Nicotto Town


シグキーリア


アラキの大冒険最終章 エピローグ


   アラキの大冒険最終章 エピローグ

  流石にポケモン界と人間界を超えての会話は無理
 なんだろう・・・。
 帰りに偶然クロノール達と出会った。
 どうやら彼らはここに住むために、稼いでいたらしい。
 彼らにシナンとソウルが死んでしまったこと、
 アラキが人間界に帰ってしまったことを話した。
 皆言葉を失って俯いていたが、クロノールは
 悔しそうに泣いていた。よほどショックだったのだろう。
 ・・・・・・ねぇ、君はポケモンが好き?
 もし好きなら、考えてみてほしい。
 君にとって、ポケモンは何?
 共に戦ってくれる大切な仲間?
 レーティングで勝率を上げるための戦闘機?
 共に培ってきた経験は切断なんて行為で相手を
 踏みにじるものと形を変えてしまうの?
 たとえ、そのポケモンが貴方の空想上のものでも、
 ゲームのものでも、それ以外のものでも・・・・・・。
 ポケモンとともに作った思い出は・・・・・・
 大切にしてほしいと私は願う。
 友達とゲームを持ち合って、赤外線通信で
 互いのポケモンを競い合う・・・・・・。
 その試合に勝った時、そして負けた時、
 そして引き分けた時、どう思った?
 勝つ喜び、負ける悔しさ、引き分けた時のモヤモヤ感・・・。
 すべてそろって、初めて「勝負」って言えると私は思う。
 数日後・・・。
 「お姉ちゃん・・・・・・。」
 夕暮れに染まるハジマリヤタウンにあるアノートの家の
 前でフュールが、涙を流しながら泣いているアノートに
 そう言う。
 「・・・・・・このマフラー・・・・・・シナンの形見に
 なっちゃったね・・・。」
 と涙を流しながら黄色いマフラーに手を当てて
 泣いているアノートがそう言う。
 「・・・・・・シナンが望んだ、全てのポケモンが
 幸せに暮らせる世界・・・・・・。」
 と涙に目を潤ませながらアノートは、
 「私も頑張って目指さなきゃ。彼女とは違って
 私は今ここに生きているんだもの!!」
 と涙に目を潤ませながらアノートは続けて、
 「生きる者は生きている証として大切な何かを
 残さなきゃいけないと思う。だから私は、
 彼女の望んだ世界を目指す・・・!!」
 と涙に目を潤ませながらアノートは
 そう声高らかにフュールに宣言する。
 「お姉ちゃん・・・・・・!」
 そうフュールが言うとアノートは、
 「・・・・・・友情結晶のお守り・・・か・・・・・・。」
 と呟き自分が身につけている友情結晶のお守りを
 じっと見つめる。そして、
 「・・・・・・ねぇフュール?」
 アノートは、フュールにそう言うとフュールが、
 「なに?」
 とアノートにそう返すとアノートは遙か遠くを
 見つめながら、
 「切断結晶は、私達の友情で破壊できたのよね?
 そんなに固い友情があるなら・・・・・・。」
 とアノートはそう言って自分が身につけている友情結晶のお守りを
 外して沈みゆく夕日に向かって天高く掲げると、
 「アラキにも・・・・・・またきっと会えるよね?」
 とアノートは笑顔でそう言ってフュールのいる方に
 顔を向ける。
 「そうだよ!お姉ちゃん!!ぼくたちは
 離れていても、このお守りで繋がっているんだ!
 友情という名の・・・・・・ね!」
 とフュールは、アノートを励ます様にそう言う。
 「そうよね!!きっとまた会えるわ!
 また奇跡を起こしてみせるわ!!」
 とアノートは笑顔でフュールにそう宣言する。
 だから・・・・・・貴方も私達の事・・・・・・忘れないでね!
 アラキ!!
 夕暮れに染まるハジマリヤタウンにあるアノートの家
 に2匹の姿が消える。
 夕焼けに燃える空には幾千の星が
 瞬いていた・・・。

              アラキの大冒険 完




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