Nicotto Town


シグキーリア


friend-名も無き物語-第10章 その②


   friend-名も無き物語-第10章 その②

  「私とチームを組んでくれた・・・・・・最初の
 友達だから・・・・・・。」
 とミスティアはカゲロウに向かってそう言った。
 「・・・・・・。」
 カゲロウはただただ黙ってミスティアの話を
 真剣に聞いていた。
 「最初って・・・・・・他に友達は・・・?」
 とカゲロウは素朴な疑問を投げ掛けると、
 「・・・・・・。」
 ミスティアは少しの間黙った後、
 「私は・・・・・・物心ついたときからひとりぼっち
 だった。」
 とミスティアはカゲロウに向かって自分の辛い
 身の上話を語り始めた。
 「しかもあんまり過去の記憶がないというか・・・
 あやふやというか・・・・・・。」
 とミスティアはカゲロウに向かってそう言うと続けて、
 「もう何年も生きているはずなのに・・・・・・
 生きていた感覚は覚えているのに・・・・・・何故か
 しっかり思い出せなくて・・・・・・。」
 とミスティアはカゲロウに向かって
 そう言うと更に続けて、
 「・・・自分でも思い出したくない過去だったの
 かな・・・・・・だから無意識に思い出せなくなって
 いるのかもしれない・・・。」
 とミスティアはカゲロウに向かって目をつむって
 そう言うと続けて、
 「私は・・・ずっとひとりだったのかな・・・・・・。」
 とミスティアはカゲロウに向かって目をつむったままそう言った。
 「・・・・・・何かごめん。余計な事聞いちゃった
 かな・・・。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそう言って謝った。
 「気にしないで・・・。私のことだから・・・。」
 とミスティアはカゲロウに向かって目をつむったままそう言った。
 「・・・・・・。」
 カゲロウは少しの間黙った後、
 「・・・俺にもいたよ。君みたいな境遇の友達が。」
 とミスティアに向かってそう言った。
 「えっ・・・?」
 とミスティアはカゲロウに向かって驚きながらそう言った。
 「誰からも相手にされずにただ一人で過ごして
 いる奴だった。気になった俺はそいつに
 声をかけたんだ。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそう言うと続けて、
 「放っておけなくてな。それで最初は突然声を
 かけてきた俺を不審な感じで見てたけど・・・
 すぐに打ち解けられたんだ。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそう言うと更に続けて、
 「そいつはポケモンには結構懐かれていてな。
 あいつのポケモンはみんな嬉しそうな表情を
 していたよ。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそう言って
 話を続けた。
 「その光景を見ていると、あいつはとっても
 優しい奴なんだなってすぐに分かった。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそう言うと続けて、
 「だから俺はなりたかたんだ。あいつと
 『友達』に。」
 とカゲロウはミスティアに向かって
 そう言うと更に続けて、
 「だけど・・・・・・。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそこまで
 言うと少しの間沈黙した。
 「だけど・・・?」
 とミスティアがカゲロウに向かって
 そう訪ねると、
 「この世界に来る少し前に・・・・・・あいつと喧嘩
 しちゃってな・・・。それっきり会えていない。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそう言うと続けて、
 「俺はあいつに謝りたかった。だから必死で
 探していたんだ。」
 とカゲロウはミスティアに向かって
 そう言うと更に続けて、
 「そしてしばらく経って・・・・・・あるポケモンが
 『お前の探している奴はこっちの世界にいる』
 って言ってきてな・・・。」
 「それで俺はこっちの世界に来た途端、この姿に
 なってしまった、というわけなんだ。」
 「だから俺はあいつを見つけるために、そして
 ちゃんと面と向かって謝るために、この世界で
 あいつを探すことにしたんだ。」
 「おそらくはあいつもポケモンになっている
 だろう。どんな姿になっているかはわからない
 けど、絶対見つけ出してみせる。」
 とカゲロウはミスティアに向かって
 自身の決意を語ると続けて、
 「そして・・・・・・仲直り・・・・・・したいんだ。」
 とカゲロウはミスティアに向かってそう言った。
 「・・・・・・きっとできるよ。仲直り。」
 とミスティアはカゲロウに向かってそう言うと続けて、
 「その子も優しい子なんでしょ?だったら
 きっと今頃、カゲロウ君と同じく、喧嘩したこと
 悔やんでるんじゃないかな?」
 とミスティアはカゲロウに向かってそう言ってきた。
 「そうかな・・・・・・。」
 とカゲロウはミスティアに向かって不安そうにそう言った。
 「・・・私も応援する。そして2人がまた出会えて、
 仲直りできるように協力する。」
 とミスティアは不安そうにしているカゲロウに向かって
 そう言ってきたのだった・・・。
   
  
                  その③に続く




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