだろうか。
否、己が見てきた涙はそんなものでは無い。
「 では問います瑠璃様。
貴女はご子息に会いになられるのですか。
其れとも、俺に全て任せるのですか? 」
決意が固まったのかそうでないのか、仕方無しの逃げ道まで作って問うてみる。
家に縛られる人間は、彼女を含めて『勿体無い』と思う他はない。
「私だって、会えるものなら会いたいわ!・・・・一人前になるまで母と子は極力会わせる事を禁ずるという鳴神家のしきたりがあって会えないの。・・・・いいえ、あの娘が酷い目に合っているならもうそんな事に構っている余裕は!でも、亡き恩人であるお義母様との約束を破るわけにも・・・・!」
彼の言う通り、普段の自分ならそんなしきたり等構わず力を奮って娘に会いに行くだろう・・・・あの約束さえなければ。
琥虎さんにも会うなと言われているのは確か。教育には一切口を出すなと言われ従ったのも自分なのだ。
「会いたいのに・・・・あの娘に会わせる顔がないわ。今思えば何故琥虎さんを信じたきりで自分では動かなかったのか・・・・娘の幸せをただ祈っていただけなんて、母親失格よ」
無知で愚かな自分に怒りやら何やらが湧いてきて、ボロボロと涙が溢れてくる。
ただ一言ポツリと口から漏れたのは
「琥珀をもう、一人にしたくない」
相手は訳が判らない、といった顔をしているが…実際判らないのは此方の方だ。
何故娘の無事を把握していないのか。
若しくは自ら出向ける立場が無いのか。
ともかく、此処で『何かありました』と簡単に口にするのは非常に危険である。
何が『危険』か、と問われれば当然、
父親が彼女の母親に嘘を吐いているとして…何も知らなかったとは言え俺が母親に本当の事を言っては『父親の立場がまずい』という事だ。
「 自分の目で、確かめられては如何でしょうか。
俺は貴女がご子息に会えぬ理由は知りませんし、
もし琥虎様に『会うな』と言われているのであれば、
普段は大胆な貴女が『此れだけ』大人しく聞いている行為が理解出来ません。
どうか、彼女の為に…会いに行かれて下さい。 」
「それはどういうこと?琥珀に何かあったの?!」
酷く心が傷ついている、と聞いた瞬間。
思わず彼の肩を強く掴んで上記を問い詰めた。
「最近の様子を聞いた時、琥虎さんは「元気で相変わらず生意気だ」と言っていたわ。・・・・本当は、どうなの?お願いエル君・・・・教えてちょうだい」
上記を最後まで言う頃には、力なく頭を垂れながら懇願するように弱々しく呟いた。
「 そうですね…あの方に聞けば俺は必ずその意見に納得してしまうでしょう。 」
彼女の父親は自分が一番腑に落ちてしまう言葉を掛けてくれる…それが良くも悪くも、だ。
故意的なもので無くとも、本当に彼は狡い。
だから彼には聞けない。
「 ですが、彼女に聞いても良いのでしょうか。
彼女は今…酷く心が傷付いていると、思いますので。 」
相手の笑顔にどう応えるべきか、表情筋が混乱して複雑な表情になってしまう。
「参考になって良かったわ・・・・あ、そういえば」
もっと頭を撫でたかったな、と思いつつ余計なお世話かもしれないが一応言っておいてみようか
「いっそ琥珀ちゃんにも聞いてごらんなさいな。私とはまた違った意見が聞けるかもしれないわよ?琥虎さんは参考になら無いわね、あの人ってば堅物だから・・・・」
若いって良いわよねぇ~と思いながら、ニコニコと笑って上記を述べる
「 『忠誠』…ですか。 」
だとすると彼女に抱いている『此れ』も『忠誠』に等しい。
『愛』に属する『肉欲』には値しない…ただ、手元に居てほしい。
護りたい…棄てないでほしい。
彼女の父親に抱いている想いは…『羨望』か。
彼女を所有出来ているその身分が、羨ましくて堪らない。
ならば母親の方も同じだ。
納得がいった様に真っ直ぐ相手を見た。
「 『俺自身』は……あァ、いえ。
その意見、参考にさせて頂きます。 」
口籠った後、すっと相手の掌から横へと逃れて小さく頭を下げた。
「んー・・・・それは『愛』っていうより、『忠誠』だと思うわよ。『愛』なんかじゃなくて『義理』とか『意地』に『羨羨』なんかによるものね」
こうして誰かの頭を撫でるのはいつ以来だろう。
もう何年も琥珀の頭を撫でていないと思いながら、瞼を伏せた彼を拒否されないならと撫で続ける
どの文献を読んでも、この身で体験しなければ判らない。
『愛』は『sexuality』同様に広い意味を持ち、時に矛盾する。
「 では、俺が、若しくはここの組員達が『琥虎様を命を懸けて守りたい』というのも…『愛』故と思われますか? 」
前述を躱しながら、首を傾けて問う。
親にも撫でられた事のない…その掌は余りにも『あたたかく』、瞼を伏せながらに彼女がとても羨ましく思えた。
「あらあら、エル君ってば・・・・好きな子でもいるのかしら?」
心なしか顔の赤い彼を見て、意外だと思ってしまう。
相手は誰なのかという詮索より、まずは彼の質問に応えるのが優先。
「愛してるって言うのは好きって言う感情のもう一つ上、といったところね。その人の為なら何でも出来る、命を懸けても守りたいと相手に思う事があるならそれはもう立派に『愛している』といっても良いと思うわ。」
彼の頭を撫でて微笑みながら上記を述べる
彼に関しては自分も良く判っていない。
と言っても彼の『野望』が純粋なものか、そうでないか、という事だが。
「 いえ、此方こそお二人の内情に口を出してしまい…申し訳ありません。 」
パッと頭を下げて、許しを請う。
自分の腰からは手を離し、相手に気にされない事を願った。
それよりも頭に浮かんだのは彼女の事だ。
これから『彼女の成し遂げたい事』について早々に進めてもらわなければ自分が彼女の父親の方に手を掛けてしまいそうだ。
「 あの、瑠璃様、えっと…不躾なのですが。」
何度も口籠もり、目線を下に降ろした。
「 その『愛してる』とやらは、どうしたら抱けますか…? 」
あァ、せっかく下がった熱がまた上ってしまいそうだ。
「優しく、か・・・・琥虎さんは果たして私をパートナーだと思っているのかしらね。あの人が何をして何を考えてるか私には分からないけど・・・・少なくとも私なりに愛してるつもりよ?」
疲れたせいだろうか、一瞬だけ憂い気な表情をしてしまった。
腰を押さえる彼に思わず愚痴みたいなものを溢してしまう。
「あ、ごめんなさいね!最近少し揉めてて・・・・大したことじゃないから気にしないでちょうだいな」
と慌てて謝罪を入れて
噴き出すのを堪えるために息を必死に止めた。
より一層顔の赤みは増すが、相手に殺されるよりはよっぽど良い。
何故だろう、本当に彼女の父親とは意見が一致してしまうのだ。
「 そ、それはいけませんね。
ですが貴女のパートナーなのですから、もう少しお優しくされては如何でしょうか? 」
降ろされた事でそっと両手を外せばサングラスで隠れている事をいいことに目線をズラしながら上記を問う。
身体の具合といえば、鈍い痛みがあるのは腰部くらいか。
恐らく軽い内出血くらいだろう。
腰を少し押さえ、痛みの程度でそう判断した。
「でも、それじゃあエル君の体に傷が!」
手を顔で覆い、足をばたつかせる彼を取り落としそうになったので一応降ろす
「琥虎さんの治療なんて良いの・・・・あの人、今朝私の事をゴリラ扱いしたの、酷いと思わない?そんな琥虎さんよりもエル君の方が大事なの!」
顔を赤くした彼は可愛らしかった。可愛いと言いたかったが、男の子のは可愛いと言われるのはよく思わないだろう。
下ろす願いは聞くが、治療は絶対にさせて貰うという姿勢はくずなさい
「 いやッあの…、ほんと、大丈夫ですから。 」
180もある身の丈の自分を横抱きに持ち上げるなど、言葉にはとても出せないが…実は衣服の内側は『ゴリラ』か何かなのだろう。
それよりこの格好は余りにも恥ずかし過ぎる。
絶対に父方の方には見られたくない。
カッと顔に熱が上がって来るのが判る。
顔を両手で多いながらバタバタと脚だけを動かした。
落下してもいい、早くここから抜け出してしまいのだ。
「 少し打っただけなので、どうか琥虎様の治療を優先して下さい。
あと俺の立場が無くなるので、お願いですから下ろして下さい。 」
口調だけは冷静に、然し焦りを含んだ声で上記を述べて。
「ごめんなさい、エル君!痛いところは?折れてるところはある?!」
彼と同時に呻いた侵入者をまだ息があったのかと思いつつ足の腱を切って逃げられないようにした後、駆け寄って
「今すぐ医療班を!今朝私が琥虎さんをぶちのめしたせいで行われてる治療なんて後回しにしてとっとと連れてきなさい!!」
旦那は頑丈だから放っておいても大丈夫だろう。
騒ぎを聞き付けた組員へ激を飛ばし、倒れ伏す彼を横抱きに抱えあげて
「 ……うゥ、怖いねェ。 」
塀の向こうから聞こえる悍ましい声に肩を態とらしく震わせ、ポソリと小さな声で巫山戯てみた。
凄まじい叫び声が聞こえてくるが、どうでもいい野郎の悲鳴では流石に気分は高揚しないようだ。
上がらない口角をそのままに、塀のすぐ側で事が終わるのを一服でもして待とうかと考え始めた瞬間である。
「 ………え、 」
妙な音が聞こえてくると認識した時にはもう遅い。
振り返ると目の前いっぱいに広がる塀の塊と悲鳴の主が現れ、重い衝撃と共に其れ等の下敷きになってしまう。
重い、痛い。
か細く呻きながら其れ等の下から抜け出し、顰めた顔を彼女の母親へと向けて、
「 お見事です。 」
と皮肉を飛ばしておく事にした。
「ありがとうね♪」
此方も口の動きだけで伝え、足音を立たないようにするのと彼の手の上に乗ることを考慮して下駄を脱ぎ捨てて走り出す。
「よっこい、しょ!」
彼の手に乗ると、タイミング良く上へと上げてくれる。
勢いそのままに塀を飛び越え、銃を手にした侵入者の姿を捉えて
「こんにちは、我が家に何の用事かしら?」
にこりと微笑みながら着地するのと同時に相手の首もとへ薙刀の切っ先を突きつけながらそう声をかけてから
「あ、返事はしなくて良いわ・・・・うちのモンに手ぇ出そうとして五体満足で帰れると思ってんのか?今のアタイは虫の居所がちぃっとばかり良い。手足の数本で勘弁してやろうじゃねぇか!」
侵入者「ぎゃあああ!!」
阿鼻叫喚が木霊した瞬間、重く鋭い一撃と共に塀へ侵入者が叩きつけられてめり込んだ。
念の為にもう一撃加えれば、塀は見事にぶち抜かれて
「あ゛っ!向こう側にエル君がいるの忘れてたわ!!」
あらぬ方向に腕が曲がった侵入者を踏みつけながら慌てて彼の無事を確認した
「 あァ、はい。
判りました。 」
相手のやりたいようにやらせてやろう。
素直に頷くと塀へ向かって相手に言われた通りの態勢を取る。
「 いつでもどうぞ。 」
口の動きだけでそう伝えると、小恥ずかしい格好ではあるが相手をいつでも塀の向こうへやれるように構えた。
「ありがとう、エル君。・・・・一つお願いがあるんだけどいいかしら?」
草をむしり始めた彼にしか聞こえない声で下記を述べる
「ちょっとあの塀の近くに行って片膝をついて欲しいの。手はバレーをやるときみたいにして・・・・私がその手へ上手い具合に飛び乗るから、勢い良く腕をあげて私を飛ばしてもらえないたいのよ」
かなり無茶な要求なのは自覚している。
しかし、一度で良いからコレをやってみたかったのだ
もはや警備が緩すぎる、などという突っ込み的な心情は無駄だと判断し、重々しく首を動かしながら指定された場所を見た。
疲れていると言う割には良く口は動くし、まだまだ現役、元気そうだが此処で『曲者』をお任せして良いものか。
これで彼女の母親が怪我でもしたら自分が失脚してしまう可能性だった無い訳ではない。
と言っても止めたところで相手が自分の言うことを聞く筈は無いと、考える間も無く結論が出る。
「 俺は…何も見てません。
此処で草を毟ってるだけです。 」
もうご自由にどうぞ、と言わんばかりにその場に屈んで上記の通り草を毟り始めては、今からお陀仏するであろう『曲者』が可哀想な姿になるのを態々見ても仕方なく、目線も地面に落とした。
「あらあら、こんなオバサンの相手をしてくれてありがとうね。本気でやってくれて嬉しかったわ!もしも適当にあしらわれちゃってたら、背後から薙刀で遠慮なく奇襲していたかも♪」
わざわざ縁側にまで運んでくれる彼の気遣いに頬を緩めつつ、細いわりに筋肉がついているのを感じて表には出さなかったが少し驚いた。
「もう若くないわねぇ・・・・侮られちゃうぐらい、昔の気迫や力もすっかり衰えちゃって」
降ろされた縁側で一息ついて、疲れたように脱力する。
しかし、衰えていないものもあるようで
「・・・・あら、エル君から直線上の塀の外側に誰かいるみたいね。疲れているけど負けたままも悔しいし、少し遊んでこようかしら」
殺気を感じるのは昔から得意だ。この感じだと狙われているのは自分ではなく彼で、彼を傷物にしたら娘が悲しむ姿が目に浮かび、再び薙刀を手にして立ち上がって
『降参』の単語が聞こえた瞬間にすぐにその場から動いた。
彼女の母親を労る様に背と足に腕を回して横抱きに持ち上げ、縁側で降ろす。
「 ええ、とても痛かったです。
下駄と貴女を侮ってましたよ…ははは。 」
相手の身体に付いてしまった土を丁寧に落としながら小さく笑う。
コレが巫山戯た相手なら適当に負けて、媚を売って終わりだが、今回はそうじゃない。
自分を見る相手は間違いなく"何か"を試していたに違いないのだ。
若しくは、気晴らしか何かだろう。
とにかく真面目にやらなきゃキレられていた。
自分の対応はコレで間違いなかったのだ、と密かに心配する自分によく言い聞かせておいた。
彼の言葉を聞いてからしまった、判断を誤ったと考えた瞬間には既に地面へ押し倒されてマウントポジションに持ち込まれてしまっていた。
薙刀の柄から手を離し、大きく息をつきながら四肢から力を抜き投げ出して
瑠璃「アッハハハ!降参よ、エル君。怪我なんて心配しなくて良いわ、私の当てた下駄の方が痛かったでしょうし」
こんなに汗を流し、相手と手の内を読みあったのはいつぶりだっただろうか。
思わず昔のように大声をあげて笑いながら、自分を見下ろす彼を見て思った
やっぱりエル君になら、私の可愛い娘の幸せを託しても大丈夫そうね、と
牽制された薙刀に不安要素は比較的少ない。
だが残る四肢の内2つは自由なのだから必ず抵抗的な防御が来る。
「 それで、良かったのですか? 」
淡々と、サングラス越しに相手を見た。
少し残念そうに、そして…嬉しげに。
はしたない、と相手がご子息ならケチを付けただろう。
下駄など、と軽く見るつもりはない。
勿論当たったし、結構痛い。
だが構わず襟首を掴んでふらつく相手の鎖骨部分を強く押す。
恐らく相手の全体重を支えているであろうもう一方の足へ、すかさず足を引っ掛けると地面へ押し倒した。
馬乗りに胴を跨ぎ、いつの間にか手離した警棒の代わりに薙刀の柄を確りと掴めばマウントポジションだ。
「 お怪我は…御座いませんか。 」
降参するまで此方も気を緩めるつもりはないが、見下ろした相手を見ながらそう言葉を掛けた。
最初はまるで近所を歩いているような緊張感のない歩調だったにも関わらず、リーチに入った瞬間に急加速してきた。
当然、それは予想しており取り乱すことなく次の動きを注意深く観察し、油断なく構えていれば又もや予想通りに警棒を振り下ろして来たのだが
「な・・・・っ?!」
流石に薙刀へ強く打ち付けられるのは僅かな可能性として予想していたが、その力強さに防御の構えもしていなかった為薙刀を取り落としそうになるが何とか持ちこたえて
「そうは、させないわよ・・・・!」
例え歳を取ってたとしても、かつて最凶と謳われた女は伊達ではなく、襟に伸ばされる手が到達する前に体勢が崩れるのを承知で足に履いている下駄を彼に向かって蹴り飛ばした。
「 俺はレディファーストを心掛けているのですが…まァ貴女がそう仰るのなら仕方ありませんね。 」
スッと下げていた腰を上げれば無礼構わずくつくつと喉を鳴らして嗤ってみる。
明らかに警戒されている。
面白い様に張り詰めたその糸をどう弄ってしまおうか、などと日常的な癖が脳裏に浮かんではゆっくりと一歩を踏み出した。
まるで散歩でもしているかの様な能天気な歩調。
だがそれも相手のリーチ1歩手前までの話だ。
強弱をつける様に急加速で地を蹴り、相手の肩口目掛けて警棒を振り下ろす。
此れだけでも読み難い様にとペースを崩したのだが。
更にひと工夫、という思考回路は前座で流石に相手に読まれているのかもしれないが構わず振り下ろす軌道をずらして視線隅の相手の得物へと警棒を打つける。
元よりそうするつもりで警棒を振ったのだ。
同時進行で逆の手を構えては相手の襟へと手を伸ばして。
瑠璃「生憎だけれど、こう見えても自分がどこまで出来るかぐらいは弁えているつもりよ」
本当なら彼が起き上がる間に攻撃は可能だった。
しかし、自分の勘が告げたのだ・・・・この相手はいつもの相手とは違う久方ぶりの大物だと
「私ばかりが先手に回っても良いのかしら?
エル君をが先手でも構わないなよ、そちらが後手ばかりなのは些か公平ではない気がするし」
まずは相手の戦法や癖を見極める。
普段は挑発などには喜んで乗るが、今回ばかりは慎重に行かなければならないだろう
「 おや、貴女ならもっと攻めてくるものかと思いましたが。 」
悔しくもあと数cmというところで相手に退かれ、ゆらりと立ち上がりながら身体についた土を叩いた。
挑発的な言葉を掛けつつ警棒を持った手をくるりと回せばまたその場で構えた。
然し次は腰を少し落とし、姿勢を低くしたまま相手を待つ様な態勢だ。
「 さァ…いつでも来て下さい。 」
「ええ、そうさせてもらうわ」
刃に警棒が当てられ、やはり男とは力が強いもので押しきれなかった。
相手が懐に飛び込んで来ると思った瞬間、視界から彼の姿が不意に消えた。
何処だと探すよりも早く、己の本能と長年培ってきた戦闘経験が警告を発し、反射にも近い速さで後ろへバックステップを踏んだ
こういう人の事を『大胆』と言うのだろう。
飛び込んできた相手には申し訳ないが先ずはリーチぎりぎりまで下がってすんでのところで回避する。
心理戦にも近い、このぎりぎり当たらない感覚は下手な相手ならば焦らしいものだ。
何も【拒絶】出来るから、と楽をして生きてきた訳ではない。
【拒絶】は対能力戦の為にあるのだから。
素早い刃先は惜しみの無い速さで目の前を通り過ぎていき、此処で自分は動く。
「 倣えるのであれば、どうぞ。
護身術とでも思って取り入れて下さい。 」
警棒を刃に当てて牽制。
思ったよりも重い薙刀の一撃に眉を寄せるが、そのまま自分の方向には向かない様に鍔迫り合いで詰め寄りながらもその刃先から鍔へ。
鍔から柄へ、と警棒を滑らせて相手の懐へと迫っていく。
此処で懐に蹴りやら警棒やらと詰めの甘い攻撃をするつもりは無い。
咄嗟に身を倒し、スライディングの様に地面を滑ると一時的に相手の視界から消え、不意に足元を狙う。
「良い考え方ね~♪私は刀、弓、、拳法ぐらいしか使えないし、今からでもエル君を見習って新しく習得しようかしら」
彼の持つ警棒は以前何度も相手をしたことがある(どんな相手とは言えない)が、自身の夫が一目置く存在である程の人物である以上油断は禁物だ
「勿論、全力でいかせて貰うわよ」
力強く地面を踏み、跳躍気味に相手へ肉薄しながら小手調べとして上下左右を縦横無尽に連続で斬り捨てるつもりで薙いだ
「 俺の得物は色々です。
偏った武器は隙を生みますので。 」
縁側から庭へと出て、さて何で戦おうかと思案する。
半端な得物では間違い無く相手に叩きのめされるであろう。
然し、あの薙刀のリーチに入るのは同等の長さの武器か…いや、此処は、
「 コイツでいきます。
能力は使いません…全力でどうぞ。」
何故それを持っているのかは突っ込まないでほしいが、自分が取り出したのは短い棒切れ…『警棒』だ。
到底彼女のリーチとの差は埋まらない…が、これで良いのだ。
瑠璃「そうこなくっちゃね!エル君の武器は何からある?こんなオバサンになっちゃったから実力は余りないと思うけれど・・・・此方こそお手柔らかにね?」
大きな声で組員を呼びつけ、着物の袖を結うサラシと自身の得物である薙刀を持ってこさせて
瑠璃「あ、エル君の武器が何もないなら勿論素手で戦うわよ」
着物をたすき掛けにし、やる気に満ち溢れていた
「 え…俺ですか。 」
言ってすぐ馬鹿な問いをしたと後悔する。
自分以外誰がいるのだろうか。
逃げ出してしまいたい気分だが顔が引き攣りそうになるのを抑えるので精一杯だ。
何故こんな逃げ腰なのかは彼女の父親を見れば判る。
さて、自分は生きて帰れるのだろうか。
小さく心の中で手を合わせておいた。
「 判りました。
お手柔らかお願い致します。 」
瑠璃「そう・・・・また会えたら良いのだけれど」
『かたじけない、Erbaccia殿・・・・もう瑠璃様の視界に私が映ることはないだろうがな。それでは私はそろそろ姿を保っているのが限界故、主のところへ戻らせて貰う。また後で主の元へ来てやってくれ』
深々と一礼をすると、紅蓮・・・・もとい紅は炎となって姿を消した。
そして、話が終わったはずなのに瑠璃は彼の肩を話さずに下記を述べる
瑠璃「エル君、ちょっと私に付き合って貰っても良いかしら?・・・・私と一戦、拳でも刃でも構わないから交えて欲しいの」
自分の眼にはきちんと紅の姿が見えている…が、彼女の母親には見えなくなってしまったようだ。
『見えなくなった』というよりかは『また元に戻った』と言った方が正しいのかもしれない。
「 瑠璃様、ご安心下さい。
その…"紅蓮"という方はどうやら貴女の望みを叶える為に一時的に消えた様です。 」
これが自分が通訳する中で1番適当な言葉だと思った。
感傷に浸るつもりはないが、お互いに主従関係として様々な想いが行き交いしているのであろう。
静かに、そっと相手へと上記を伝えた。
瑠璃「あらエル君、何処へ行くのかしら?まだ話は終わってませんよ。私と彼の通訳をして貰わないと困るわ」
『おい、何処へ行く。お前には通訳という大事な仕事があるだろう?』
それぞれがガシィ!と彼の肩を掴み、笑みを崩さずに物凄い力で引き留める瑠璃と羞恥から立ち直った紅。そして話は続き、
瑠璃「それでね、その子にお礼をしようとしたら断られちゃって・・・・どうしてもお礼がしたいと言ったら『お礼として自分に名前をくれないだろうか』と言ってくれて。その子の赤い髪と目が澄んでいてとても綺麗で、思わず“紅蓮”と名前をつけたのよ」
そう言い終わると、瑠璃は恥ずかしそうに俯く紅に目を向けて微笑みながら
瑠璃「分からないなんて言って御免なさい、紅蓮。貴方ってばこんなにも大きくなっていたんだもの・・・・声は聞こえくなってしまったけれど、私に力を貸してくれた紅蓮の面影があるわ。紅蓮は人間じゃないと思っていたけど、本当に人ではないのねぇ・・・・貴方の事だから、今でも私に忠誠を誓うと言うんでしょう?」
『勿論です、瑠璃様。貴女様が私と関わる力を失ってもその命が尽きるまで傍に居ります。』
瑠璃「責任感が強い紅蓮、私が願った事も律儀に守り続けてくれている様ね・・・・“私の娘が幸せを手にするまで守って欲しい”と願って琥珀にあのペンダントを譲ったあの日から、紅蓮は見えなくなったわ。きっと今見えているのも奇跡なのかもしれない・・・・だから伝えて置きましょう」
目の前に立っている、かつて“紅蓮”であった青年に瑠璃は昔の琥珀と同じ笑顔で
瑠璃「今までありがとう、紅蓮。もしも琥珀が幸せになったら、貴方が良かったらまた私の傍にいて欲しいの。紅蓮は私にとって兄弟みたいなものだから・・・・もうあの頃みたいにとはいかないけれど、また一緒に暴れましょう?」
『・・・・それが瑠璃様のお望みならば、私は叶えましょう』
そう言って彼が答えた瞬間
瑠璃「あら・・・・?紅蓮??何処にいったの?!」
瑠璃の視界に、彼は映らなくなってしまった
思わず目が点になった。
自分は一体何を聞かされているのか、と問えばまァ彼女の母親と石ころの馴れ初め、でなく単なる過去話なのだが。
「 そ、そうでしたか。
ではお2人を邪魔する訳にもいきませんし、
俺はこれで…… 」
違う、あんたらのイチャつきっぷりが聞きたかったわけではない。
内心、全力で突っ込んでおいてやった。
とにかく2人が昔から縁を繋げていた関係という事は判った。
彼女の母親の話は何かと長いし、苦手だ。
気になった点は多くあるが『翻訳係』という大役を捨ててその場から立ち去るべく背を向けようとして。
瑠璃「ええ、勿論知っているわ。まだ鳴神ではなく水無月の名字を名乗っていた頃、馬鹿な私は百人の不良相手に鉄バット一本で勝負をしたときがあってねぇ・・・・半分は減らせたのだけれど、流石に数が多くて刃物を持った奴もいたわ」
遠くを見るような目で、懐かしそうに語る
瑠璃「そんな時、一人のまだ15才ぐらいの男の子が喧嘩に割って入ってきて私を庇いながら『女一人に男が何十人がかりで喧嘩を吹っ掛けるなんててめぇら男として恥ずかしくないのか!』って叫んだのよ。・・・・ここから信じるかはエル君次第なんだけれど、その子が叫んだ瞬間地面から一斉に燃え盛る火柱が幾本も吹き上がって不良達に大火傷を負わせたのよ~」
何処か嬉しそうに話す瑠璃の前で、対する紅蓮は喜ぶ処か何故か地面に崩れ落ち頭を抱えて
『其れ以上は言わないでください、瑠璃様!あれはほんの若気の至りで言った言葉なのでありましてええええ!!』
黒歴史を暴露された中二病青年の様な反応をしていた
「 瑠璃様、不躾ですが"紅蓮"という名に聞き覚えはありませんか? 」
成る程、様子を見るところによると2人は彼女の様に主従関係とも取れる。
昔からあのネックレスを下げていたのだから母親から譲り受けたと仮定してもおかしくはないだろう。
自分を翻訳係にされるのは癪だが仕方あるまい。
奴の必死さを汲んで目の前の母親へと上記を述べては続いて下記を付け足し。
「 彼はご子息の装飾品にあるルビーの化身…のようなものなのですが。 」
瑠璃「ええ、ハッキリと見えてるわよ。貴方の名前は?」
『瑠璃様、私です!今は姿こそ違いますが、かつて貴方に仕えていた“紅蓮”でございます!!』
しかし、頭を垂れて声を発した自分を怪訝そうに見つめる彼女。
そして自分に近づいてきたかと思えばErbaccia殿の方を向いて
瑠璃「エル君、彼は何と言っているのかしら?私には何の音も聞こえないのだけれど・・・・初めて会う子だけれど、この子は私の知り合いなのかしら?」
『つっ・・・・まさか、忘れられてしまったのか。かつて苦楽を共にし、時としては我が力を使い死線をも潜り抜けたあの日々を』
思わず目の前にいるかつての主に手を伸ばすが、己の手は空を切り、彼女の身体をすり抜けた
「 あァ、判……… 」
『判った』と返そうと口を開いたが其れは奴の言う足音の存在によって最後までは紡がれはしなかった。
焦った様に振り返ればほんの少しは安堵して肩が下がる。
足音の正体が母親でなく父親の方であれば明らかに自分は怪しい存在として見なされていたであろう。
それよりも彼女の発言が妙に引っかかった。
「 此れは此れは瑠璃様…えっと、
此奴が見えて…いらっしゃるのですか…? 」
『うーむ・・・・出来れば主の手により供養してやって欲しい。後、主から私を取り上げるのは賢明ではない、私が主の身体を癒す事を多少なりとも促進しているからな。』
何やら怒気を感じるが、何かしただろうかと思いながら触らぬ神に祟りなし。
頬を掻きながら上記を述べると、誰かの足音が近づいてきた
『おや、こんな人通りが少ないとこらにいったい誰が・・・・』
振り向けばそこにいたのは、主の母である瑠璃様。
瑠璃「あら、エル君・・・・と、そこにいるの君は誰かしら?」
瑠璃様はそう言いながら、自分の方を向いて話しかけてきた
「 ………言いたい事はそれだけか。 」
ドスドスと胸に突き刺さる言葉を一斉に浴びせられ、意外にも軽い殺意が沸くほど苛立ったがさてどうしてくれようか。
ポケットに突っ込んだ拳をわなわなと震わせ、意図的ではない相手の言葉に暫し耐える。
最後の言葉は…聞かなかったことにしよう。
態とらしい咳払いの後に下記を述べた。
「 ん"ん"ッ、おい石ころ。
俺が壊しちまった他の石ころ供はどうしたらいい…?
現状、お嬢が所有してンのはあんただけだ。 」
『本当にありがとう・・・・』
漸く涙も止まり、一度自分の手の甲で涙をごしごしと拭って
『初めて会った時には何だこの生意気な主に近づく童はと思い、最近はかなりの悪人面でチャラそうな見た目かつ若干キツイ香水か漂うずる賢い奴だと思っていたが・・・・訂正しよう。貴方は良い人であった』
かなり失礼な言葉が混じっている事は無自覚である。
そして、完全に涙を拭い去ってから
『主が貴方を異性として好いている理由が分かる気がするよ』
「 馬鹿石ころ、違ェよ泣き止めって事だ。 」
姿を変えようが涙は止まる兆しを見せない。
見当違いの解釈をしているようで、自分よりずっと感性が豊かで涙脆い年寄りの石ころに上記を述べて、肩を竦めるとまた涙を袖で乱雑に拭ってやり。
「 安心しろ、『予定』つったろ?
お嬢が望むまでは連れては行かねェよ 」
『ううっ・・・・かたじけない。主の事を、頼んだ』
そういえば彼の姿を借りていたなと今更に思い出した。
しかし、止めようと思っても涙は止まりそうにない。
元の姿に戻るしかないか、と結論に至って目の前にいる彼には何も言わず姿を変え始めた
『この姿なら、泣いても良いだろうか。どうにも歳を取ると涙腺が弱くなってしまってな』
自分の本来の姿は長い赤髪を後頭部で結い、同色の袴を着ている男だ。
最も、石に性別など存在しない。
『もう一つ頼みがある・・・・まだ主を此処から連れ出さないで欲しい。主はまだやり遂げていないことがあり、恐らく弱った今でもその事を忘れては居ない筈なのだ』
「 どうしていつもッ………、
…いや、もういい、判った。 」
振り向かされた衝撃で言葉に詰まる。
彼女の母親に託され、更にはこの石ころにまで頼み込まれる始末。
そう、事の発端はあの時、この場所に軽率な気持ちで忍び込んでしまった自分にもあるのだ。
相手の言葉、涙、そして気付かされた真実に脳内で組み上げていた語彙が乏しくなり、上記を続ける事しか出来ない。
「 元からお嬢は俺が連れて行く予定だ。
あんな私欲に塗れた男の思い通りにさせる気も、能力を使えないままにするつもりも毛頭無い。 」
相手の目元に手を伸ばせばやや乱暴に涙を拭い、疲れた様な冷静さを取り戻しつつある様な口調で告げる。
中々自分の泣いている姿というものは滑稽だ。
「 俺、涙流す様なキャラじゃねェのよ。
お嬢の目ン玉だから仕方ねェが、その顔で泣くのはもうやめてくれ。 」
『ああ、そうだ。何度も言うがお前に支えて欲しい。
主はこの秘密をお前に明かさなかったというわけではない・・・・お前が言う内側の扉の開き方を知らないのだ。
だから、お前から主に開き方を教えて欲しいと思っている。肉親の瑠璃様でも、長年寄り添ってきた私でも出来なかった事を成し遂げたお前なら出来るのではないかと』
彼の方から目を逸らすとは思わなかった
しかし、最後のこの言葉だけは目を見て言いたい
そう思って彼の肩を掴んで体ごと此方を向かせて
『何故なら、お前と出会ったあの日。主は初めて心の底から笑顔になったのだ・・・・正直に話せば私はお前が羨ましい。私が今この姿を取っているのも、心の何処かでお前になりたいと思っているからなのかもしれん』
あの時は本当に驚いた、作られていない純粋な笑顔と言葉を初めて聞いたのだから。
そして、彼の肩を離して静かに腰を折り頭を下げた。
その拍子に主から預かっている目から涙が溢れる
『無理を承知で言っているのは分かっている。だが、他に打つ手がないのだ・・・・主はこの世の全てを拒絶しようとしている。しかし、お前は・・・・Erbaccia殿はまだ主に拒絶されていない唯一の存在だ』
言い終わってもただひたすら、頭を下げて止まらない涙を地面に落とし続けた
「 …成程、今の今まで俺に相談できないくらいの事がこれかよ。
それで…?
俺に此奴を支えろってのか。 」
今回は本当に目を逸らした。
彼女にだって隠し事の1つや2つはあるだろう。
だが初めて出会った時に見せたあの笑顔でさえ、この光景を、あの父親の命令を聞いた後では作り物の様に思えてしまう。
それが堪らない程、自分に疎外感を与えた。
「 すぐ側に居たあんたでさえ支えきれない重荷を、秘密すら明かしてくれない彼奴をか?
冗談も程々にしてくれ…
内側の扉ってのは自身が相手に開こうと思わなきゃ開けるモンじゃねンだぞ。 」
『私は主がこうして虐げられていると言うのに、何も出来なかった・・・・!我々は石の声を聞く者が居なければ意味を成さない、そんな私が出来たのはただ主の傍に居続けるだけ』
目を逸らすこと無く、歯痒い思いを吐露する。
自分が人間になれるならばと叶わぬ願いを今尚抱き続けて。
そして、指を鳴らせば場面が変わる
それは成長した主が数年の時を経て座敷牢から出る時
主の顔は疲れきり、何の感情も写していない
そんな主に声をかけるのは父親である男
琥虎『これからは武術の修行、次期組長としての教育、人を傷つけ殺す事に慣れてもらう。お前に拒否権はない』
琥珀『・・・・はい、お父様』
機械的に頷き返事をする主とそれを見て満足そうに微笑む男。
この年頃ならはしゃいでいて当然にも関わらず、主は笑う所か表情をピクリとも動かさない
琥虎『笑え、いくらお前が私の傀儡と言えどそれを知るのは一部の上層部のみ。怪しまれてはならん・・・・笑えるな?』
琥珀『はい、笑えます』
そう言って笑った主の顔は、何処か悲しみと諦めの色があった
「 …餓鬼相手にゃ上手い手口だな、糞食らえ。 」
目を逸らし、耳を塞いでしまいたい衝動に駆られながら、小さく悪態を吐いた。
捨てられる事の恐ろしさなんて、自分がよく分かっている。
隣の奴が言うことは最もだ。
普通、こんな状況に陥った餓鬼に心の余裕なんてある筈もない。
今はただ、この悲惨な場面を静かに脳裏に焼き付けて。
『当時の主は心が負の感情で支配されていた。幼いながらに女として生まれてしまった後悔、父親に捨てられるのでは無いかと言う何よりも大きく圧倒的な恐怖・・・・右も左も漸く分かり始めた様な童が耐え、我々の声に耳を傾ける余裕があると思うか?』
彼と同じ様に伸ばしかけた手をもう片方の手で抑えながらあくまで淡々と話す
しかし、声は確実に震えていて
『アレ(父親)はこうする事で自分に依存させ、言う事を聞く傀儡や手駒を作ろうとした。・・・・瑠璃様は諸事情で主の育児へ手を出す事を固く禁じられていてな、教育と言う名の洗脳、躾と言う名の折檻によって主は育てられた』
変わらず目の前で泣く彼女の姿。
血が滲むぐらい手をきつく握りしめていた
「 ………何故この時、能力が開花しなかったんだ? 」
彼女の母親は何をしているのだろう、何故父親はこの様な仕打ちをしたのだろう。
そんな紙面に掲載されたら誰しも思うだろう、一般的で客観的な、自分を蚊帳の外にしたそんな考えがまず浮かんだ。
彼女を見ると冷静になれるのは癖なのだろうか。
悲痛な彼女の叫びに伸ばしかけたては止まって、ゆっくりと降ろすとこの悪夢を見せている張本人に問い掛けた。
「そうだ、私はお前に主を押し付ける
だからその目に焼き付けろ・・・・私が見てきた全てを託す」
最初に見せたのは暗い暗い部屋
そこは冷たい座敷牢、地下ゆえに光も入らないそこでまだ幼い主が鉄格子を掴み泣く姿。
過去の琥珀『此処から出して・・・・良い子にするから、言われた通り、お父さんの望むような子になるから・・・・女に生まれてきて、ごめんなさい』
ひたすらうわ言のように繰り返される言葉。
鉄格子を掴んでいない方の手で握っているのは首から下げたルビーのペンダント。
それ以外は薄い肌着のような着物しか纏っておらず、気温が低いのか足や手は悴んでいる
自分の気持ちは今、目の前の彼に伝わってしまうだろう
しかしこれを見る度に思ってしまう
何故、私は力があるのに主を温めてやれないのかと・・・・
「 散々やっといてから俺に押し付けて、
ンで、あんたはその後逃げるのか。
このッ____ 」
久方ぶりにキレそうだ。
上等じゃないかとばかりに近付いてくる相手に拳を握り直した。
今の自分は至って理性的だが冷静ではない。
だから炎に包まれるまで、目の前の奴の考えを察する事が出来なかった。
ぶわりと己を包む炎。
危険因子と見做して【拒絶】を展開しかけるが、奴の言葉に引っかかって能力は意識化されなかった。
「心が弱い者に力を貸せば、行く先は双方破滅のみ。
主の能力は我らと対話する事で得られるもの。
片方が声を聞かなければもう片方も破滅することはない」
人間みたいだと、目の前の怒っている男は言った
・・・・そうだったらどれだけよかっただろうか
それを悟られないように引き続き淡々と述べる
「私はいざとなれば主から離れる事を考えている。
・・・・能力を使える人間の宛がないわけでもないからな
そして何より、声をかけ続ける役目を担うのは私ではない」
殴られるのを承知で、彼と距離を詰めた
自身の炎を灯した拳を彼の胸に突きつけて
「主を支えるのはお前の仕事だ、若造。
だからこそお前は知らねばならない・・・・主の過去を」
言い終わるのとほぼ同時に、炎が彼の体を包み込む。
伝えるのだ、主が歩んできた人生を。
最早彼に託す以外に道はないのだから
「 …あんたの声が聞こえないから、力は使えないって言うのか。
お嬢の心が弱いから力を貸さないのか。
石ころの癖に、人間みたいだなあんた。
結局のところ、お嬢じゃなくたって誰だろうがあんたの思うようにいけばそれでいいって訳だ。 」
自分でも驚くほどに声が怒りで震えていた。
だが違う、本当に自分が憤りを感じているのは其処では無い。
その程度で能力を【拒絶】でき、無かったことにしてしまう事が可能な…その単純能力に嫉妬、或いは羨望しているのだ。
そして彼女の精神が弱い事など自分でもずっと昔から知っていた。
顔に出まいが彼女は泣くし、憤る。
見覚えのある面…親面して彼女を知ったかぶったその態度が1番気に入らない。
彼女と言う作品は最高だが、その材料は屑以下だ…そう、客観的に判断せざるを得なかった。
「 だがあんたはお嬢を捨てる事は出来ない。
何故だかはテメェで一番判ってンだろ?
他に誰がその能力を扱えンだ、おい。
しのごの言わず声掛け続けろってンだ。 」
その時、どれだけその美しい瞳を疎ましいと思った。
ポケットに突っ込んだ片手は沸き起こった殺意を隠し切れずに握り締められていた。
「中々的を射ている、八割私の意思、二割は主の意思だ。」
この男の考察力は中々だ
油断をしていたら此方も足元をすくわれかねない程・・・・
彼を敵に回すと思うとゾッとすると思いながら続きを述べた
「確かに貴男の言うとおり、主が今力を失えば私のみならず主にとっても不利益。
主は今回の件で、自分に秘められた力が望めば望むだけ出てくるある意味底無しに近いものだと実感したでしょう
主はそれを驕らず寧ろ危機感を覚えた。だからこそ、僅かですが無意識のうちに力を拒否している
しかし、私が完全に力を奪った理由は他にある」
普段長く本音をしゃべることは滅多にない
思わず疲れた様に一息ついて、また話を続けて
「何故、不利益にも関わらず私が主の力を行使しようとする呼びかけに応えないのか、答えは簡単です。
主は此の世界から逃げたのですよ・・・・・この世の全てを拒絶し、自分の殻に籠もってしまわれた。
分厚く何層にも重ねられた殻の前では私の声も聞こえるはずがありません。
・・・・・何より、その様な脆弱な精神の持ち主に我々は力を貸したくはないのですよ。」
今の私はアレ(琥珀の父親)同様に冷たい目をしている事でしょう
さて、彼の反応は如何なものだろうか
「 …さァて、何だろうな。
あんたの意思で行ったのか、目と同様にお嬢の意思を受けて行ったのか。
それで話は変わってくる。 」
考えるように、唇に手を当てて荒れたそこを弄り始める。
力を失うという事は彼女が父親から必要とされなくなるという事と等しい。
使えない奴に需要を抱かない彼の事だ、今の状態が知れでもしたら下手をすると娘である彼女を消す事だってあるかもしれない。
そんな危険が伴う行為を目の前の石ころ野郎がするだろうか。
何か考えがあるならば別として、上記で述べた前者の可能性は薄く感じる。
後者だとしたら考えられるのは…彼女なりに今回の騒動に反省の意を示した贖罪か何かか。
いや、難しく考え過ぎなのかもしれない。
もっと単純な何かが___
そうこう考えたが結局結論には至らず、結局ひと言も発せられないまま唇から手を離せば下記を述べた。
「 何にしろお嬢の不利益はあんたの不利益だ。
検討はついちゃいねェが色々考えはしたさ。
要するに…回りくどいのはいいから早く教えろ。 」
『流石Erbaccia殿、ご慧眼で在らせられる。主が愛らしくて堪らぬのも事実だ』
恭しく御辞儀をした後、真剣な表情と声色で
彼の目を見つめ逸らすこと無く下記を言った
『私が意図をもって主の目を奪ったのは他でもない。主がそう強く望まれた故・・・・もうこの世界全てを何も見たくない、と。主の心が痛むぐらいなら、私の中へ心が癒えるまで一時的に預かる事にしたのだ』
そして、空いている方の手で指を一本立てて
続けざまにゆっくりと二本立てる
『これが目が見えない理由だ。次に力を使えぬ理由だが・・・・貴方なら既に検討がついているのではないか?
一応、どうお考えなのかを聞いておこう』
「 可愛くて可愛くてしょうがねェ主人に巫山戯て掛かるようなあんたじゃねェ。
…それなりの深い訳があるだろ。 」
石が具現化した時から何かあると睨んでいた事もあって驚愕、とまではいかないがその意図は未だ掴めないまま。
金に輝く双眸に目を細めながら、自分の顔にその色がある事に強い違和感を抱いた。
「おお、呼び出しとは怖い怖い・・・・」
肩を竦めながら、素直にエルの後をついていく
そして叩き割るの言葉に臆することなく真剣な口調で
「そんな事をしては主の身が持たんくなってしまう。・・・・まず目に関してだが、包み隠さず述べようと思う」
徐にかけていたサングラスを取った
そこにあったのは、琥珀と全く同じ金色の美しい瞳
「主の目は、私が故意に奪った・・・・この目は正しく主の目そのものだ」
「 お嬢、悪いな。ちっと外の空気吸ってくる。 」
そっと彼女の頭に手を乗せるとそれだけ言い、席を立つと襖を開けて。
外に出る前に一度自分と同じ姿をした紅を見てクイっと顎を動かしてはこちらへくる様に伝える。
自分の姿をしているだけあって褒めてやりたいほどに腹が立つ。
「 いいから話せ。隠そうモンならあの石は他と同様に叩き割る。 」
話せる様な場所まで移動すると相手を睨みつけたまま、だが軽口にそう言って。
『これしきの事で臆するとは、貴方もまだお若い証拠だ。おっと・・・・私がこうしている事は主に内緒にしてほしい』
口元へ一本指を当てる仕草をしてはいるが、顔がしてやったり!みたいな顔をしていた
彼の顔でしているものだから、相手は複雑だろう
『何故主が見えなくなり、能力を使えなくなったか・・・・・知りたいか?』
エルと同じサングラスを音を立てて上げながら
彼と同じ笑顔で、ニヤリと嗤った
「 ……ッ、……シ………いや、あんたか。 」
目の前で揺らめく空気。
その形態が自分に似たものだと認識した瞬間、自分の表情に恐怖の色が滲んだのが分かった。
聞き取る事は不可能な掠れた小さな声が洩れ、勢い良く立ち上がると一歩、二歩と退き。
然し其れの容姿が、声が自分の知っている存在とは違うと理解するなり、訂正する様に顔を逸らして目泳がせる。
「 びびらせンじゃねェよ石っころが… 」
彼女から見れば滑稽な独り言になるが、構わず声を掛けた。
表情は既に怨色に変化し、だが悔しい哉、自分より彼女を知り得ている鉱石に耳を傾けて。
「ありがとう・・・・エル」
震え、痛みで動かない腕を何とか動かしながら、ルビーを胸の前へ持っていき、淀み無く言葉を紡ぐ
「古よりこの世を照らす君に願う。我が身を温かく慈悲あるその力を以て包み給え」
しかし、ルビーは赤く瞬くだけでその力を少しも具現化出来なかった
絶望したような声で、琥珀は呟く
「何で、応えて・・・・くれないの?」
?『それは貴女の心に問題があるからだ』
エルの頭の中へ、直接響くような声が木霊したかと思えば
目の前に1つの人影が生まれる
それは徐々に形を取り始め、最後には・・・・エル本人と同じ容姿となった
唯一違うのは、燃える様に紅い髪であると言うことだけ
?『お初お目にかかる、Erbaccia殿。私は主に最も古く仕え名を賜りし者、紅と申す』
彼と全く同じ姿で座す彼は深々と丁寧にお辞儀をする
そして顔を上げると
紅『今のこの会話すら、主には聞こえておらぬ。Erbaccia殿の姿を借りたこの姿も勿論見えておらん・・・・しかし、それも当然の事なのだがな』
悲しげに呟く彼は、原因をあたかも知っているかのようだ
「 ………一回、だけだからな。
また暴れてくれるなよ。 」
全く聞こえないのは自分が破壊したり無理やり抑え込んだ事ゆえの媒体のストライキか何かと思っていたが、そう簡単なものでは無いらしい。
そして大概自分も彼女に甘い。
そして彼女も意図的でないにしろ、狡い。
涙で湿る掌を退かし、ポケットに手を入れると彼女のお気に入りを弱々しく震える手に握らせて。
「つっ・・・・一瞬で良いんだ。一つだけ、どうしても確かめたい事があるだけ」
彼の言葉を聞いて、思わずそう言いながら彼の手を弱々しくも握る
その手は何かを恐れるように小刻みに震えていて
「私には、こうなってしまった目よりも重要なんだ・・・・!石の声が全く聞こえない。今までこんな事、能力に目覚めてから、一回もなかったのに・・・・!!」
瞼を落とされた目から、ボロボロと涙を溢す
そんな彼女の頭をよぎるのは最悪の事態だった
「 傷が癒えるまで返す気は無い。
…今回の事、暫く反省してくれ。 」
努めて優しい声色で、全ては彼女の為だと、伝わるはずもない想いを上記で諭す。
彼女の表情は乏しい。
が、それでもずっと感情的で本能的だ。
空いた手をそっと彼女の目元を覆うように置くと、彼女の瞼を落とさせて。
自分のこの手に治癒能力さえあれば、と思うのとは稀ではない。
「 まずはこの目をどうするか、経過を見ながら考えてみるとしようか。 」
「そうか、私を守るために彼らも命を張ってくれたんだな。私の周囲にあった石は私の手持ち全てだ・・・・治癒の力を持つ石もそこにあった」
悲しそうに顔を歪める琥珀。
激情に身を任せて暴れた結果、大切な友(宝石)を失った挙げ句にこの状態である
胸元のルビーに触れようとしたが無いことに気づき、エルの方を向いて
「紅は無事なんだろう?取ってくれないか」
「 ………石は、俺が大半壊した。 」
あの時、暴れる宝石たちを散々破壊したのは自分だ。
彼女の扱う能力の媒体は慣れ親しんだ鉱石のみ。
破壊した中にその鉱石があったというのなら、彼女は間違いなく今使用することができない。
「 お嬢が意識失った後も、能力が止まらなかったんだ。 」
申し訳なさそうに、ただ事実を彼女にはっきりと知らせて。
「何も、見えない・・・・光を、感じるぐらいしか」
掴まれた手から彼のぬくもりが伝わり、安堵の表情になる
掠れた様なエルの声、心配してくれているのが伝わってきて安心してもらえるように
務めて明るい声を出す
「大丈夫だ。石さえあれば・・・・そういえば、私の周りにいた宝石は何処にある?
目覚めてからずっと、紅以外の気配を感じないんだ」
「 どした…目、見えないのか…? 」
伸ばされた手に、自分の存在を主張するが如く掴めば喉が掠れるような、そんな声で問いかけてしまった。
彼女の状態は予想していたより随分酷いものらしく、思わず考えより先に焦りが表に出てしまったらしい。
落ち着け、とばかりに呼吸を整え掴んだ手に少し力を入れて。
「 俺は此処だ。
お嬢の身体はあと数週間は絶対安静。
…だが、治癒の能力が使えるなら話は別だ。
どうだ?使えそうか? 」
「エ、ル・・・・?」
閉じた目に光が入ってきて痛みに顔を顰める
ゆっくりと目を開いても、ただ何も見えない世界が広がっているだけで
自身に声をかけてくれたエルの姿を見ることすら叶わない
「私の目は、身体は、どうなって・・・・しまったんだ」
痛み軋む身体に呻き声を漏らしながら、声のする方へ手を伸ばす
「 よォ、やっと目ェ覚めたか。 」
このまま目覚めないかもしれない、なんて危惧し始めた矢先のことだ。
ここ数日、減った人員分の仕事…交渉、不穏因子の処分、その他諸々彼女が目覚めない間に何でもやった。
空いた時間を見つけてはこうして彼女の部屋を訪れ、看病してはまた彼女の父親の指示で動いた。
彼女の綺麗な金の瞳をもう見られないと思うと、珍しく心が痛んだのはここ最近の話。
だがそれも今や杞憂と化した。
無理に引っ張って取りやしないかと気に掛けて目元の包帯をゆっくり巻き取りながら、心配そうに顔を歪めて声を掛ける。
彼女の身体と精神は深刻なダメージを負っていた
それを表すように、琥珀は3日3晩ピクリとも動かない
しかし眠り始めて四日目、僅かに腕が動いて
「うっ・・・・」
苦しげに呻いてから、頭を動かして周囲を見るような仕草をしたと思えば
「石の、声が・・・・ない」
まるで何かを探すように再び辺りを見回しつつ、目を覆う包帯を取ろうと手をかけた
すっかりミイラ女になってしまった彼女に複雑な視線を注ぐ。
あの後、部屋へ連れ帰って安静状態に持ち込んだが彼女に対して集中治療を施さないのは裏の人間ゆえか、それとも父親の仕打ちか。
「 万能、最強…なんて、俺は大嘘吐きだな。 」
いつだったか、彼女の能力に対して大層な賞賛をしてやった覚えがあり、それを思い出してはサングラスを外しながら深く溜息を吐いた。
当然だ。最強の四属性に回復、精神支配まで可能だというのに使用者がこんな有様なのだから。
vネックにそれを引っ掛け、まだ床に転がる鉱石の破片をひとつひとつ丁寧に拾っていく。
その石は彼女の血を吸い、乾いて茶色く変色していた。
琥虎「お前さんの言う事になら耳を傾けるか・・・・良かろう、もう一度ソレに機会を与える。おい、治療してやれ」
彼の指示を受けた医師が漸くその場で的確な施術をする
少し時間がたって、施術を終えた医師は
医師「傷は殆ど塞ぎました。しかし、強い光を浴びたのか目に若干影響が出ています・・・・少しの間は目が見えないかもしれません、光が目に入らないよう包帯を巻いておきました」
施術された琥珀はみるも痛々しかった
目や肩は当然だが、何故か全身にも包帯が巻かれている
それについて医師は
医師「何故か身体の各所から血が流れておりました。まるで無理矢理動かして切れたかのようです・・・・」
無の境地を使い、無理に身体を動かしたせいであった
「 ならばもう一度彼女に機会を。
俺から次は無いと言って聞かせましょう。
減った人員の分は俺なら補えます。 」
その瞳を確と捉え、彼女と同じ美しい瞳に高揚感すら抱く。
だが彼は失って困らずとも此方は非常に困るのだ。
こうべを垂れて上記を、然し時間も差し迫っている為すぐに医師の元へと歩み寄る。
「 早急な輸血と、肩の治療を頼む。 」
琥虎「確かに私の命よりも大切だ。しかし、流石に今回の様に組へ混乱を招く事態を何度も引き起こされると困るのだよ」
そう言っている彼の目は、エルの表情よりも冷めきっており
更に続けた
琥虎「組にとって有害なら排除する。それが私の組長としての務めだ」
「 使えなければ、放っておくのですか? 」
ゆっくりと顔を上げ、冷め切ったいつもの表情を彼へ向けながら問う。
咎めているわけではなく、彼の本心を探る為だけのただの質問だ。
「 ご自分の命より大切なご子息…でしたよね。 」
釘を刺すように付け加え、動かなくなった彼女を横抱きに持ち上げて。
紅と宝石達という外壁を取り払われた琥珀は何の抵抗も無く、エルの腕へと抱かれる
蒼白く冷たい肌はまるで死んでいる様だが、胸は微かに動いていた
鮮血の色によって、その色味はよりいっそう引き立てられる
人払いを済ませたのち、医師を連れて琥虎がエルの元へ来た
琥虎「ソレの具合はどうだ、まだ使えそうか?」
それによって医師が施術するのか決めるのだろう、命の危機にある少女を前にしても医師は動かなかった
「 ふはッ…なァに暴れまくってた石ころが一丁前に知ったかぶってんだァおい?
………俺はあんたらを赦せてねェ、失せろよ。 」
止まらない能力発動は鉱石自体が意思を宿しているから。
能力開花と同じ時の様に彼女へ歩み寄り、両手を広げて炎を、彼女を迎え入れる。
耳障りな定義は最早聞き慣れた。
重みこそあれ一瞬で捕らえたその赤を消滅させては残る鉱石たちに銃口を向けて。
一発一発的確に鉛玉を撃ち込み、鉱石を砕けば漸く静かになる。
「 お嬢、ごめんなァ…痛いよなァ…苦しいよなァ。
俺がちゃんと、道作ってやるから。」
父親に『傀儡』だと思われ、大切なものを次々と奪われる苦痛。
騒然とする組員達には目もくれず、彼女を腕の中に収め、両手を血に染めながらも抱き締めては肩口に顔を埋めてそう、嬉しげに囁いた。
側から見れば友の暴走を哀しむ自分の姿、と言ったところだろうか。
最高の幕引き、彼女の涙は色覚補正越しでもうっとりするほど美しかった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
目を貫くような光と耳をつんざく轟音
無の境地に足を踏みいれていた琥珀にとっては激痛に等しい
グラリと揺れて薄れる意識の中、無意識に呟いた
「何故、娘として・・・・見てくれ、ないの・・・・?」
同時に流れ落ちた一粒の涙
自らが作る血の池へ倒れ込んだ琥珀だが、その周囲は未だに宝石達が囲っておりアメジストの力も失われてはいない
エルに向けて紅が泣き叫ぶ
紅『何故、主を重んじておった貴方がそちらにいってしまったのだ!アレが主へ何をしたかも知っておっての行動か?!』
近づこうとする組員へ無差別に攻撃を繰り出す宝石達
紅の炎が守るように琥珀を包み込んだ
まるで地獄絵図の出来上がりだ。
混沌とした残虐で無差別な行い。
その原因が自分だと思うと凄まじい衝動が背筋を駆け上り、口元を押さえた。
そうしないと___歓喜の声を上げてしまいそうだからだ。
鈍く光る紫の光。
それが何の石ころかも検討がつく前に【拒絶】を張るが、その矛先は自分に向けられたものではない様で、広がる狂気の波はびりびりと鼓膜を震わせ脳の髄まで思考を甘く溶かそうとする。
間違いなく、近いうちに彼女の能力はこの組をも包み込み、破滅に追いやるであろう。
その破壊兵器を真心込めて育てたのが自分だという事実だけで理性の糸が千切れてしまいそうで。
…然し、それは今でなくて良い。
そろそろ働かなければ痛い目を見るのは此方だと警告が鳴り響き、ポケットから小さなボールを取り出すと彼女の前方へと素早く投げ込む。
瞬間に弾け飛ぶそのボールから放たれたのは目の眩む程の閃光と大音量。
彼女の研ぎ澄まされた神経にはひとたまりもないと予想し、耳を塞ぐ手を離して。
またしても力を奪われてしまった
流石に三度目をやるほど琥珀は馬鹿ではなく、紅に防御を完全に任せると、無の境地を使った
異常な精神が進化させたのか、一歩と半歩踏み入れた
「アレさえ殺せれば、どうなっても構わない・・・・!」
『主が望むなら、我々は猛威を振るう。私の力は奴に奪われぬ、邪魔する者は全て葬る!』
騒ぎを聞き付けた組員、琥虎に指示された組員が彼女の行く手を阻もうとした瞬間にアメジストが怪しく光った
彼らは一様に狂ったような雄叫びをあげ、全員がその場で悶え苦しみ始めた
「人を酔わせ、果てなき愉悦に堕とす。それがアメジスト」
自身を省みない琥珀の身体は既に悲鳴をあげ、肩の傷口からは既に血がドクドクと流れ出ている
それでも彼女は足を、攻撃を止めない
執念と気力のみで持っていると言っても良い状態だった
「 …学ばねェな。 」
徐にその風の中に手を突っ込めばまた剥奪。
視界を遮る物が落ち、手早く何かを書き上げながらまた追いかけっこが始まる。
最中、無駄だと知りながらも彼女へ拳銃を乱発した。
軌道は読まれない様に乱雑に、かつ素早く打ち込む。
最悪当たらなくとも確実にこの発砲音が屋敷内の組員に異常を知らせ、彼女の邪魔をするであろう。
その頃、彼女の父親の元へ猛烈な突風と共にひとつの紙切れが落ちる。
『カノジョが向かった
かまえろ 』
たったそれだけの短い文章だが状況を伝えるには十分過ぎるものであろう。