Nicotto Town


今年は感想を書く訓練なのだ


夢の欠片

この発想に胸が躍り、目が天空をさまよった。
傍から見ると時季外れの、それ系お兄ちゃんに映るだろうな。
目から鱗である、最近の目から落ちると、
しゃがみ込んで探す羽目になる、それとは違う。

人はなぜ夢から覚めると、途端に忘れてしまうのだろうか?
やっと分かった、欠片が珠となり、転げて行ってしまうからなのだ。
夢の持ち主は、後に残った場面をかき集めて、
つなぎ合わせようとするが、上映するには至らない。

だがまてよ、欠片なのになぜ、まあるくなるのかな?
ここからが肝心なのだ。
実は子猫が、あやかしの呪文を唱え、欠片を丸めていたのだ。
あなたも枕や、ベットの下を覗いてみよう。
夢を操る吉猫の、忘れて行った欠片が、転げているかもしれないよ。

たくさん集めれば、きっと素敵な物語が出来るはず。
さあ今夜も、吉猫と夢の欠片を求めて、夢の世界へ行く時間だよ!

アバター
2017/09/28 18:50
>妖猫の 光る眼に 覚えあり 我が落とした 夢の欠片か
また燃料の投下ですね、
あの怪しく光る片目は、霧我珠により映し撮られた、夢の欠片だったんですね。
さて吉猫の片目が、あやかしに光る夢の欠片に代わるストーリーも考えなくちゃね。
アバター
2017/09/28 00:14
●吉猫の故郷
吉春のばあちゃんは、黒髪山のふもとに代々続く家に住んでいた。
もともと、この辺りを支配する地主の家系であったが、
今は菩提寺に残る、墓石の古さだけがそれを語っていた。

この春に、優しくひょうきんな性格の爺ちゃんに先立たれ、
老猫に親しく語り掛ける、ばあちゃんが心配でならない。

「よし、ほおらイワシ雲が出たよ、そろそろ季節だね~」

時々ギクッとさせられるが、もう慣れっこだ。
祖父ちゃんの名は、吉秋と言う、紛らわしい名だが仕方ない、我が家の伝統だから。

そんなある日、あかね空が、東に昇るお月様にさよならをする頃だった。
老猫のよしは、しきりに喉元を震わせて、みゃ~みゃぁあと訴えた。

「よし、お外が気になるんかい?もうすぐ暗くなるよ」

「おむつしたままで、どっか行きたいんかい?」

よし猫も春先に、不注意な車にはねられて以来、腰が上がらなくなってしまっていた。
しきりに強請る愛猫に、ばあちゃんはオムツごと抱えて、連れ出した。
そっと、よし猫の見つめる方角へ降ろすと、雁がねが哀しく響いていた。

「よし……」

家猫といえど、帰ると時と、その場所は心得ていた。
自分を愛してくれた、家族にその姿を見せてはならないと言う、定めと共に。
しばらく見守ると、辺りを見回しかすかに聞こえる、よしの悲しみ。
背中を震わせた三本足は、力なく崩れ落ちた。

「もいい、もういいよ、よし」

もう行くべき道を探し、歩いてゆく力は、よしには残されていなかったのだ。
歩き始めの、頼りない歩みは親の心をくぎ付けにし、転げると即座に抱き起す。
それと同じだった。しかし片方は喜びに満ち、もう片方には夜の戸張が降ろされた。
三日後に、祖父ちゃんの傍ら深く寝かされた。

つづく
アバター
2017/09/27 23:35
・コンタクト 出会いではなく レンズかな 探しまわるは 一人ではなく

いえいえ、それではありませんでした^^

・妖猫の 光る眼に 覚えあり 我が落とした 夢の欠片か



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