Nicotto Town



台風一過

読まなくていいやつですw



















































日曜日の夜は、台風の夜でした。

風が一番吹いたのは、夜遅くの時間。マンションの敷地のメイン通路に面した真っ暗な部屋で、ひとりでぼんやりとしていました。

外灯の青白い光は、風に大きく煽られる大きな桜の枝にかき回され、私の居た室内を影絵のように揺らぎながら照らしていました。ごうごうという風音と窓ガラスに打ち付ける雨粒のばちばちという音は、揺らぐ光と合わさって、本当に影絵でも見ているようです。

人はなぜ、なにかを見て美しいだとか、幻想的だとか、そういう感情を持つのでしょう。動物は、沈む夕日に心を奪われることはあるのでしょうか。そんな感情もなければ、きっと人生はもっと単純で、憂鬱な時間ではないものになったことかと思います。

世界には悲しみが溢れている。
美しいものだけを見て生きていきたい。

もう15年以上も前、たまたま再会し、後にも先にその一度だけ夜を一緒に過ごした大学時代の友人が、そう言っていたことを今も覚えています。それは、僕の心の支えは、今もその一言の中にある気がしているから。そんな日が自分にも訪れることを思いながら。

台風は、なぜもあんなに心地よいのか。吹き荒れる風と雨は、その只中に身を置くと、自分を溶かしてバラバラにして吹き飛ばし、そのまま包み込んでくれるような気がするからでしょうか。いつまで経っても、結局は子供の頃と何も変わらない自分を持て余しながら、うつむいて生きているような気がします。



匿名だと、何を書いても大丈夫そうですねw




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