大切な何か(03)
- カテゴリ:自作小説
- 2017/10/03 22:26:31
贅沢な悩み
この物語は、ある男の日記をもとに書かれたものである。
男はこのことについて、露とも知らずにいる。
実はそんな事など、心配する余裕などあろうはずもなかった。
男は語り始めた。
きっとそうに違いない、私より辛い人生を送っている人は、世の中に沢山いるはずだ。
しかし、そのはずなのだが、笑顔の数も沢山存在するという構図もぬぐい切れない。
いまのところ心は、激しく揺れているものの、寒さをしのぐ寝床はある。
さらに、こうしてネット越しに思いを綴る手段もある。
だから、この悩みさえ、幸せの一部なのだと理解しておこう。
きっと今は、ポツリポツリとしっかり自分の足元を見ながら、道のりを歩んでいく時なのだ。
きっとどこかで出会いがあり、それが供に歩んでくれる連れ合いを運んでくるかもしれない。
いまはオドオドしていて、周りを見回す余裕はないが、いつかきっと自然になるであろう。
そして、がっくり落とした眼をもたげる、ゆとりが生まれるよね、ね、ね・・・
さて、突然だったので、今のアパートにいる羽目になったのである。
しかし、ここはキッチンとか申し訳程度で、とても自炊できますって環境ではない。
よくよく探してみると、ここより1万円も安くて、ちゃんとしたキッチンが付いてるアパートがある。
いざ職がなくなったら、たとえ1カ月でも多く生計を維持できる、アパートへ移りたいのである。
今のアパートでは、暮らしやすくと、色々手を加える気になれないのである。
今度の休みにでも、目をつけておいたアパートの、不動産屋さんへでも行ってみることにする。
若干ではあるが、前向きに生きようとする、この男の姿が垣間見れた。
つづく