Nicotto Town


ごま塩ニシン


脳活日誌932号

   91歳の人と立ち飲み。
 読書会の感想文を印刷しようとパソコンをクリップすると、インクがありませんと出た。エラーモードで動かない。仕方がないから、文具店に向かった。ちょとしたことで気分がハイになる。ちょっと一杯やろうかとなる。男は困りものですね。直ぐに堕落してしまう。それで駅ビルの立ち飲み屋に寄ってみる。いましたよ。常連さんが!彼は大正15年(つまり、昭和元年生まれ。徴用されて陸軍の通信隊に所属していた。初対面の人には敬礼をする。まあ、純朴なおじいちゃんです。)この人の横で日本酒を枡酒しました。1合枡に入れてくれます。酒のあてはイカの天ぷらと野菜の煮物。これで約千円なり。

 話も弾んで、帰ろうかと思っていたら、日本人夫婦が外人夫婦を連れて、4人連れで店に入って来た。カウンターの下に椅子が隠してあるのだが、アメリカ人の女性が観光で疲れてしまったのか、椅子を引きずり出して座ろうとした。店員が今は立ち飲みの時間ですから、椅子は駄目ですと腕を十字に合図をした。すると、アメリカの女性はいかにも疲れましたと、カウンターにうつ伏せになった。これ、演技なのです。たぶん頭のいい人なのでしょう。とっさに疲れて椅子に座りたい気持ちを表現できるなんて、素晴らしいと私は思った。すると、91歳のおじいちゃんが、僕も立って飲んでるよ、と言った。店員は「この方は91歳ですが、立って飲んでもらっています。」とダメ押しした。

 たぶん、これでアメリカの女性は理解できたのだろう。背筋を伸ばして、ビール下さいと注文を出した。これで円満解決しました。社会生活というのは納得することです。彼女は91歳の人が立ち飲みしているのに自分がルールを破って、椅子に座るという行為に反省をしたのかもしれません。そもそも、この店は夜の6時からは椅子の使用を許可しているのです。6時までは立ち飲み形式で営業しますから、よろしくというのか基本方針なのです。私も初めて店に行った時、このルールを知らなかった。椅子を引き出して座ろうとしたら注意されたことを憶えています。何事も初体験はトラブリますね。経験して要領を覚えていきます。よかった。




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