【お話】夕暮れる水晶の谷
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- 2017/08/20 00:31:47
船をあやつり、たどり着いた谷は、
夕暮れの光の中で、輝いていた。
ここの水晶には、古代の魔法が息づいていると言う。
りいん、りいん、
しゃり、しゃらん、
光が差すと、風が吹くと、
石たちはふるえて、静かに歌う。
りいん、りいん、
しゃら、しゃりん、
音のない音が、幾重にも輪を描き、
ささやき、祈る歌声が、
さやかに、さやかに、谷に満ちる。
音は光。光は歌。
石たちはそうして、きらめきの中、
時を、夢を、語り続ける。
時を、夢を、語り続ける。
ここは水晶の谷。
光と歌声が、幾重にも輪を描く、魔法の場。
過去と未来が反射して、きらめく光の中に息づく。
***
水晶っぽい表現をしようとして、悩みまくりました。
紫香さんのお部屋の写真を、参考にさせていただきました。テントの中でバイオリンをひいている、しみじみした感じの写真です。
そこから、どうにか、水晶の結晶っぽくならないかと、あーでもないこーでもないとやってみて、
こうなりました。
水晶です。
見えなくても水晶です。